ライカを買った理由。
ライカのカメラ、っていうとどんなことを思い浮かべますか?
ライカ=高級なカメラ、という印象が強いかもしれません。
私も、そのくらいの印象しかありませんでした。
フィルムカメラを使っている友人たちからは、『ライカはいいぞ』って言われるけど、『私が撮るのは日常の風景とか、ゴミ箱とか。あんな高いもので撮るような写真撮ってないしなぁ。』なんて言って、避けてきました。
私が一番『ライカ』について印象深いのは、小さい頃に見ていた『ちびまるこちゃん』に出てくる『たまちゃんのお父さん』だ。
写真が大好きなたまちゃんのお父さんが、いつも大事そうに両手で抱えてるカメラ。
『いいぞ!たまえ〜!』なんて言いながら、ひたすらシャッターを切っている。
そんな父に『やめてよ〜』と本気で困る娘。
アニメを観ていた時の当時の私は『本当、何がそんなに面白いんだろうな』なんて斜めから見ていました。
『いい写真を撮るには、いいカメラが必要』
『いやいや、撮れればなんでもいいんだよ』
という、写真を撮る人にとっての永遠のテーマだと思う。
私は、どちらかというと後者のタイプ。
極論、撮れればなんでもいいんだ。何を撮るのかが大事だって思っている。
『じゃあなぜ、ライカを買ったんだ』って思われると思います。
理由は簡単、『そのカメラで撮りたい理由を見つけたから買いました。』ってことなのです。
それだけなんですよね。
高いからいいとか、安いからダメとか、そういう次元の話じゃないんだなぁって、いろんなカメラで写真を撮れば撮るほどに思うようになった。
『私は、何のために写真を撮るのか』というところに立ち返った時、
『生きているということを実感するため』なのだと思ってる。
ポートレートを撮ることが増えたことで、より一層、そういう気持ちが強くなった。
『誰かと時間を共有する』ということの尊さをそのまま形として残してくれるのは、私にとって『フィルムカメラ』でした。
そして、そんな大切で尊い時間は、刻々と過ぎていくこと。
20代から30代になるにつれて、体力も衰えたり、ライフステージの変化があったりして、私に残された時間はわずかなのだと実感した。
長生きしても、あと5.60年生きられればいい方だろうか。
もし、元気な体で写真を撮ることができるのなら、私はどんなものを撮りたいのか。
カメラは待ってくれるかもしれないけど、自分の体が衰えていくことはどうにも止められないんだ。
だから、『お金が貯まったら買おう』なんて思ってたら、視力だって落ちてしまう。
尚更、バルナックの小さなファインダーを覗くことすらままならないだろうと。
だったら、もうすぐに買ってしまおう。あとはタイミングだ。と、思っていたらご縁に恵まれ、お迎えすることになりました。
70年近く前に生まれたカメラが、令和に生きている。存在している。
それを手に入れて、『今を撮る』ということは、なんて尊いことなんだろうと思う。
私も、そんなカメラのように『長く大事に愛される写真が撮りたい』、という気持ちです。
2020年は、たくさん辛いこともありましたがそんな中で出会えた人たちとのご縁を大切にしたいなと思っています。
バルナックⅢfは、そんな大切な人たちを撮るために買いました。
お散歩をしながら、一緒に過ごしながら、たくさんの人の笑顔を撮ることができたらいいなと思っています。
りんこ
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