恋煩い4

見て、今日の月きれい

君はその意味、わかってたのかな。

もし知っていたら、読書好きな私が知ってて口にしたって気づいたよね。

ほんとだ、きれいですね

誰だってそう返すだろうね。

まだ話したいことあったよ。

私がいつから空を見上げるのを好きになったか。

なんの星座だったら見つけられるか。

もっと私のこと知ってほしかったな。

これ、彼女からこんなLINE来たんですけど

えーどれどれ

私、君の打った文章しか目に入らなかった。

そんなふうに見せるんだ。

そんな文章で返すんだ。

適当な返事してごめんね。

もうちょっとで満月だったあの日。

今日は曇ってて何も見えない。

見上げても探しても見えない。

君のこと、駅のホームで見かけても気がつかないくらいになって、少しずつうすくなってるのだと思っていた。

暖かくなってコートも着なくなって、髪型がかわって、イヤホンが新しいものになっていたら、もうわからないかもしれない。

だけど一生懸命探している。

探せる自信もないのに見つけたくて。

そして会ったらきっとわかっちゃうんだ。

全然忘れられないって。