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【part18】待ち続けるということ

「私の過去の態度」を引き合いに出された時、思っている以上に、当時の私がツレに与えた傷が大きかったことを知る。

ツレと喧嘩じみたことをしてしまった。
「放っておいてくれ」というツレに対して私が踏み込んだら、
「自分は放っておいてくれと言って勝手に出ていくくせに、俺にはそうさせてくれないのか」とツレが言った。
私は何も言えなくなってしまった。


以前も書いたように、ツレと出会ったばかりの頃、私はだいぶ我儘で自分勝手だった。
他人に踏み入れられたくないからすぐシャットダウンした。入れた予定もすっぽかした。使っていた歯ブラシだって勝手に捨てるし黙って部屋だって出ていった。

誰かと寄り添うことをしてこなかった私は、きっとその時ツレに怒ってもらっていなかったら今頃、誰のことも大切にできていなかっただろう。


だから、今の私は「そうではない」のだ。

大事な人の様子がいつもと違うのであれば一緒に解決したいし、躊躇なく首だって突っ込む。たとえ相手がパーソナルスペースを必要とする人間だとしても。
「今の私」は、良くも悪くもそういう人間になっている。

私が過去してきたことがツレの中では根強く残っているようだけど、それに対して「いつの話をしているの」だなんて、口が裂けても言えなかった。悪いのは過去も今も関係なく「私」なのだから。

例えるなら、浮気を繰り返す男の「もうしない」という言葉を聞いているような、ツレにとってはそんな感覚なのだろうか。
だとしたらこの上なく信用ならない状態だ。

でも同時にこうも思う。
過去の私の態度を引き合いに出されるのなら、いつになったら今の私はツレの中で、「自分のことを棚に上げている状態」ではなくなるんだろう。



そんなもの、待ち続けるしかないじゃないか。

最近、明らかにツレの体調にはこれまでと比べて変化がある。

些細な言葉に過剰に反応してイライラする。
寝ても寝ても疲れが取れない。
体力も落ちている。

疲労からくる軽いうつの初期症状、男性の更年期障害。ツレの言動から考えられるその要因なんていくらでもある。

一緒に考えて向き合いたいけど、そのトリガーが私である以上、ツレから求められるまで私は、これもまた待つしかないのだと思う。


1ヶ月先になるか、10年先になるか分からない。

ツレ以外の人に誘われても何も響かない。
ツレ以外の人とどうこうなるつもりも全くない。

かつて自信がなくてツレを試すようなことばかりを言っていた自分とは思えないくらい、確固たる芯が一本、通った感覚がある。

私は、ツレと一緒にいる未来しかもう描かない。




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