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冬の味覚を堪能!北海道の鍋料理


冬に食べたい料理と言えばやはり「鍋」。

寒い冬が長く続く北海道は鍋料理の本場といっていいほど種類が豊富で好みも様々です。

この記事では北海道の鍋の種類からレシピ、作り方のポイントまで、幅広くご紹介します。

日本の鍋料理の歴史:縄文時代から郷土鍋までの美味しい旅

鍋料理の起源は縄文時代からという説があります。野菜や肉、魚介類を一緒に煮込むことで、おいしくなることを縄文の人たちは知っていたのでしょう。時代を経て、日本では山形県の「芋煮」、秋田の「きりたんぽ鍋」、北海道の「石狩鍋」、茨城の「アンコウ鍋」など、各地の特産品を土鍋で煮て食べる「郷土鍋」が食べられるようになりました。さらに戦後は人気の鍋が全国各地で食べられるようになったのです。

温まる美味しさと健康メリット:家庭で楽しむ鍋料理の6つの魅力

メリット①身も心も温まる

鍋料理の大半は温鍋です。秋から冬にかけての寒い季節にはぴったりで、また収穫時期にも重なり、おいしい食材がそろっている季節です。満腹感もあり、身も心もポカポカになります。

メリット②野菜をたくさん食べてヘルシーに

野菜は煮ることでやわらかくなり、かさも減ることから、たくさん野菜を摂ることができます。ビタミンや食物繊維を多く摂ることができ、栄養バランスがよく、ヘルシーな料理になります。

メリット③出汁の交換

イモやダイコン、キャベツ、玉ねぎ、長ネギなど野菜独特の風味や出汁が水に溶け出て、魚や肉をおいしく、やわらかくしてくれます。逆に魚や肉の油分、旨味が水に溶け出て野菜を味付けてくれます。一緒に煮込むことで出汁の相乗効果が生まれるのです。

メリット④会話が弾む、笑顔が広がる

みんなが同じものを同時に食べることで、会話が弾みます。人の小鉢によそってあげることで愛情や信頼関係が生まれる場合も。具の追加など、調理しながら食べるので、率先して調理する「鍋奉行」も活躍できます。

メリット⑤簡単調理

具材のほとんどは生のまま、切るだけです。上手な包丁さばきや凝った味付けは不要。鍋に具材を入れて煮込むだけです。一煮立ちすればとろ火にして、余熱だけで具に火が通り、どんどんやわらかく、おいしくなります。

メリット⑥最後は満腹、満足

残った汁にも栄養、旨味がたっぷり含まれています。最後は「締めの〇〇」です。うどんやラーメン、ご飯をいれると、汁の最後の一滴まで余すところなくおいしくいただけます。満腹感、満足感が得られる料理です。

北海道の鮭を活かした伝統鍋料理「石狩鍋」のレシピと楽しみ方

鮭をメインとした北海道を代表する鍋料理が「石狩鍋」です。野菜はジャガイモ、大根、ニンジン、玉ねぎが定番で、好みにより豆腐や長ネギ、シラタキ、キノコ類などを加えます。味はみそ仕立てが基本です。鮭の切り身だけではなく頭や中骨なども捨てずに使えばおいしい出汁が出ます。頭の部分は縦に半分に切ると食べやすくなります。氷頭(鼻先の軟骨)や目玉とその奥のゼラチン質の身…。中骨に付いた身はマグロで言えば「中落」にあたるとてもおいしい部位です。鮭は捨てるところがない魚です。

北海道で人気の鍋6選:地域ごとの特産品を使った鍋料理ガイド

北海道は広いので各地にさまざまな特産品を使った鍋料理がそれぞれの地域に根付いています

【ホルモン(モツ)鍋】

若者を中心に人気を博しているのが豚や牛のホルモン鍋です。北海道は食肉の一大生産地でもあることから新鮮で良質のホルモンが豊富に売られています。ホルモン鍋の魅力は何と言っても「歯ごたえ」「こってりした脂」です。ニラを入れたピリ辛の汁で食べる旨味たっぷり、噛み応え十分のホルモン鍋は、忘年会の定番鍋。北海道のほぼ中央部に位置する内陸の赤平市では「がんがん鍋」と呼ばれ、郷土鍋になっています。

【しゃぶしゃぶ】

北海道のしゃぶしゃぶは牛肉より豚肉が人気です。特にホエー豚のしゃぶしゃぶはとろけるような脂身が絶品です。具材はハクサイ、長ネギ、キノコ類、ニンジンなどで、シャキシャキの水菜は欠かせません。最近は「タコしゃぶ」「ブリしゃぶ」など、海鮮のしゃぶしゃぶも人気です。

【ゴッコ鍋】

ゴッコ(正式名はホテイウオ)は深海に棲む魚ですが、冬には産卵のために浅瀬に上がってくるところを漁獲します。ゴッコ鍋は函館など、道南地域の冬の風物詩。醤油仕立ての汁に大根やニンジン、玉ねぎなどを入れ、ゴッコは豪快にぶつ切りにして加えます。メスは卵、オスは身がおいしく、1つの鍋にはオスメス両方を入れるとよりおいしいと言われています。

【三平汁】

有田焼の「膾皿(なますざら)」は北海道の方言で「三平皿」と呼ばれます。この三平皿で食べるのが、名前の由来と言われています。メインの具材は塩漬けした魚です。塩漬けすることで身が締まり、旨味と歯ごたえが強まります。主にタラやコマイ、ニシン、鮭などで、塩味は魚から出る塩でとります。醤油や味噌は加えないのが基本です。具材は大根やニンジン、玉ねぎなどで、透明な汁でいただく素朴な浜の風物詩です。

【すき焼き】

かつて北海道ではすき焼きと言えば豚肉が定番でしたが、おいしい牛肉の産地でもあることから、最近は牛肉のすき焼きを好む人も増えました。北海道には霜降りの和牛の他にも交雑種、ホルスタインなど、安くておいしい牛肉が売られ、特別な日ならずとも、日常的に食卓に並ぶようになりました。

【鉄砲汁】

主に花咲ガニのみそ汁を「鉄砲汁」といいます。花咲ガニが獲れる道東方面で人気があります。具材は食べ終えた茹でガニの殻や小さな規格外のカニで作ります。味はみそ仕立てで、大根やハクサイなど好みの野菜を入れて作ります。甘みの濃いカニの出汁が味噌味にマッチして、磯の風味漂う最高のみそ汁になります。

鍋に合うお酒

基本的にはこってり系の鍋には蒸留酒、あっさり系の鍋には醸造酒ではないでしょうか。すき焼きやホルモン鍋、しゃぶしゃぶと言った肉系の鍋には焼酎やサワー類、ウイスキーがよく合います。口にたまった脂分を洗い流すように飲めばアルコールも料理もグングン進みます。
一方、あっさり目の魚介類の鍋には日本酒やビール、そして野菜を好んで多く食べる女性には白ワインがおススメです。
いずれにしても酔うほどに満腹中枢が麻痺して「いくらでも食べられる」、ってことがないよう食べ過ぎにはくれぐれもご注意を!



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