トコトン理念会議(第1回目) 【ゲスト 森田さん】
理念は日々の仕事にどう活かされていますか?
【トコトン理念会議とは】
企業や組織にとって理念が大切だ、必要だと言われます。理念について少し調べると、確かにそのように感じます。でも少し、本当にそうなのかなという思いも抱いたりしませんか?理念についてどれだけ本当に理解しているのでしょう。固定観念や先入観なく理念について学び考え、そして、学び考えたことを発信する。それが理念会議です。理念が本当に役立つものであるなら、企業経営や組織運営そして日々の暮らしにまで、理念を生かすことを考えていきます。
https://rinenkaigi.biz/
村中 --
こんにちは。
第1回目の「トコトン理念会議」を開催します。
約3年前から、中野さんと河村さんと僕との3人で理念について学び、語り合う「理念会議」という活動に取り組んできました。
そのなかで、チームや組織でいきいきとしあわせに働くためには理念が大切だと感じるようになりましたが話せば話すほど堂々巡りになって…。
そこで「トコトン理念会議」と名前も新たに毎回ゲストをお招きして人や組織にとって理念がどういう役割を担っているのか紐解いていくことになりました。
記念すべき1回目のゲストは、人材サービス業界でご活躍の森田秀司さんです。森田さん、まず自己紹介からお願いします。
森田秀司さん ※以下:森田さん --
こんにちは。森田秀司です。
私は大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、今年で19年目になります。
今から1年前、京都にある地域密着型の人材サービス会社に転職し、立ち上げられた人材紹介事業部に配属されました。
おもな仕事は業務のルールやインフラづくり、求職者と人材を求める企業のマッチングなどで、お客様から選ばれる会社であるためのブランディングにも尽力しています。
ゲスト:森田秀司(ひでさん)
卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験 19 年目。アウトソ ーシング会社 3 年、販売職専門の特定派遣会社 2 年半、外資系総合人材サービス会社2社12 年半の経験を経て、京都地場の人材サービス会社で人材紹介事業立ち上げに参画。関西地元製造業の中途採用支援、転職支援に携わる。
理念は判断軸であり、迷ったときの拠り所
村中 --
さっそくですが、森田さんにとってズバリ理念とは?
また理念を日々の仕事でどのように活かしていますか?
森田さん --
私にとって理念は仕事を進めていく上での判断軸です。
人材サービス業界には競合他社がごまんとあり、生き残るためには競合他社との差別化を図ることが大きな課題であり自分の得意分野や信念を明確に打ち出していくことが求められます。
しかし日々の業務のなかでは、うまくいかないことや、ビジネスの種にはなりそうにないと感じることもあって…。このような問題に直面したとき、他の方法に転換するのか、このまま続けるのか?
理念は判断軸になり、迷ったときの拠り所にもなります。
中野 --
判断軸になるのは、企業の理念のことですか?
それとも個人? あるいは両方が一致しているときか?
どの部分の理念を判断軸にされていますか。
森田さん --
私自身「人と企業の両方がしあわせになる」という個人の理念を掲げてて、これを判断軸にしています。ただ会社員なので企業理念から外れてないかも確認します。
結果として「個人の理念→会社の理念」の2ステップで、判断するように心がけています。
中野 --
では企業理念には一致しているが、ご自分が掲げている理念から外れているときはどうされますか?
森田さん --
会社の一員なので自分の理念から外れていても、任せられた仕事は真摯に取り組みます。
とはいえ、仕事は高いモチベーションで取り組みたいので、上司に「どうしてこの仕事を行うことにしたのですか?」と聞くようにしています。
当社は社長をはじめ役員クラスとも距離が近く、その点はとても恵まれています。
森田さん(前列中央)はキャリアコンサルタントとしても活動されている。キャリコンサロン関西支部 新年会より
働くうえで会社の理念に共感することはとても大切
村中 --
現在の会社に入社されるとき、企業理念を確認されましたか?
森田さん --
実は以前勤務していた会社で経営方針に気持ちがついていけずけっこう苦労したので、同じことを繰り返さないために、転職活動ではしっかりチェックしました。
今勤務している会社は「信を万事の本と為す」という企業理念を掲げていて「地元企業様の発展に寄与し、地域社会の雇用を促進することを事業活動の基本として進めていく」という思いが込められています。
この企業理念は、先ほどお伝えした私個人の理念である「人と企業の両方がしあわせになる」と相通ずるところがあったので、働く意義を見出せました。
余談ですが「この会社で働きたい」と思ったものの、当時大々的に募集はしていなかったので、私から「募集はされていませんか?」と問い合わせて、面接を受けました。
創業者の思いや人柄が会社の雰囲気をつくっている
村中 --
ところで企業理念は、一般的にどのくらいの割合で社内に浸透しているものなのですか。
森田さん --
全体の1〜2割ぐらいでしょうか。とはいえ残りの8割が浸透していないというのとは少し違い、企業理念というより、社長の考えや人柄が会社の雰囲気をつくっているように感じます。
中野 --
その雰囲気は理念から生まれたものですか?それとも明確な理念がないまま、人が集まり会社の雰囲気が踏襲(とうしゅう)されているのか?
森田さんの感覚としては、いかがですか?
森田さん --
私の感覚では創業者のしっかりした思いが先だと感じます。
集まってきた人は創業者の考えや人柄に共感したり、力を合わせて働きたいなど、心に響くものがあったからではないでしょうか。
河村 --
私も最近、理念だけでなく、創業者の考えや人柄に人を引っ張っていく力が必要ではないかと感じるようになりました。
理念を認識している人と話すと会話が盛り上がります
中野 --
創業者の想いが担当者まで浸透している会社とそうでない会社の違いをお話しいただけますか?
森田さん --
大手企業は社外の人に対して、スマートですが、担当者にまで理念が浸透していないというか、腹に落ちてない人が多いですね。
これに対して中小企業の場合、担当者まで浸透しているというか、
意識されている方が多い気がします。
理念を認識している方と話すと、会話が盛り上がりますが話しても楽しくない人は仕事を仕事として割り切っておられていて私があれこれ提案しても響かないですね。
中野 --
私が勤務していた会社の創業者は社員数が30名を超えると手に負えなくなるので、規模が大きくなったら、社長自ら企業理念をトップダウンする必要があると話していました。
私自身は、大手企業の中間管理職はビジョナリーであって欲しいと思っていて…。
企業理念を自分なりに解釈して、そこに個人の理念を乗せて発信して欲しいですね。
河村 --
何かきっかけがあったり、会社からの働きかけがないと理念について考えたり、意識しないのかも知れませんね。
森田さん --
そうです。
経営者が本気で理念を浸透させようという強い決意が大切です。
やはりトップが変わらないと組織は変わりにくいと感じています。
トコトン理念会議は、理念について気軽に楽しく議論する場として運営しています。オンライン開催ですので、お気軽にご参加ください♪
理念はコアな部分だから社会の変化にも影響されない
村中 --
近年、時代は目まぐるしく変化しています。
理念も時代やトップが変わることで、変化することはありますか?
森田さん --
終身雇用制度が終わりを告げるなど、社会は大きく変わり始めていますが
理念は会社のコアな部分であり、価値観の原点であるので、時代が変わっても変わることはないと思います。
一方、事業領域は時代によって、変わっていくものだと感じます。
よく富士フイルムさんが例に挙げられますが…。
以前、富士フイルムさんはカメラやフィルムを扱っておられましたが、今は医療関係が大半の売り上げを占めています。このような事業転換は、会社が生き残るためには必要だと思っています。
河村 --
創業者から会社を受け継いだ社長は、たとえ三代目や四代目であっても企業理念をしっかり認識し、自分の確たる思いとして発信しないと会社に浸透しないし、社員に影響を与えないのでしょうね。
村中 --
そうですよね。もしトップが理念を認識していなければ、部下が判断軸を持っていても最後に決断をくだすことは難しいでしょうからね。
中野 --
僕らは最初、ボトムアップ型で理念を浸透させるのがいいのでは?と話していましたがそれは陳腐かもしれませんね。
村中 --
ボトムアップ型はチームメンバー同志では分かり合えるかもしれませんが、
組織全体ではどうなんでしょうね。
今回のようにゲストに参加していただくと、いろんな気づきがありますね。そろそろお時間なので、今回はこの辺りで…。
森田さん、今日はお忙しいなかどうもありがとうございました。
これからも毎月、素敵なゲストをお招きして「トコトン理念会議」を開催していきますので、森田さんもまた遊びにきてくださいね。
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