見出し画像

:Pray By Letter(:プレイ・バイ・レター)は良いぞと勧めるだけの記事

めっっっっっちゃたのしい!!!!
このシステム本当にやってて楽しい!!!!

「TRPGは時間掛かるから予定として入れるのがしんどい」=「結果としてずーっとやらない」…ってのが無くなってとてもよい!!!!
ありがとうございます!!!!! ありがとうございます!!!!!

ということで、やってまいります。


まえがき

読者の皆様はTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)というものをご存知だろうか。

乱暴に言ってしまえば「遊んでいるプレイヤーたちが机の上でキャラクターを演じ、物語を作っていく」、そんな感じの遊びのことを指す。

ゲームマスター(GM)はプレイヤー(PL)に「今あなたたちはどうなっているか」「また何ができるか」を伝え、PLはGM(または他のPL)に対し「この行動を行う!」と宣言して行動したりして遊んでいく。

ビデオゲームと異なるのは(ゲームによりけりとはいえ)キャラクターの行動があまり制限されず、自由に解釈して楽しめるという点は大きいではないだろうか。

例えば…「城門の前に衛兵がいる」というシチュエーションに対し
「正面から立ち向かう」「こっそりと飛び道具で仕留める」までは色んな作品にあるが、「衛兵のことを予め調べたり揺さぶり、弱みを握って見逃してもらう」「キャラの見た目を駆使して魅了する」と言った行動まで取れるゲームはかなり少ない(TRPGを下地にしたゲームで可能な事はあるが)。

「『その状況についての解法』をその場にいる人間達が好きに考え、
行動して結果を作れる…というのは面白い」

TRPGには様々なシステムがあり、
・敵を倒し、経験値を手に入れてより強くなる
・戦闘能力がほぼないキャラクターたちを演じ、危機を切り抜けていく
・キャラクター同士の会話・応対をしていく中で仲を深めていく
などなど、様々な遊び方のできるTRPGがある。

その世界観も様々で、「ファンタジーの世界」「現代」「宇宙で活動しているような未来」などなど…まさに無限大の世界の中で好きなキャラを演じて遊ぶ事ができる。

もちろん、自分で世界観を作り出すのは…厳しい…!という方のために色々なメーカーや有志がシステムやシナリオというものを出しており、このシナリオに従って遊ぶのが主流の遊び方になる。

システムとは:
このTRPGは「こうやって遊ぶものである」という定義…分かりやすく言えば「ルールブック」。
例えば「クトゥルフの呼び声」や「パラノイア」、「ソード・ワールド」に「エモクロアTRPG」…のようなタイトルの事をシステムと呼ぶ。

「システム毎に遊び方は様々。
気に入りそうなシステムを探すのもまた楽しみ方の1つ」

シナリオとは:
上記のシステムの他に必要となる「その物語はどんな状況なのか」であり、「何を目的としているのか」などを有するもの。
こちらも分かりやすく言えば「台本」である。

「システムだけあっても始まらない。
物語には筋書きが必要なのです」

この記事ではそんなTRPGの中のシステムの1つ、:Pray By Letter(:プレイ・バイ・レター)※以下、PbLと略す
について紹介していこうと思う。

PbLとは

商品ページはこちら

概要

他のTRPGが戦闘・探索、あるいは課せられた目標のクリアなどの行動の結果得られるご褒美などを軸としてロールプレイするゲームが多い中、このシステムでは手紙および対話によるロールプレイを重視しているシステムとなっている。

注意:
他のシステムでも似たような遊び方はできる。
あくまでPbLはその遊び方を軸にしたシステムである、ということである。

「よりゲーム性を重視するなら別のシステムをオススメ。
PbLは演技重視のシステムとして遊ぶのが主」

つまるところ、戦闘の概念はなく、あくまでプレイヤー(PL)とゲームマスター(GM)の2人によるコミュニケーションによってお話が進められていくシステムなのだ。

では次に、このシステムにおける大まかな流れを説明していこう。

ゲームの流れ

  1. GMはPLに対し、手紙を送る

  2. PLは手紙を読み、何らかの行動を取る

  3. PLは手紙を送り返す

  4. 何度か1~3を繰り返していく

  5. 最終的にPLとGMは手紙ではなく、実際に対話する

  6. 対話した結果生じた何かに対し、運命の梯子が降りてくる

というのが主な流れになる。
以下はそれぞれのステップごとの詳細説明である。

1. GMはPLに対し、手紙を送る

このPbLというTRPGはどんなシナリオにしろ、基本的にはGM(が扮するキャラクター)より、何らかの形(手紙でもいいし、Eメールでもいい)のメッセージをPLが受け取るところから始まる。

手紙を受け取り、読む事がポイントなので、PLは少なくとも「何やらメッセージが届いていたら読んでみる」タイプのキャラ設定であったほうが良い。

ゲームのシステム上、途中でセッションが成立しにくくなったため打ち切り、という形でこのセッションを終わらせることはできる…が、初手で打ち切っていたら話にならないので…

「ある程度は文章が書ける人同士で遊ぶことをオススメするよ」

2. PLは手紙を読み、何らかの行動を取る

手紙を受け取ったプレイヤーは内容を読み、GMから掲示される選択肢を選び、行動を取ることで『手紙の内容の精査』『このシナリオにおける世界観の開示』などを行うことができる。

PLはこの行動の結果によってPL側は徐々に物語の内容や状況をより詳しく把握することができる。
※GMは何を求めているのか、何がきっかけでこの手紙が届いたのかなど

但し、全て明らかになるのか、それとも一部謎は残るのか、それはシナリオによる。

3. PLは手紙を送り返す

行動が終わったらPLはお手紙を返す。
このお手紙の内容は自由気ままに「GM(のキャラ)のこと」や「どういう理由で手紙を送ってきたのか」など、現在の状況に応じて好きに書いて手紙を送ろう。

この手紙のやり取りこそが本システムにおいての肝
直接の会話ではなく、手紙でのやりとりにすることで様々なシチュエーションとしてやり取りすることができるのである。

直接会えない理由は様々。
「病気がちでそもそも会いに行けない」「諸事情による」「そもそもGMキャラ側が送り先が誰なのか分かっていない」など色々作れる。

手紙に思いを込めよう。 きっと素敵なことが起きる」

4. 何度か1~3を繰り返していく

これはシナリオによって何回行うかは決まってくる。
モノによっては1回で終わることもあれば、3~4回となることもある。
手紙の回数が多くなればなるほど、ロールプレイ的にも充実し、キャラ同士の設定に深みが出てくる可能性もあるため、GMとPLの負担にならない回数のシナリオをチョイスしよう。

ただ、初めは文通回数が少ないものから手を出すことを進める。
初めから全力で遊ぶのは中々しんどいものもあると思うので。

「一回遊んで仕組みを理解すれば分かりやすいシステムなので、
まずは軽いものから遊ぶのを推奨します」

いずれにせよ、何度かメッセージの送り返しが行われると次のステップ(対話フェーズ)へと突入する。

5. 最終的にPLとGMは手紙ではなく、実際に対話する

いよいよ、PLとGMは何の因果か直接対面することとなる。
これが対話フェーズであり、このシステムにおけるクライマックスシーンである。

例えば、直接対話をするためにPLかGMのどちらかがもう片方の下にダッシュで向かう、あるいはどこかで待ち合わせるように約束をするかもしれない。

そうして出会ったPLとGMは何らかの話をすることになる。
例えば、それは「この一連の手紙の真相」かもしれないし、「PLへの何らかの告白」かもしれない。

ともかく、GMとPLはここで直接対面し、シナリオの真相に迫っていくことになる。 この段階ではじめてプレイヤー側に開示される情報もある。

「ここまでの手紙や行動から判明した情報を元にGMとPLの劇が行えるよ」

なお、この対話フェーズについては可能な限りリアルタイムでやり取りができる状態で行うことをオススメする。
クライマックスシーンということもあり、状況が変われば即時で対応できるような状態でやる方が臨場感が増すのだ。

ここで言うリアルタイムは例えば「通話」「チャット」辺りを指す。
流石に実際にリアルで会う必要はない。
Discord辺りでやりとりしているならそれを使うのが良い。
また、クライマックスシーンもロールプレイに応じてそこそこ時間は掛かるので短くても1~2時間くらいは確保した方が良い。

「これ以外のお手紙部分とかは任意でやりとり可能だから…」

6. 対話した結果生じた『何か』に対し、運命の梯子が降りてくる

本システムにおいての肝、その2

対話フェーズにて話している最中、突如何らかの危機やアクシデントに見舞われることがある。
その際に降りてくるのがこの運命の梯子(あみだくじ)である。
この運命の梯子もまた本システムの肝であり、GMとPLの運命を分岐する非常に重要なルールでもある。

ざっくり概要を説明するとこの運命の梯子には「宿命」と「奇跡」の2つがお手紙や対話フェーズ中のやり取りに応じてそれぞれの総数が変化していき、終端に割り振られていく。

詳細なルールは商品ページよりサムネイルを参照されたし。

「気になったら遊んでみるのもいいぞ!」

GMとPLはこの運命の梯子の道を付け足していき、最終的にはPLにスタート地点を選んでもらって運命を決めるのである。

「宿命」・そのシナリオにおける「まあそうなるよね」という結末。

「奇跡」・そのシナリオにおける「新たな運命を見出す」という結末。

但し、運命が決まった直後は「宿命」か「奇跡」かどうかは明かされない。
大概は決まった運命に従いGMがエンディングの朗読を行い、最終的にGMからどのエンドに辿り着いたかのタネ明かしが行われる(ここは任意)。

ここで気をつけて欲しいのが「宿命だからバッドエンド」「奇跡だからグッドエンド」とは限らない、ということ。
シナリオによっては奇跡/宿命の差異が大きく異なることもある。

「暗い結末であろうとも、2人にとって納得の行く最後を迎えること、これがとても大事」

このシステムの良いところ

拘束時間周りがかなり楽

前述の通り、こちらのシステムは基本的にはお手紙のやりとり、及び行動の選択で成立するシステムのため、「メンバーが必要な人数揃ってないと遊べない」ということがない。

これにより、TRPG遠慮している方あるあるである「折角の休日に○時間掛かる予定を入れるのが苦手だからやれない」という問題を回避しやすい。

ぶっちゃけ筆者がTRPGやりたがらなかった理由がこれである。
シナリオによっては休日のほぼ半日~全日を消化という前提条件はエグすぎるのである(その分濃く、面白い遊びではあるのだが)。

「そもそも、当時TRPGを誘われた時に『誘い主以外全員自分の知らない人』
というメンバー構成になっていたので参加が怖すぎた(人見知り」

ロールプレイ!ロールプレイ!!

クトゥルフの呼び声、ソード・ワールドのようなシステムと異なり、PbLの場合は行動に能力値やダイス目が伴わないため、この行動をやりたかったけれど失敗したという事態が発生しないのである。

これはロールプレイにおいてこういう演技をやりたいという需要にマッチしやすく、失敗したときの演技を考える必要がない。
選択の範囲内で自分のやりたいように振る舞えるという強みがある。

例えば『鍵開けの職人』というキャラ設定なのに何回やっても鍵が開かない(むしろ鍵穴が壊れてしまった)

「ここら辺の懸念がないのがありがたい。
但し、運命の梯子は別とする」

GMも巻き込めるシステム

このシステムはGMが演じるキャラクターとPLが演じるキャラクターの2人(その他にもNPCがいることもある)で進めていくため、GM担当にありがちな「神の目視点」のみで遊ぶ事態が発生しにくく、GMとPLの共同で物語を作ることができる。

また、GMは○○を知っている、けれどPLはその情報は知らない…という状態が基本的に多い。そのため手紙の交換時に「○○について…<GMのキャラ>さんは知っていますか?」と手紙の際の話題としても使える。

キャラクターとして「かれこれこういう事があった」と手紙などで伝える一方で、GMとして「このような行動が取れます」とハッキリ言える(PL側の想像に任せきりにならない)ので、まさにGMとPLの2人によるアドリブありの演劇なのである。

「シナリオの台本に気になるところがあれば
ちょっと付け足してスリルを増やしてみたり…色々」

文章を書く、ということ

昨今、LINEやらTwitter、Discordなどで友達とやりとりをされている方も多いと思いますが、その時どれくらいの文章を打つでしょう?

今日も一日おつかれ~>

<おつ

<おつ

<そいえばさ、最近○○やってんだけど

<おお

いいじゃんいいじゃん>

ハマった?>

<もう20時間くらい遊んだわ~w

だいたいこんな感じの短文(ないし単語)でのやり取りが主ではないだろうか。 少なくとも筆者の周りは割とこれくらいの文量でのやりとりが多い。

プレイバイレターは1度の手紙に書ける限りの文章を入れる必要がある。その文章を考えること、書くことがとても楽しいシステムなのだ。

前述の通り、手紙は多くて3~4回、少ないと1回で終わってしまう。
だが、相手は困っていたり悩んでいたり、あるいは助けを求めているかもしれない。だからこそ、自分で思いつく限りの質問であり疑問であり、あるいは励ましの言葉…悩みへの答えを文章として記して送る。
これは短文メッセージでのやりとりでは中々味わえない深みがある。

「伝わるだろうか、読み違いが起きないだろうか…
と不安になりつつも文章を書くことが案外楽しい」

総評

システムとしてかなり簡潔にまとまっている良い作品なので、興味が沸いたのであれば一度は遊んでほしいと思う。
但し何度も言うように手紙の送り合いが主体のシステムのため、ある程度の長さの文章を書ける・読めることは重要(相手がどう反応するか、についても)。

意外とこのハードルが低いようで高かったりするのだ…人によって文章の書き方は異なるので。