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どのような子どもを育てたいのか?

授業のスタイルが徐々に変化しつつある。
新型コロナウイルス感染症が広まった2019年から学校は大きな変化を求められた。
オンライン学習
行事(学校祭など)のオンライン視聴
パソコンを使った朝の健康チェック
アンケート関連のオンライン化
など、さまざまな部分で変化が起きた。

さらに授業の方法もさまざまな自治体で変化している。

名古屋市教育委員会では教育改革を市全体で推進するため、「NAGOYA School Innovation(ナゴヤ スクール イノベーション)」と銘を打ち、子ども一人一人の興味・関心や能力、進度に応じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を推進しています。

NAGOYA School Innovation(ナゴヤ スクール イノベーション)」https://nagoyaschoolinnovation.city.nagoya.jp/about

長野県は、子どもたちが自分に合ったペースで学習を深められるようにしようと、公立の学校の授業で「自由進度学習」などの新たな学び方を導入する方針を固めました。
来年度から具体的な方法の検討を始め、これまでの学び方も含めて子どもたちが柔軟に選択できるようにするということです。

信州 NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20240203/1010029654.html

2020年度から広島県で「個別最適な学びに関する実証研究事業」が開始された。その目的は、「ICTを活用しながら、子どもたちがより主体的に学べる学習について研究する」こと。宮園小学校では、この研究事業の指定校となったことをきっかけに、自分から進んで学び続けようとする意欲や力をもった「自立した学び手」を育成するために「自由進度学習」を導入し、2022年度まで継続して取り組んできた。

小学校教員のための教育情報メディア「みんなの教育技術」by小学館
https://kyoiku.sho.jp/223550/

共通しているのは、子ども中心の学びということである。

人生100年時代やSociety5.0(ソサエティー5.0)という新たな時代が到来するといわれて久しくなりました。現代でも、グローバル化や少子高齢化、ICT化が急速に進展し、私たちの暮らしや価値観などが大きく様変わりしています。また、近年、SDGsという言葉をよく耳にしますが、世界が国際協調により取り組むべき社会課題も数多く存在しています。
 このような今と未来を生きる子どもたちには、激しい社会の変化を前向きに受け止め、先の見通せない状況の中でも、たくましく、しなやかに変化や逆境を乗り越え、よりよく自らの人生を切り拓いて欲しいと思います。
 そのためには、子どもたちが自分で課題を見つけ、自ら学び、考え、行動し、そして多様な立場の者と協働しながら新たな価値を生み出していく、そのような資質・能力を育めるように、学校教育をイノベーションしていくことが必要です。

NAGOYA School Innovation(ナゴヤ スクール イノベーション)」https://nagoyaschoolinnovation.city.nagoya.jp/about

名古屋市教育委員会は上記のような内容を背景として述べている。
コロナ禍
生成AIの台頭
によって世界は今までとは違う異次元の速さで変化している。
その激しい変化の中で、子どもたちは人生を切り拓いていかなければならない。

主体性をベースにした価値創造が必要なのである。

一方で、一斉授業をはじめとした教師主導の取り組みはまだ行われている。
私が勤める学校では、すべての授業を見ているわけではないので正確ではないが、8割以上の授業は教師主導の一斉授業が行われている。

注意しなければならないのは、一斉授業と生徒主体の学び(たとえば自由進度学習)のどちらが正しいのかという二項対立に陥らないことである。

私も長い間一斉授業を行なってきた。
生徒主体の学びを意識したのはここ数年である。
ここで大切なのは、
「生徒主体の学びになんでしないの?」
「もう時代が変わっているのになんで一斉授業なの?」
とならないことである。

これは国と国の対立に似ているかもしれない。
お互いの国のことを知らないから距離を置く。
知らないのに自分の国を批判されたから、相手の国を批判する。
悪化すると紛争・戦争になってしまう。
他の国の人の靴を履くような視点で違う景色を見ることが必要なのだろう。

一斉授業をしている先生も自由進度学習をしている先生も生徒を思う気持ちは一緒である。
その気持ちを対話をしながら確認していけば大きな違いはないだろう。

夏休みに入り、時間ができたからこそ
「どんな子どもを育てないの?」
という話を他の先生としてみてもいいのかもしれない。

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