ホラクラシーと売上至上主義

こんにちは。Rimo合同会社で代表社員をしている相川です。

今日は、ホラクラシーなどと呼ばれる自主経営している組織は、KPIやOKRの一番上のトップKey Resultは、売上になる、もしくは経営者が外部から一番求められる値(売上以外の例としては、利益や企業価値/バリュエーション)で、ユーザー数などにはならないよねという話をしたいと思います。

自主経営カッコいいよね!

Rimo合同会社は「はたらくを未来に」をビジョンとして掲げています。実際、リモートワーク中心、副業中心は実現しているのですが、実はもう一個やりたかったことに「自主経営」があります。全員経営というのかティール組織というのかホラクラシーというのか色々言い方や定義がありますが、まぁ働いているメンバー皆で経営について考え意思決定していくみたいな組織です。やり方は色々流派があって、マネージャーがいないフラットな組織でやる方法もあるし、フラットではないけどやることもできます。詳しいこと知りたければ、この段落で太字にした言葉などでググってもらえると嬉しいです。

Rimoの場合、副業というものと自主経営の相性が悪かったのでとりあえずそこはまだ代表の自分が割と引っ張っちゃってる感じです。週1が基本労働時間の場合、自分の仕事進めながら、どう経営するかや企業文化などを考える時間はないので考えてみれば当然なのですが。

一方で、それをやるための準備はしていたつもりでした。

自主経営のための要件としての給与公開と採用選考しない

1. 売上だけでなく給与も公開する
2. 基本選考せずに、まず働いてみてもらう

などです。

IT系の企業は支出のほとんどは人件費になるので、そこを見せられないと経営指標を一緒に見て考えられないので、給与の公開は必須だと思いました。

また、どこかの偉い人が、経営は「ヒト・モノ・カネ」じゃなく「ヒト・ヒト・ヒト」だと言っていたように、スタートアップではかなり採用は重要で、実際いる人によって何ができるか決まります。誰かがなにかやりたいと思っても、上の経営者が雇いたい人を不採用にしてしまったら進むべきものも進まないので、誰であっても人を雇える、もしくは雇用ノカタチを取らなくても採用したい人の力を使える仕組みは必要だと思っていました。

経営も能力であることの壁

とはいえ、こういった仕組みを整えても、経営も、MBAなどちゃんと資格になるほど時間をかけて学ぶだけの領域があり、時間もかかるので、外堀の体制を整えても、実際にそれを考える時間がなければできないという結論に達しました。

最近は、自分は副業だけでなく本業社員の数を増やしていくことを解禁したつもりなので、もしかしたら自主経営していってくれるメンバーが増えるのかもしれないと期待しています。

やりたいメンバー募集中です!

ホラクラシーをやっている会社から学ぶ

で、やれるかもしれないとなったら、もう少し調べたくなって、最近ホラクラシーで組織を運営していると言われる会社代表のラプラスとユビーを調べていました

雰囲気ですが、LAPRASの方が会社ができたときから純粋にホラクラシーをやろうとしていて、Ubieはどういう組織がいいか考えた試行錯誤の結果ホラクラシーを導入してるといった感じなので、それぞれが指しているホラクラシーも若干定義がずれそうで結構違う組織体制なのではないかなとも感じます。
(記事の中身見るとまた長くなるので見ないことをおすすめしますw)

皆の最終目標をどこに置くか

ホラクラシーだと、目的ごとにサークルというものを作り、そのサークルには入りたい人が入れて、そのサークル内で目標に関わる業務をこなし意思決定していくというのがざっくりの進め方です。

とはいえ、サークル同士がそれぞれの目標を追った結果、組織が破綻してしまったり、相反する方向に進んでしまったりすると困るので、最終的には皆が判断を同じにできるような軸が必要になります。

判断を同じようにするためには、

・事業領域を予め定義しておく (ラプラスなら人材、ユビーなら医療)
・企業文化やバリューをある程度明文化し浸透させておく

ということも必要ですし、皆やっているでしょうが、結局ゴールをどこに置くかが重要になります。

で、これの結論が、上場を目指しているスタートアップだったり、上場している会社だとすると、株式市場から一番見られる数字以外ありえないし、ホラクラシーのところでも実際そうしてると小耳に挟んだのでこれを書きました。

ユーザーファーストとかはありえない

もう少し、詳細に解説すると、例えば僕の古巣のGoogleは、ユーザーファーストを掲げているので、検索チームの目標は、

・検索(orリリースした機能)を使ってくれているユーザー数
・検索したあと、探したい結果がちゃんと見つかった数 (例えば、検索結果をクリックしたあと、探し続けずにその結果をじっくり読んでる状態になった数や確率)

だったりが考えられます。

でも、これだと売上や利益上がらないですよね?「ユーザーのことを考えれば売上は後からついてくる」という綺麗事もちゃんと書かれていますが、実際は広告チームと営業チームが売上を見ていて、検索チームがユーザーをがっちり掴んどいてくれれば、売上はこっちが上げてやるよという体制が組まれているだけですね。

これでもいいのですが、これは自主経営としてはNGですし、各個人が考えれる幅は狭くなってます。
例えば、検索チームから商品検索でアフィリエイトのようなマージンを取って利益を得ようみたいなアイデアは評価されないですし、広告チームは検索以外のところから収益を上げる方法を考えづらいはずです。(考えないほうがうまく回りそうというのも一理あるとは思いますが、つまらないとも思います。)

実際、Google MapやYoutubeもあるタイミングまでは全く収益をあげなくて良いと言われていたのに、急に収益をあげないといけないとなって、Google MapはAPIを急に高くしてユーザー離れを招きました。Youtubeは最初は広告うざいと思われましたが、稼げるようになったことでYoutuberという職種が生まれ「好きなことで、生きていく」というブランディングもしたことで好意的に受け取られた成功例だと思います。
失敗も成功もありますが、結局、急に経営側の判断が変わることで現場はすごくあたふたしたのは間違いないはずです。

最終ゴールは売上かバリュエーションのみあり得る

もう少し解説します。

未上場のIT系のスタートアップだと、利益はむしろマイナスでも売上のポテンシャルを上げていこうという会社が多いので、投資家が見る数字は利益ではなく売上であることが多いです。

もちろんtoCの場合、SNSを筆頭にして、ユーザー数が後々広告費などでお金に化けるので、現状の売上ではなくユーザー数を見てたりはしますが、結局は「未来の売上」を見ているに過ぎません。

スタートアップは、KPIを何にしようなどと悩んだりすることがあり、昔のクックパッドだとレシピが印刷された数、昔のFacebookだと7人以上友達がいるユーザーの数、人材だと応募数採用成立数など、他のSaaSなどもユーザー数継続率など様々なもっともらしいものが立てられます。

それでも、これらを立てることの問題点は、ある日までは応募数を目標にしていたのに今日から採用成立数になった、ユーザーの絶対数を追っていたのに継続数になったなどが起こると、誰か一人が意思決定をしているチームではいいですが、全員が意思決定をしているチームだと波乱が起きるはずです。

なので、結局「売上」になります。

ただ、「売上」にすると、長期的な売上につながるものを考慮できない問題が発生するので、「未来の売上」=「企業価値/バリュエーション」を目標にするという方法もあるようです。

まぁここにもバリュエーションの出し方が一定皆理解していないといけないという難しさもありそうですが、一定訓練すればできるのかもしれません。


少し長くなりましたが、最近の学びはこんな感じです。


はたらくを未来に

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