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【ひとくち読書レビュー】へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々

おはようございます。

読了本のひとくち感想です。

本日は、この本!

『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』 鹿子祐文


【おすすめ度】

☆☆☆

【内容等】
権力も財産もない人々が自分たちの「居場所」を確保するために作られた特別養護老人ホーム「宅老所よりあい」の創業者たちのお話です。
偶然巻き込まれたこの本の著者であり、雑誌「ヨレヨレ」を個人で出版している鹿子さんが面白おかしくエッセイ風にまとめた1冊です。

【個人的に好きな部分メモ】
①作中に出てくる「スミエさん」というおばあさんと、介護の講演会を行う「村瀬先生」の介護現場でのやりとりが微笑ましい。
つむじの辺りが薄くなっている村瀬先生がスミエさんに「僕、ハゲていませんか?」と聞くと、「これは広場よ。」と優しくフォローしてくれた。というエピソードが特に好き。

②村瀬先生は「ぼけても普通に暮らしたい」というお題目で講演を続けており、「ぼけても普通に暮らせない」という風土が現代にあるため「ぼけた」というだけで住み慣れた家での生活に終止符を打たれてしまうことに疑問をかんじたため「よりあい」を作ろうとしていること。

【感想】
普段自分があまり関わらない世界(介護や介護施設)について知れて興味深かったです。
「よりあい」は認知症の方を多く受け入れているそうですが、「よりあい」のモットーが、他の介護施設と異なり、認知症の方を囲い込んで、施設内で管理するのではなく、孤立をしないように、そして普通の生活を送れるように、ということを掲げて支援をしているので、難しい部分も多くあるんだろうなぁと思いながら読んでいました。
著者の鹿子さんの人物描写が上手なところも好きです。


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