面会交流を実施するために父母が意識すること

4つのポイント

  • 相手を必要以上に疑わない

  • 相手を評価しない

  • 自分の問題と子供の問題は別であることを忘れない

  • 相手と仲良くなる必要はなく、無理なときは第三者の力を借りる

面会交流に後ろ向きな同居親さんへ

 離婚に至るまでにいろいろなことがあって、相手のことを信用出来ない、関わりたくないと思う気持ちは同じ離婚経験者としても理解できます。ただこの相手への不安や怒りは自分の感情であり、子どもの感情はまた別物だということは忘れないでください。
 私は学校でスクールソーシャルワーカーという仕事をしていて保護者から相談を受けることがあります。相談の中に、「宿題をしなくて困っています」という相談があるのですが、実際宿題をしなくて困るのはだれでしょうか?親ではなくこども本人です。自分で困って次からこうしようと考えることや、困ったことを誰かに相談することが子どもにとっての成長につながります。子どもが困るだろうと先回りして問題を解決せず、子ども自身が困って親に相談するのを待つことが大事です。困っているのはだれかを考えるのは子育てにおいてもとても大事なことです。
 また、面会で起きた出来事について、「プレゼントこんな高いものをかって教育に悪い」、「そんな遊びをして危ない」等相手の行動を評価をして、こどもが喜んでいても素直になれない自分がいることがあります。逆に自分の育児について評価されたらどう感じますか?良い気はしないですよね。こどもは親の顔色をよく見ているので、親の嫌がることをできるだけ避けようとします。面会から帰ってきて同居親の機嫌が悪くなると、面会に行きたいという気持ちが薄れてくることもあり得ます。相手の行動を評価せず、楽しかったという子どもの気持ちの部分にぜひ共感してあげてください。
 
 

別居親さんにお願いしたいこと

 相手やこどもと会えない分、相手の行動に対して猜疑心いっぱいになりがちです。面会がキャンセルになると会わせたくないから嘘をついている、病院の領収書を出せ、寝込んでいる様子を見せろと相手に追及していないでしょうか?またそもそも相手が面会をしようとしない場合に、虐待だ、人権侵害だ、片親阻害だと相手を責めていませんか?
 たしかにこどもは親の顔色をみて、どう動いたら良いか、どう発言したらいいか考えたりすることはあります。だからこそ、別居親さんが同居親さんを攻撃的にみているところを見たくないこどもは会いたくなくなるということがあります。
 面会をするためには相手と連絡を取り合い日時や場所など決めなければできません。自分のことを誘拐犯と責めている相手と円滑に連絡がとれるでしょうか?
 相手を責めない、疑わないということは面会を続けていくうえでとても大事なことです。
 

お父さんお母さんへ

 こどもにとって両親の仲がいいことは望ましいことです。しかし離婚したいとまで思った相手なので当然相手への不満や嫌いなところはあり、きっとその部分はほとんどの場合なくならないと思います。またされて嫌だったことや言われて嫌だったことは、もしかしたら一生忘れられないでしょう。ただ、それは自分の中の問題であり、こどもの問題ではないのです。その気持ちをどうにかしなければということではありません、嫌いなら嫌いのままでかまいません。子どもの気持ちと自分の気持ちは一度切り離して、こどものために何が一番いいかを考えましょう。相手とビジネスライクな付き合い方をしたり、どうしても無理な場合は一時的に第三者に入ってもらったりする方法もあります。
 お父さんもお母さんも子どものことが大切であるという気持ちが共通だと思います。お互いにそのことは忘れないよう、相手を人として尊重して親としての関係を継続させていきましょう。その姿はきっと子どもも見ています。
 
もしどうしたらいいかわからないという場合はぜひ一度ご相談ください。
それぞれのご家庭の状況にあった方法を一緒に考えていきます。
 

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