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ツレは27歳年上で。

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歳の差パートナーの日常と思想を綴ったエッセイ。part1に概要記載しております。お好きな記事からお好きなようにぜひ。
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#恋愛エッセイ

【part2】 あなた、根が主婦なのよ。

働き方もお金の管理も、ツレを見ていると悔しいかな「私もしっかりせねば」と思うことが多くある。 空飛ぶゲームボーイ 母の話だ。 私の兄が小学5年生のとき、宿題そっちのけでゲームボーイをやっていたのが母にバレたことがあった。 それから兄と母で何か口論をしていた気がするけど、最終的に母が、こともあろうか2階の窓から兄のゲームボーイを投げ捨てたのだった。高嶋ちさ子もびっくりの所業である。 その「ゲームボーイが空中を舞う」という今だったら大炎上しかねない光景は、なぜかスローモーシ

【part3】この先何が起こったって、米と味噌さえあれば生きられる。

大事な人と、互いに大事にしているものが同じだったとき、そこには少しだけ、何ともいえない嬉しさと安心感があると思う。 相手に求める条件  「思うんだけどさ、『結婚相手に求める条件』って大人になればなるほど多くなってるはずのに、皆それを隠すよね。条件が増えすぎると『理想が高すぎる』だ『がめつい』だ言われるから、どんどん『これだけは嫌、これだけは譲れないポイント』だけを挙げるよね。ずるいよね。」 と言っていたのは私の数少ない友人の一人だ。 私とツレがまだ付き合う前の話である。

【part4】オタクになれないから悩んでるんじゃん。

好きなものに対してのツレの向き合い方は、隣の芝が青々するがごとく、私の理想形でそこにある。 鉄道とツレ 「明日どこ行きたい?」 土曜の夜、ツレの家でいつものようにハイボールとミックスナッツで晩酌をしている時の話。 ツレが日曜終日予定空けてくれたので、「どっか行こう」という話をしていたのだけど、完全にどこ行きたいかを考えるのを忘れていた。 思わず適当な返事をする。 「うーん、映画か、それか旧朝倉邸かな。」 旧朝倉邸は、代官山にある朝倉虎治郎の家。立派な古民家と回遊式庭

【part7】やらかしとボケは紙一重。

クラッシャー森逸崎 それは私の、飲食店アルバイト時代の不名誉すぎる通り名である。 私が出勤するたびに皿やビールグラスを割ったり、新店舗オープンのために仕入れた茶碗を、同僚のスタッフから「森逸崎、絶対に割るなよ。これはフリじゃないからな、ガチだからな」と注意を受けた3秒後に箱ごと落として16個全部をお釈迦にしたことだったり、あらゆる実績によって「クラッシャー森逸崎」は名付けられた。 もちろん反省するのだけど、何しろ私はその「やらかし」の種類、というか手法が豊富なのだ。

【part8】家康殿のご指示とあらば、謹んで勝ちにいきましょう。

「二番目の女」よりも「仕事断れないイエスマン」よりも世界一都合の良い存在。それが無宗教・無神論者が取り扱うところの「神様」だと思う。 キャッシュレス神社 晴れているのに粉雪が散る景色を見て、自分がいる場所の標高が思ったよりも高いことを知る。近くの山に積もった雪が、風でここまで届いているらしい。 朝八時半。私とツレは今、日光東照宮へ続く参道を歩いている。 どんなに観光客がいても濁らないこの空気も、家康公の墓所を目前にした時の背筋が伸びる感覚も、静岡の久能山から日光への遷座

【part9】今時小学生でももう少しマシな言い訳考えるけどね。

歩くことに関しての目的は人それぞれで良いんだけど、やっぱりツレはそこんところしっかりしてた。 そう思えばそれが一番の健康法 「おー。今日は12,000歩。」 スマホの歩数カウントアプリを見て、ツレは嬉しそうに報告する。その日どのくらい歩いたのか、毎日確認しているらしい。 「へーすごい。割と歩いてるもんだね。」 「そうだねえ。今日は特に一駅分歩いたからな。一日8,000歩が目標なんだよ。今のところほぼ毎日達成してる。」 なんだか嬉しそうだ。私は思わず感心してしまった。

【part10】ツレに対してついた「世界一どうでもいい大嘘」の話。

付き合いたてのころってどうも不要な気遣いばかりをしてしまう。2年以上前、私はツレに自分が行きたい場所もろくに提案できなかった。 誘い方が分からない 当時私はツレと付き合う前、「彼氏ができたら行きたいところ」とかそういう妄想も人並みにしていて、その中のひとつになぜかディズニーシーがあった。 正直アトラクションに関しては富士急ハイランドにあるものみたいなスリル満点のジェットコースターが好きだから、ディズニーシーだと少し物足りない。好きなキャラクターとかも居ないし興味ない。

【part11】朝10分間のドライブデート

ワーゲンバスを運転したい。 60年代洋ロックをカセットで聴きながら、ガタガタする田舎道を思いっきり走りたい。 そんな夢を見て18のときマニュアルの免許を取得したけど、私はそれを失効させた。引っ越しをして住所変更届けを出さないまま、さらにそのタイミンングで免許証の入った財布をスラれ、免許更新のことなど忘れて過ごしていたら、このザマだ。 色々言い訳はあるけれど、簡単に言うとただの更新忘れである。 勿体無いことこの上ない。 そんな私の怠慢話はさておき。 ツレはよく、自分の家

【part13】ありがとう。頑張る理由をあなたに置くのは、やめにする。

「信念」と言えば聞こえはいいけど、自分の首を絞めているそれを外すのに、私は随分時間を要してしまった。 信念とhave to 2ヶ月前に書いたnoteを見返して、私はちょっと、自分の必死さに笑ってしまった。 この時の私はずっと焦っていたのだ。ツレとの関係性において、誰からも認められる組み合わせで居られるように。 今思うと恥ずかしいのだけど、こう考えていた理由はおそらく2つある。 一つ目は、ツレをモチベーションにしないと、仕事に身が入らない状態にあったから。 二つ目はシン

【part15】ドワーフってそれ、悪口だよね。

自慢じゃないけど、私は短足寸胴だ。 私の母も父も、そのまた母も父も、代々短足寸胴だ。 そんな私を見てツレが森逸崎家に付けたあだ名が「ドワーフ族」。 うるせえ黙れこの野郎、と思いながら事実何の反論もできないほど、私の家族はみんな短足寸胴だ。 先日は先日で、「似てる」というメッセージとともにこの画像がLINEで送られてきた。 ツレは最近ドラクエウォークにハマっていて、そこに出てくるキャラらしい。まあ短足寸胴ばっかりはどうしようもないし、受け入れてもらうしかないんだけど。 で

【part16】真夜中の歯ブラシ事件と両親の別居と。

人間関係なんて、お互いが尊重し合って、一緒に創り上げていくものじゃないか。 受け入れられないのであればさようなら 今考えたら失礼な話だけれど、当時私は自分で「三日後の予定が立てられない人間です」と豪語する程度には、そのタイミングの気分だけで物事を全て決めていた。 たとえ大事な人との約束であろうと気分が乗らなければ参加しなかったし、もっと悪いことに、約束した本人へ連絡を入れることなく眠りにつき、そのモードになると電話もメールも折り返しもしなかった。 感覚としては「ドタキャ

【part17】ちょっと、戸籍汚してこようかな。

多分、自分の立ち位置に今一番疑問を持っているのは、私自身なんだと思う。 強いなアンタ 求婚された。 ツレからではない。別の男性からだ。その人について詳細は濁すけど、簡単にいうと、知り合ってから15年来の友人である。 そしてその人は私にツレがいることは知っている。でもその上で、「まずはお付き合い」ではなく明確に私に「家族になろう」と提案してきた。 私は家族になるのであれば今のツレがいいし、今のツレ以外は考えられない。そう伝えるも、求婚してきたその人には、イマイチ私とツレの