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土間は登山道、かつ県道!(御嶽山石室山荘)

石室山荘は現代の山小屋では珍しい通り抜けの小屋である。登山道が小屋内にあり、ちなみに県道。もちろん車は通らない。土間沿いに座れば、下で言う道路沿いの縁石に腰掛けるイメージだろうか。幼少期、縁石で遊んで怒られた。たしかPTAとやらにメガホンで大きくご指摘を。もちろん石室山荘ではそんなことはない。

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この登山道は御嶽山黒沢口登山道であり、御嶽山で1番古い登山道である。江戸時代末期はに覚明行者によって解放された。当時、登山は厳しい精進潔斎行わなければ神社から許可されなかったが、覚明行者は3度に渡り信者と登拝を強行したとのことだ。そこから、覚明行者が住民と登山道整備を始め、御嶽信仰とともに登拝する人が増えた。現在でも日によっては10〜20人のグループで登られる御嶽講の方に出会う。白装束に身をまとい、「ろっこんしょうじょう」との掛け声と共に上がってくる。螺貝の音を時折響かせて。


石室山荘自体も江戸時代の末期から建っている。当時は名前の如く石で作られていた様で、その後に平家の木造、2階を増築と変化していった。今では御嶽山で最も古い山小屋となった。立地は急勾配の岩場にある。両脇には尾根があり、強風からは守られていが、下から見上げれば厳しい岩場にポツンと小屋が建っている。登山者はそんな石室山荘の土間を通っていく。時には休んで、おしゃべりして。登山道だから小屋内といえども人通りは激しい。風通しの良い山小屋だ。週末に快晴なら蟻の行列の如く、いつか見た参勤交代の絵の如く人が連なる。ごく稀に土間で遠くの知り合いとバッタリなんてことも。


過去から続く人々がみなこの土間を歩いて行ったも思うと感慨深い。色んなストーリーがこの土間であったのだろう。


なーんて、、、そんなことを考えたり、考えなかったりしながら朝この土間を掃除していまーす。

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