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私のメンタルはスター団~ポケモンSVといじめ~

☆以下の文章にはポケモンSVのネタバレが含まれています。また、私の個人的な昔の話と絡めています。ご了承ください。


ポケモンSVはパルデア地方にあるアカデミーの生徒として学校に入学するところから始まる。
学校に入学すると間もなく課外授業の宝探しが始まり旅立つことになるのだが…



私はリアルの学校にあまりいい思い出が無い。
小中学校の9年間はいじめられていて友達がいなかった。

小学校のとき親からは友達をつくるように言われていた。
だが私は友達の作り方がわからなかった。話しかけても無視されてしまうからだった。

誕生日が来ると親は数人の同級生を集めて私の誕生日会をした。
私は誕生日会が嫌だった、なぜなら親が誕生日会に呼ぶメンバーの中にいじめっ子のグループのリーダーがいたからである。
誕生日会のたびに彼女は彼女のグループの子たちと一緒に私をいじめた。

私は普段はいじめっ子のグループと距離を取っていた、かといって他のグループに加わることも無かった。
皆いじめっ子のグループのリーダーが怖くて私を無視していたからだ。


中学に入ると皆部活に入るように言われた。
私の中学は何故か運動部しかなかった。私は運動が苦手でもなんとかなりそうな卓球部を選んだのだが、なぜか例のいじめっ子のグループが同じ部活に入ってきた。

とても嫌な思いをしたのだが救いは思わぬ方向からやってきた。
一つ上の先輩のグループが私をとてもかわいがってくれたのである。
私は中学の1年と2年の2年間は先輩に可愛がられて比較的快適に過ごした。

先輩が卒業するといじめは小学校のときよりも激しくなった。
5月には保健室登校になり夏休みが始まる前には学校に行けなくなった。


それでも塾で勉強は続けておりなんとか高校には受かった。
高校には一人も小中学校の同級生はいなかったのでしがらみが無かったおかげか友人は何人かできた。
だが教師と折り合いが悪く、ヤンキーのグループに目をつけられていた私は彼女たちにいじめられ、やがて学校に行けなくなった。

それでも塾で大検に向けて勉強した。高校中退で終わるかもとあせっていたので、この時はかつてないほど勉強した。これほど私が勉強したのはこの時と免許を取る時だけだった。

そしてなんとか大検に合格し、短大に進学する。
この時初めて「ゲームをやる女子」と友人になる。
趣味が同じ友人は初めてだったので新鮮で、私は短大で彼女以外の友人を作らなかった。
だがある時、あることがきっかけで彼女と仲違いしてしまった。

その後再び友人を作ろうとしたが、グループができていたのか上手く友人を作れなかった。
中学までのような明確ないじめはなかったが、誰も私と仲良くしてくれる人はいなかった。
そしてそのまま短大を卒業した。


私は学生時代を通じて、長い間いじめを受け続け、上手く友人を作ることができなくなっていた。
そんな私に接する教師の中にはいじめに加担する教師、見て見ぬふりをする教師が多くいた。


また、私は学校を卒業した後、同級生にほぼ会っていない。

中学までの同級生は市役所でアルバイトしていた時に再会した2人だけ。
(彼女たちは今思えばいじめっ子のグループとは距離を置いており、人格者だった)

高校以降の同級生は仲の良かった子も含め、音信不通だ。



振り返ってポケモンSVのストーリーを振り返ってみる。


ポケモンSVの中にはスター団というグループがある。
彼らはいじめられっ子のグループなのだが、団結していじめっ子に対抗しようとしてスター団を結成する。

いじめっ子のグループはスター団に恐れをなして、戦わず学校を退学する。

学校側はいじめを隠蔽しようとする。どうやらスター団がいじめっ子のグループを退学させたのを問題視していたらしい。

その後、色々あっていじめを隠蔽していた教師は総辞職させられ、クラベル校長をはじめとする現在のアカデミーの教師と入れ替わる。


主人公が入学した時点で、文字通りアカデミーにいじめは「なかった」。
また、現在のアカデミーの教師陣も、かつていじめがあったことを把握していなかった。
これについては、いじめに加担していた教師たちがアカデミーを辞職する前に、いじめに関連するデータを抹消していたからという描写がある。


主人公はスター団に絡まれていたボタンという少女を助けたことをきっかけに、スター団や学園のいじめについて知っていくことになる。

また、このエピソードにはクラベル校長がすぐバレそうな変装をして同行することになるのだが…
彼もまた、当初はなぜ彼らが不登校なのか理解していなかったらしいが、スター団について知るうちに、彼らについて理解を示し、最終的には教師として寛大な行動を取ることになる。



振り返って、私の小中学校時代を思い出してみる。

先ほど、市役所でアルバイトしていた時に再会した、小中学校の同級生が2人いたと書いた。

そのうちの一人が、Tさんというのだが、彼女は小中学校のとき、いじめられっ子のグループのリーダーだったのだ。

Tさんは他のグループを追い出された子や、身体の不自由な子などいじめっ子のグループに目をつけられそうな子と積極的に付き合っていた。

小中学校時代の私は、浅はかにも「Tさんのグループに入れば、余計いじめられるんじゃね?」と思いTさんから距離を置いていた。
実際Tさんがいじめられているのを目撃したこともある。


でも、ポケモンSVをプレイし終えた今思うのだ。

「Tさんのグループって、リアルスター団だったんじゃね?」と。


いじめられっ子のグループである、スター団のメンバーや、実はスター団のリーダーだったボタンが口にする言葉、
「スター団が私たちの宝物」


今頃になって、なぜ気づくのだろう。
もし小中学校の時に、Tさんのグループにいたら、私の人生はまた変わっていたかもしれない。


Tさんはいじめっ子のグループに対して、スター団のような手段は取らなかった。
即ち、力で対抗しようとはしていなかった。

だが、大人になって再会したTさんは、市役所に勤め(当時は就職氷河期だったので、地方で女性が市役所勤務と言えば勝ち組である)大きい車に乗り、オシャレな服を着こなしていた。

ものすごく正当性のある手段で、いじめっ子に対抗することができたのである。
(最近になっていじめっ子のグループのリーダーのその後について知ったが、Tさんに比べて上手くいっているとは思えなかった)


私が市役所のバイトを辞めた後、Tさんとは音信不通になってしまったが、彼女が元気で過ごしていることを祈っている。

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