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気付いたら6月6日が終わってしまった。あんなにも大事な日だったのに。 紫陽花を見ながら歩い…
月。大きなまんまるの月。 私を導く、紅く、明るく輝く月。少しでも近づきたくて、私は丘を歩…
何にも無い日を何も無く過ごす。それは難しい。 まず何かが起きる。それは事件とかではなくて…
このまま歩いていけば、また彼女に会える。そう思いながら私は丘を登る。周りに外灯なんて気…
四月になった最初の満月の日に、私は彼女に会うことができた。 またしても真夜中に道を歩…
誰も居ない場所。ここには何一つない。大きな建物があって、その中で一人。たった一人という…
求めていないのに西日が強くて、それは強制的に一日が終わることを示していて、そのことを認めたくない私は少しでもと考えて西に歩いていく。 子供の足なので誤差もいいところで、街に囚われている私はどうしても建物が邪魔をする。真っ直ぐに西に向かえなくて、回り道をしている間に日が暮れる。 夕方が終わり、夜が来て、夜が更けて、朝が来て。 そのサイクルを少しでも崩すためには自分の時間を狂わすしかない。時間を狂わせて、私を私として生きていく。 一日のなかで一番好きな時間は夜なのに、
触れる指先、灯る紅。揺れる髪先、叶う夢。 森のざわめきが衣擦れの音を隠す。風が止んでしま…