親の会を実施してみて
はじめに
2022年4月からスクールカウンセラーと協力して勤務する小学校と中学校に「親の会」を立ち上げました。親の会とは同じ悩みをもつ保護者があつまり情報交換をしたり、日ごろ悩んでいることや辛いこと迷っていることなどをお話してもらう場所です。そこにスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの私が参加し時々必要に応じてアドバイスをすることもありますが基本的には自助グループのような活動です。学校によっては教育相談の先生が入ってくれることもあります。
どうしてうちの子だけ
親の会に参加していると保護者の方からの感想で「参加してうちだけじゃないとわかり少し安心しました」というものがあります。
子育ての悩みはどの家庭にもあるとおもいますが、自らオープンにしない限りほかの人も同じ悩みを持っていたということが分かりません。しかも家庭の中だけで起きているようなことであればなおさらです。家の中では兄弟に意地悪をする、親に暴言を吐く、でも学校ではとてもいい子にしている。そんなこともあるでしょう。もし学校の先生に相談でもしようものなら「学校ではそんなことがないのでお母さんが悪いんじゃないですか?」なんていわれることもあったり…例えばこれは学校で一生懸命周りに会わせてストレスがたまった状態で家に帰ってきて家族に当たってしまうなんてことがおきてしまっているのかもしれません。
人は何歳になっても様々な壁にぶつかりながら成長していきます。私たち大人、親もそうです。うまくいかなくても思った通りにならなくても、その時に「こまったな、たすけてほしいな」と打ち明ける勇気が大切だと思います。
「うちだけ」と思っていることも、実は言えていないだけで他のおうちでも同じようなことが起きている場合があります。一朝一夕で問題が解決するわけではありませんが、同じ悩みを持つ人がいるということを知るというだけでも、すこし心持ちがちがうのではないかとおもっています。
こどもの問題を認めることになってしまう
例えば不登校や家庭内暴力、ゲームばかりする、など様々な子育てにおける課題があると思います。親の会に参加すること、子どもに課題があることを認めてしまうことになりそうと感じ躊躇してしまったという言葉がありました。確かにそういうこともあるなとわたしも感じました。子どもが今抱えている課題を「たまたまいまだけ」「そのうちよくなる」と自分の中で誤魔化してやり過ごしていくこともできると思います。でも困っているのは保護者だけでしょうか?実は子どもが一番困っていることがあって不登校などの行為で表現しているのかなと思っています。そうであれば保護者がその行動をまず認めることではじめて子どもが「自分がいまこういうことで困っている」と相談できるようになるのではないかと思います。とても苦しい作業だと思います。親の会という集団が少しハードルが高い、そんなときは個別にカウンセラーやワーカーに吐き出してみてください。。
親の会でもらったアドバイスがとても役に立った
こういう声を聴くと本当にやっていてよかったなと思います。やはり同じ体験をした先輩保護者からもらうアドバイスほどしっくりくるものはないでしょう。確かにそれぞれの家庭の状況は違いますが、こどもと向き合うメンタルの在り方というのは共通するように感じます。「子どもを信じる」ことがとても大切ですね。
まとめ
親の会を実施してまだ1年たちませんが、本当に良かったと思っています。保護者が変わろうとするとこどもも変わっていきます。参加することに初めは抵抗があるかもしれませんがぜひ一度ちょっと覗いてみようという感じで構いませんので参加してもらえたらうれしいです。
ちなみに親の会は学校だけでなく、地域の中や各支援団体などで開催されている場合もあります。一度インターネットで「〇〇市 親の会」などで検索してみてください。
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