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トコトン理念会議(第3回目) 【ゲスト松尾さん】

理念は日々の仕事にどう活かされていますか?

【トコトン理念会議とは】
企業や組織にとって理念が大切だ、必要だと言われます。理念について少し調べると、確かにそのように感じます。でも少し、本当にそうなのかなという思いも抱いたりしませんか?理念についてどれだけ本当に理解しているのでしょう。固定観念や先入観なく理念について学び考え、そして、学び考えたことを発信する。それが理念会議です。理念が本当に役立つものであるなら、企業経営や組織運営そして日々の暮らしにまで、理念を生かすことを考えていきます。
https://rinenkaigi.biz/

河村--
こんにちは。
第3回目の「トコトン理念会議」を開催します。
今回は岡山市の印刷会社にご勤務の松尾敬二さんにご登壇いただきます。松尾さん、最初に自己紹介をお願いします。

松尾敬二さん(以下: 松尾さん)--
こんにちは。松尾敬二です。
現在、印刷会社で営業部長を担っています。学生時代からテニスやバトミントン、自転車などスポーツに勤しんでいて、最近は趣味として料理を楽しんでいます。

ゲスト:松尾敬二さん
1971年岡山市生まれ。大学卒業後に印刷株式会社に入社。営業一筋で現在に至る。何か設計段階から手掛けたいと思い、縁あって印刷業界に。アパレルメーカー他多くの業界の媒体に携わることで広告から印刷に関する知識がつき、現在は営業部長として社内外の指導にもあたっている。趣味は料理と自転車。

河村--
僕は松尾さんと仕事でお付き合いをさせていただいていますが、今日はあらためて松尾さんに、理念や仕事への思いをお聞きできることを楽しみにしていました。さっそくですが松尾さんはお仕事をされるなかで、ご自分の会社の理念を意識されることはありますか? 


松尾さん--
この度「トコトン理念会議」のゲストとして参加させていただくことになり、当社の理念について見直してみました。私は入社して28年になりますが、理念という言葉をほとんど聞いたことはなくて…。社内の掲示物には社是・社訓はよく提示されています。
この社是・社訓は当社の創業者が考えたものです。2、3年ぐらい前、社内で組織変更があり、これを機に改めて社是・社訓を従業員に意識させることが必要だということになりました。以降、毎週月曜日に行われる全体朝礼で社是・社訓を唱和しています。

河村--
唱和をするだけで、社是・社訓の意味の説明などはされていないのですか?

松尾さん--
朝礼では説明はしていませんが、創業者がこれまでの歩みを綴った本があり、そこでは社是・社訓について説明しています。その本は従業員に配ったので、読んだ者は社是・社訓について理解していると思います。ただし最近の新入社員には配っていないので、彼らには受け継がれていないかも知れません。でも社是に掲げている言葉は、見るだけで理解できるのではないでしょうか。
社訓は社員に実践して欲しいことが5つ書かれていて、こちらも読めばわかると思います。

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社是には創業者の想いが詰まっている

河村--
社是・社訓は創業の精神でもあると思いますが、御社ではここに込められた思いを大切に経営されてきたのでしょうか。

松尾さん--
そうですね。社是に創業者のすべての思いが詰まっていると思います。

河村--
そういうしっかりしたお考えがおありだったら社員研修などのときに、従業員の方々に社是・社訓の理解を深めるために説明したりされると思うのですが、されていないのですね。

松尾さん--
現在の社長は三代目で、創業者がつくった社是・社訓を踏まえて、最近、新たにミッションとビジョンを掲げました。2カ月前から、全体朝礼の時にそのミッションとビジョンも、社是・社訓に加えて唱和するようになりました。

理念を意識されている会社は、成長を続けている。

河村--
松尾さんご自身は仕事で決断が必要なとき、社是・社訓を拠り所にされていますか?

松尾さん--
社訓は仕事を進めるうえでの指針にしています。
当社の社訓のなかに変化への対応についての一文があり、営業としてはこの社訓は指針にしています。
コロナ禍の今はとくにお客様の変化に対応する能力を養うことは大切です。役員や各部署の部長達は、この「変化への対応」という言葉をよく使って話しているので、部下にも浸透しているのではないでしょうか。

河村--
耳にすることで浸透はしていくでしょうね。だからこそ社是・社訓を唱和することは、皆さんの共通認識になりそうですね。唱和は2、3年前からされているということですが、それ以前はなかったのですか?

松尾さん--
してなかったですね。
最初にもお話ししたように2、3年前の組織変更で、一つの事務所に生産管理やデザイナーなどを集結させみんなの顔が見えるようになり、それからみんなの意識を高めるための取り組みとして唱和を始めました。具体的にどのような影響をもたらしているかわかりませんが、若い者の意識が変わっている実感はあります。それと組織を集約させたことで、社内の雰囲気はだいぶ変わりました。
最近は私自身も営業部の会議などで部下に社訓の話をするようになりました。結構、お客様も理念について考えておられますよ。理念を意識されている会社には、組織力や団結力が備わり、成長されているなぁと感じることが多いですね。

「信用できるか?」は、生きていく上での判断基準。

河村--
松尾さんは、個人的に理念をお持ちですか。

松尾さん--
当社の社訓に信用に関する一文があり、それを大切にしています。
選択肢として、信用を得る方を選んで行動すると、必ずうまくいきます。部下にも選択に迫られたら、どちらがお客様からの信用を得られるか考えたらいいとアドバイスをします。「信用できるかどうか?」は仕事だけではなく、生きていく上での判断基準になっていますね。

河村--
会社の社訓を大切にされているということは、松尾さんが会社と同じ方向を向かれていることになりますね。

松尾さん--
信用は営業職としての要ですからね。取引先のなかには信用に重きを置いていないところがありますが、付き合いにくいので、残念ながら疎遠になってしまいます。

中野--
我々3人は、3年前から理念にこだわりいろいろ考えてきました。最初の頃は若い人たちから会社の理念を考え、それをトップが認めるのがいいのでは?と思っていました。しかし最近はやっぱりトップダウンなのか?と思ったりしています。
御社はまさにトップダウンだと思うのですが、逆に若い人たちが社訓を見て、何か感じているなぁと思われることはありますか。

松尾さん--
印刷業界は信用でお仕事をいただけているようなものなので、日頃から部下に信用されることの大切さを伝えているのですが、年齢差のせいか、ピンときていないようですね。
「それをするとお客様から信用を失うぞ」と言っても「そうですかね」と答えが返ってきます。

中野--
そうですか。
御社の社是も捉え方で変わってきますものね。社是のこの言葉はチームとしてのことなのか、あるいは自分だけでもあてはまるのかなど、いろんな捉え方ができると思うんですけど、社是や社訓にある一つひとつの言葉を組織開発みたいなところに使おうとはあまり考えられてないでしょうか。

松尾さん--
そうですね。信用という言葉にしても、各部署の部門ごとに解釈して、仕事に活かしているようです。

河村さん--
それぞれの部署での捉え方や活かし方が違うのですね。

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創業時のストーリーは理念と並ぶエンゲージメント

村中--
今振り返るとこの2000年代は印刷業界でもフィルムからデジタル化など、大きな変化はありましたが、そのような時はどう乗り越えてこられてこられたのですか?

松尾さん--
あまり考えていませんでしたね。当社はお客様に恵まれ、お客様に育てられてきた会社なんです。

村中--
創業以来、信用を蓄積されてきたことが成果となって現れているのですね。

中野--
創業91年もの歴史がおありの御社にとっては、創業当時のストーリーは、企業理念と並ぶぐらいのエンゲージメントだと思います。そのストーリーを従業員の方々に伝えることで、社是・社訓が引き立ってくる気がします。私は以前勤務していた会社に入社した頃、30周年史をもらったのですが、そこに創業時のストーリーが書かれていました。それを読んだとき、感動してこの会社に入社してよかったと思いました。

河村--
会社の歴史を伝えていくことはされないのですか?

松尾さん--
本当は伝えたいのですが、記録が残っていなくて。
90周年には沿革をパネルにしましたが、そこに記している情報がすべてです。

河村--
現在の社長さんに探してもらったりできないのですか?
(現社長は創業者の孫にあたる)

松尾さん--
探したようなんですけど、見つけられなかったようです。

河村--
残念ですね。

村中--
僕もお話をお聞き気する中で、社是の言葉に興味が高まりました。
言葉としては理解しやすいですが、創業者がどのような気持ちで作られたか知りたいですね。

河村--
深い意味が込められているのでしょうね。

松尾さん--
残念ながら誰もわからないのですよ。

村中--
みんなで話して再定義しても面白そうですね。

中野--
社是についてみんなに考えることで、社訓の要素が引き立ってくるのではないでしょうか。

松尾さん--
創立90周年の時、冊子を作ったり、パーティをするなど企画をしていたのですがコロナ禍でできなくなりました。だから100周年の時には、何かしたいですね。

河村--
楽しみにしています。
今日はありがとうございました。

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