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私がAETとうまくコミュニケーションがとれるようになった3つの理由

 みなさんこんにちは、今津梨菜といいます。私は、日本の中学校で英語話者を育てたい先生方のために、授業の進め方や考え方を変えるためのtipsをシェアしています。

 みなさんは、学校のAET(ALTと呼んでいる地域もありました)とうまくコミュニケーションがとれますか?実は私は、以前は、AETとはなるべく話さないようにしていたんです。なぜなら…自分の英語に自信がなかったからです!英語の先生なのに…おかしいですよね。なりたくて英語の先生になったのに、いざ働き出したらAETの言っている英語が早くて聞き取れなかったり、口からうまく英語が出てこなかったり。職員室で、留学経験がある英語ペラペラの先生と自分を比較して「私全然ダメじゃん」と、自信をなくしていました。こんな私だったので、AETと話すときはメモを事前に作ったり、ふせんを机においてなるべく「会話」しなくて済むようにしていました。情けないですよね。

 でも今は、My English is not perfect, but I can communicate with AETs in English. 職員室で隣の席に座って、質問をされても答えることができるし、授業について意見を交わすこともできるようになりました。周りの日本人の先生からは熱く議論しているように見えて、「先生すごいね…!大丈夫だった(たぶん怒られてるようにみえるのかな笑)?」と言われることもあります。でも決して「すごい」わけではないんです。質問をし合いながらたくさん話して、相手とのギャップを埋める、考えを共有することは、異なる文化を背景に持つ英語話者との「コミュニケーション」として当たり前のことなのですから。

 では、私がコミュニケーションをとれるようになった3つの理由をシェアします。

①「お伺い」ではなく、「指示」を出した
②分からないことは質問するようになった
③AETをお客様扱いしなくなった

 一つ目は、「お伺い」をたてるのではなく、指示を出すようになったからです。もし英語教員の方で、うまく話せていないな、と思っている方がいたら、これができているか、振り返ってみてください。ちゃんと、I want you to….とか You need to または You don’t need to…と伝えているでしょうか。私は以前、英語話者の彼らに「はっきり」指示をせず、自分の「お願い」をくみとってもらおう、慮ってもらおうとしていたのです。これって、すごく日本的なコミュニケーションスタイルですよね。日本人同士だと、例えば誰かにやってほしい仕事があった時「実は〇〇のことなんですけど…」なんて最後をにごしても、相手が事情をくみとって「あ、私やりますよ!」なんて言ってくれることはよくあります。むしろはっきり言わない方が、印象が悪くならない、なんてメリットもありますよね。でも、そんなことは、英語話者には通じません。それが分かっていなかったので、あれこれ背景を説明して、” …okay?” (日本語の「…これでいいですか?」みたいな雰囲気で言っていた)なんて聞いていました。もちろん相手の答えは “??? …Not okay.” です。

 二つ目は、わからないことを質問するようになったからです。私はAETとの会話でわからないことがあっても、質問せずにそのままにしていました。I didn't understand…とか、Sorry? とか、I didn’t follow you. とか、it’s a silly question but…のようなことばが、口から出てこなかったのです(そんな言葉を口に出したこともそれまでありませんでした)。ただ笑って、OKを連発していたから、後で「あれ?」と思うことがありました。そしてそんなことがあっても、指摘もできず(自分に自信がなかった)、ただその場を雰囲気で流していました。これでは互いの理解が深まるわけがありません。

 三つ目は、AETをお客様扱いしなくなったからです。彼らはお給料をもらって学校で働いています。ただ異文化交流のために来てくれたお客様ではなく、協力して生徒たちによい授業を提供するためのパートナーです。これは当たり前なようですが、日本人の英語教員がそれをしっかり意識していないと、成り立たないことでもあります。私も、気付くのに時間がかかりました。ですから、授業をAETに丸投げして、ただ楽しい、息抜きのような時間を生徒に提供していたように思います。AETにもいろんな方がいます。日本文化にただ興味を持って来日している方、日本で英語教室を開きたいと思っている方、母国で教員経験があり、英語教育のプロ意識が高い方…彼らとよく話をし、互いの授業に対する考えのギャップを埋める必要があります。もし50分の授業に不安を感じるのであれば、彼らのよい「使い方」を考えなければいけません。

 ここまで、私がAETとうまくコミュニケーションがとれるようになった3つの理由について話しました。

①「お伺い」ではなく「指示」を出した
②分からないことを質問するようにした
③AETをお客様扱いしなくなった

 これらは、よく考えれば当たり前のことです。でも、英語教員なのに英語が話せない…なんていじけていた当時の私には、分からないことでした。

 そもそも、英語の先生なのに、英語話者とコミュニケーションが取れないなんて、おかしいですよね。自信がないなら、それはただ「練習が足りなかった」だけのこと。自分の英語が完璧になるまで…なんて言っていたら、今目の前にいる中学生の彼らはどうなるでしょう。彼らの未来は、英語と共に「生きる」ことで、どんどん広がっていくものです。自分の英語に関する苦労や失敗、そしてそれをどう克服したかというstoryを、授業にして彼らに提供する。これが、私たち中学校英語教員にできることだと思います。

 みなさんは、ALTとのコミュニケーションで苦労したことはありますか?

 ぜひ、コメントで教えてくださいね!


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