Vol.3.9 その『お得』は本当にお得なの?
私はポイントカードを使うのが苦手だ。
なので、昔から使っているもの以降はできるだけカードを増やさないようにしている。
以前こんなことがあった。
持っているポイントカードが使える店舗で買い物をした時、貯まったポイントを全部使って支払おうとしたら店員さんにこう言われた。
「こちらは本日お使いになられるより、ポイントが○倍する○日の時にご使用なられた方がポイントもその倍貯まりますし、そのほうがお得ですよ」
店員さんに『お得』と言われて、私はポイントを使わず普通に支払う事にしながらもモヤッとした。
その支払いをして私自身にとって本当に『お得』なのだろうか。
そもそもその時貯まったポイントを使おうと思ったのも、生活費の現金が月末まで持つかの瀬戸際だったので、そのほうが若干の余裕ができると考えたからだ。
私はいずれ来るポイントが○倍するその日に買い物をするだろうか。
それに、その『お得』は今の私にとって本当に『お得』なの?
先の未来の私にはいい事なのかもしれないが、果たしてその先の私はその恩恵を受けられるのだろうか。
そんなことをグルグル考えながらも、結局ポイントは使わなかった。
もちろん、その店員さんは悪くない。
あくまで提案されたまでで、強制もされていない。
むしろこちらが『お得』になる情報を教えてくれたのだ。
私が丁重にお断りをして意志を貫けばよかっただけの話だ。
こういうところで、自分の意志を出せないのがなんか悔しいな。
もしかしたら、ポイントカードを作らないと損をするというあの空気が苦手だからかもしれない。
これ以上ポイントカードを(電子版でも)増やしたくないし、どんなに『お得』とか『損をする』と言われても、私にとってはどちらもそうでもないならそれでいいじゃないか。
後々になって損をしたと気付けば、勉強代だと思えばいい。
私もまだまだ意志が弱いな…。
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