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夏休みの勉強4日目 「豊かな学び」を創り出すために必要なこと①

オンラインセミナー4日目。
テーマは、「豊かな学び」を創り出すために必要なこと①-探究学習・学習評価-
探究学習は高校に導入され注目がされている。
私は中学校であるが、探究活動を取り入れることによって、生徒がさまざまな力をつけることを実感している。

昨年度は本校で20時間の探究活動を取り入れた。
各学年テーマを分けて行い、基本的には自分の好きなこと、得意なことを探究するテーマとした。
ねらいは、一つでも自分の好きなこと、得意なことを調べ、それを周りの人と共有することによって、自分の好きなこと、得意なことを他者から認めてもらい、自信をもつということであった。
多くの生徒は自分自身と向き合い、他者との関わりの中から多くの学びを得たと感じている。

一方で探究活動の足場かけという部分では課題があったと感じている。
そのような課題意識があったので、今回のセミナーはたくさんの学びがあった。

セミナーの講師は、田中博之先生(早稲田大学教職大学院教授)
テーマは、探究的な学習を設計する〜授業づくりと教材研究の要諦〜

田中先生は探究の定義を

⼦どもが⾃ら探究課題を設定し、主体的・協働的に課題解決に取り組み、 多様な探究⼒を⾝に付けて⾃⼰成⻑につなげる課題解決的な学習

田中先生の発表スライドから引用

中学校の探究活動というと総合的な学習の時間を想像するが、各教科での探究活動も紹介していた。
例えば、国語では、創作表現、討論会、スピーチなど
    社会では、調査研究、レポート作成、研究発表など
    音楽では、作曲、編曲、自由課題など である。
また、各教科で探究に取り組む時にはさまざまな場面で導入するのではなく、各学期に1回など、山場として探究活動を取り入れることを勧めていた。
(学校現場のことをよく考えていただき、先生方のご苦労を労う発言が多々あった。)

探究的な活動のポイントは、深い問い(探究的な課題)である。
問いが浅いと探究活動が浅くなってしまう。
深い問いの条件として、

① 資料や事典を見ればすぐに解決できる問いではない。
 ② これまでに学んだ知識を活用して探究する問いである。
③ 複数の知識や資料を組み合わせて解明できる問いである。
④ 多面的・多角的な考察をうながす問いである。
⑤ 原因や因果関係、与えた影響の解明をうながす問いである。
⑥ 理由や根拠を探し出すことを求める問いである。
⑦ 既有知識と新しい資料を組み合わせて考察する問いである。
⑧ 心情や事象を比較して考察する問いである。
⑨ 複数の知識や事実を組み合わせて抽象化や一般化を求める問いである。
⑩資料やデータに基づいて対象の規則性や法則を発見する問いである。

田中先生の発表スライドから引用

全ての条件を盛り込むのではなく、複数の組み合わせによって深い問いができるのであろう。
よくありがちなのが、
① 資料や事典を見ればすぐに解決できる問いではない。
の部分の見落としである。この部分については、子どもはすぐに気づかない場合もあるので、教師側のサポートが必要である。

また、探究力の育成について
・自ら進んで取り組む力(主体性)
・友達と協力する力(協働性)
・自分らしく表現する力(創造力)
・自分で決める力(自己決定力)
・問題を解決する力(問題解決力)
・価値付ける力(価値付与力)
・自分を伸ばす力(自己成長力)

を紹介していた。まさに、これからの子どもたち(大人にも)に必要な力だと感じた。

最後に、主体的な学びについて、

主体的な学びとは
・学ぶことに興味や関⼼を持ち、⾃⼰のキャリア形成の⽅向性と関連付けな がら、⾒通しを持って粘り強く取り組み、⾃⼰の学習活動を振り返って次に つなげる「主体的な学び」が実現できているか。
・⼦供⾃⾝が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を⾃ら振り 返り意味付けたり、⾝に付いた資質・ 能⼒を⾃覚したり、共有したりすることが重要である。

田中先生の発表スライドから引用(中央教育審議会答申、pp.49-50)

主体的な学びについてはとても深いと感じている。
特に大切なのは、学習活動を⾃ら振り返り意味付けたり、⾝に付いた資質・ 能⼒を⾃覚したり、共有したりすることが重要である。
つまり、
自己評価・・・自覚
相互評価・・・共有
ということである。

このことを大切にして、子どもの学習改善につなげ、教師の指導改善に繋げていく必要がある。
教科での自己評価や相互評価という考えは抜け落ちていたので、2学期からの授業に取り入れ、生徒の主体的な学びを実現したい。


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