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顔バレするのってヒヤヒヤするね

【文字数:約2,000文字】

 投稿した写真から住所を特定されることもある現代、リアルタイムの映像通話で顔バレするという貴重な経験をした。


 先日、VTuberとのオフラインで楽しむイベントがあり、直前まで悩んだものの良い経験になると考えて参加することにした。

 場所は東京調布にある「JAPANNEXT BANQUET」というe-sportsの教室なども開かれている施設で、オンラインゲームで必須な高速回線を利用しているらしい。

 イベントは毎週末に続けて行われており、以前にも記事にしたキノコ大好きVTuber奇ノ駒たんごさんが出演するとのこと。

 奇ノ駒たんごさんは先日、きのこマイスター協会が認定するマイスター資格のうち、最高位にあたる「スペシャルきのこマイスター」に合格しており、お祝いを直接の形で伝えたかったのも参加の決め手になった。

 なによりバイク or 自転車で行ける圏内なのも後押しになった。

 建物の外観はこんな感じ↓

左はボルダリングジム

 到着するまでに汗その他でドロドロになってしまうため、あらかじめ周辺の施設に立ち寄り、人間の形に戻ってから現地に向かう。

タイムテーブル

 1人あたり約2時間で回していくため、webで確認したときは慌ただしいのかと思いきや、わりとゆるやかな進行だった。

 まずは開場というか受付が始まり、コラボメニューの提供や物品販売、それと手紙や菓子といった差し入れの受領が行われる。

出演者のポスター
(ここから奥は撮影禁止)

 落ち着いたところで奥にあるスペースに移動し、1畳くらいありそうな大型モニターの前で軽く雑談をした後にビンゴ大会が行われた。

 すごく上手い商売だと思うのだけど、もちろん参加には用紙1枚分を購入する必要があって、当選確率を上げるために「もう1枚どうですか」と勧められた。

 しかもそれはビンゴ大会の後に行われる、モニターの前で2ショット写真を撮る権利も付いているとのことで、写真が欲しいなら購入必須というわけだ。私は正直そこまでの熱意がなく、後で話せる時間もあるから遠慮した。

 残念ながらビンゴ大会は複数枚で取りにいった人たちに敵わず、何も得られないまま時間が過ぎたけれど、ビンゴの進め方に人柄が出るのを感じられただけでも収穫だった。


 ビンゴ大会が終了して2ショット写真の撮影会も終わると、最後に控えた1 on 1 で話せる機会がやってくる。つまるところモニター越しに1対1で話すのに価値を与えるというわけだ。

 私としては先日のスペシャルきのこマイスター合格を祝う他に、個人的な理由から迷惑をかけたことを詫びたくて、おそろしく割高な1,250円/分の料金を払った。

 結果として詫びを入れることはできたけれど、本当にそれが必要だったかといえば、単なる自己満足だったと思う。

 リアルの顔バレまでして、実年齢とのギャップやらを想像したら軽く〇ねるし、これを契機として絡みが増えたらむしろ戸惑ってしまう。

 だからこれは私なりの「けじめ」なのだろう。

 推しを応援するために創作物を作ることは、自身の満足という目的の他にも推しの評価に対して、多少なりとも影響を与えることになる。それを本人に詫びるのは、筋を通す意味では必要なことだった。

 あのときの私はそれを自覚できないまま、好き勝手に書いて「これはダメだ」と打ち切った罪がある。それをすすぐために別の作品を書いて、おおむね好評を得られたから今こうして、恥ずかしくもイベントのレポート記事などを書いている。


 オフイベに参加して本当に良かったと思うのは、配信時の言動などから尊敬しているリスナーに会えて、「退院おめでとうございます」と伝えられたことだ。

 主役たるVtuberと会うためのイベントではあるものの、私としては配信に集まっている「彼ら」をリアルで目撃したいがための参加でもあった。

 やたら攻めたコメントをするあの人は、なるほどこんな人なのか、という納得をしつつ、推しは同じでもスタンスが違うと理解した人もいて、とても有意義なイベントだった。

 もちろん推しのために集まったのは理解している。ただ、私としては「なぜ彼らは推すのか」を推察する一助になったことは、イベントリポートの締めに書いておかねばならない。

 1人に対して10人がコピーしたみたく同じ好意を持つとは限らなくて、形や強さは人それぞれに異なる。それを実感できたのが今回イベントに参加した1番の収穫だ。

 いつかの配信で「ファンミーティングみたいなのがあるといいね」みたいな話が出た。

 正直なところ住んでいる場所や年代も違えば、推している姿勢も異なる人々を一括りにして、同じ「ファン」として扱うのは難しい気がする。

 それでも私は先日のオフイベにて、リスナー同士の連帯という文字にすると寒気がするような繋がりを、夢物語みたいに淡く信じたくなった。

 たぶん私は「理想的なファン」ではない自覚があるからこそ、そうではない彼らを羨みつつも、後は頼む、みたいな老兵ポジションを夢想するのかもしれない。



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