学校の中にある呪いを解く方法
登壇する先生方はどなたも著名な方々ばかりで、5名の先生方にハンマーで頭を打たれたような体験であった。
自分の教育観の見直しや、新たな教育に関しての知見、そして人との繋がりの大切さを実感できた。
川上 康則 先生(杉並区立済美養護学校 主任教諭)
著書:『教室マルトリートメント』(東洋館出版社)、『子どもの心の受け止め方 (発達につまずきのある子を伸ばすヒント) 』(光村図書出版)など
川上先生の話は落ち着いており、こちらが聴いているだけで癒されるような体験であった。
学校の中には呪いが存在する
それは、「学校(教師)とはこうあるべきだ」という呪いである。
枠からはみ出す生徒に対して、
こうさせなきゃ
こうしなきゃ
こうならなきゃ
という焦りからかかる呪いである
川上先生はこのような考えに至ってしまう背景として、
子どもへの怒り、イラ立ち、憤り があると述べていた。
その結果、ハームフル(ためにならない、毒のある、害になる)関わりをしてしまうことになる。
本校には3分前着席というルールが存在する。
目的は授業に向かうための準備の時間を確保するということであるが、
そもそも教師自身が3分前に教室に入っていないことが多く形骸化している。
しかしながら、ルールを決めたからには守らなければならない(これも呪いなのかもしれないが・・・)
このような形骸化したルールは他にも存在しているが、
主任としての立場上ルールが守れていないと責任が生じる。
(もちろんこの立場なのでルールを変えて仕舞えばいいという考えもあるが、なかなか高い壁なのである。)
その時にハームフルな関わりをしてしまう。
乱暴な言い方をして教室に入れようとしたり、他の子どもと比較したり、
小言を言ってしまったりもする。
実はこのハームフルな関わりをしてしまった時に子供も大きなストレスを感じるが、自分自身も大きなストレスを感じている。
そして、川上さんはこのような上位者の誤ったモデルの再生産の危険性があることを指摘していた。
納得していないルールに子どもも大人も従い、双方がストレスを抱える。
川上さんの話を聞いていて、この呪いにかかり、かかりながらも呪いがとけないことが私の一番の仕事をしている時に負担なのかもしれない。
一方で授業は自分の中でルールを決めることができるので、
ここまで大きな負担は感じてはいない。
この呪いを解く方法は、
1 ルールを変える立場に自分がなる(管理職など)
2 ルールに関係ない場所に自分を移動させる(時間講師など)
3 仲間を増やしてルールを変える
などが考えられる。
3の選択肢が自分が直ぐにできることなのかもしれない。
2学期はもう直ぐに始まろうとしている。
自分にできることは教職員との対話なのであろう。
セミナーは対話をとても大切にしていた。
目的を共有して、対話をすることを2学期は意識していきたい。
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