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子どもの機嫌を少しだけ変えられる「予言」の魔法

何かをはじめる前には、大人だって心構えが必要だ。あらかじめやることがわかっていたら、少しずつそこに向かって気持ちを整えてから着地することができる。

じゃあ、子どもはどうだろう? 同じように、むしろ大人以上に「スケジュールの把握」は大事なことなのかもしれない。


娘が2歳になるより前、なんとなく意思疏通ができるようになったころのこと。試しに、紙にその日の予定をイラストで描いて伝えてみた。

いつもより不機嫌になりにくかったので、それから数日間、同じように過ごしてみた。

ふだんなら大人しくしてくれない、私の身支度の時間もひとり遊びをしている。すんなりと着替えてくれる。声かけしたら自然と片づけもしてくれた。

児童館に行く前はいつも慌ただしく、予定通りにならなくて、お互いになんとなくいらいらした感じがあるのに、その日は予定していた時間より早く家を出ることができた。

それ以来、出かけたり、イレギュラーな予定があるときは、なるべく子どもに伝えるようにしている。最初に載せた画像のように、イラストで伝えるのもいいけれど、むずかしければ口で説明するだけでもぜんぜん違う。

2歳の娘に伝えるときは、

★いつごろ
★どこで
★なにを
★だれと
★なぜ

という5Wを入れるように気をつけて伝えている。


たとえば、自宅で雑誌の取材があったある朝。(そのころ娘の人見知りがひどくなり、人が来ると泣いてしまうようになっていた)

私は、

「今日、ママはおしごとがあります。

お昼を食べたあと、
おうちに お仕事の人が来て、お話をするよ。

もし恥ずかしかったら、ごあいさつをして、こっちのお部屋で遊んでてね。

テントや お絵かきの道具や いろんなおもちゃを用意してあるよ」

と伝えた。

娘は1時間ほど用意したおもちゃで遊び、終わるころに私の方に来て、おとなしく待っていた。帰るころには笑顔で見送っていた。


また、病院につれていくときもこの"予言"法が役立った。

行こうとしなくなるので連れていくときに行き先は告げなかったけれど、病院についてからじっくりこんなことを伝えた。

「昨日おねつがあったから、病院にきたよ。

まずはお熱をはかります。
これは脇にはさむの。お熱をチェックしてもらうためにやるよ。

呼ばれたら、先生のいるお部屋に入ります。
たぶん、あーんっておのどをみたり、おなかをもしもししたりするよ」

娘は「もしもし、いたい?」と訊いた。
私は「もしもしは 痛くないのよ。おなかの音をきくの」と答えた。

「あーん」には少し苦戦したものの、病院で泣かなかったのは、はじめてだった。


私たち大人が幼児と接するとき、自分たちの頭のなかで決めたものごとを、意識して、噛み砕いて、はっきりと、子どもにもシェアしてみる。これから何が起こるのか、自分は何をすればいいのか。そういうイメージが子ども自身の頭のなかにも描けたら、子どもが無意識に抱える不安は減るのだと思う。


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