熱中症を予防する~熱中症警戒アラートを活用しましょう~
ここ最近、毎年、過去最高気温が更新されている印象があるほど夏の気温が上昇しています。私が小学生だった子どもの頃、暑いと言っても31度、32度ほどだったと記憶しております。
私は高校野球部のトレーナーとして外で活動することが多いのですが、昨年は新型コロナ感染症の影響で夏の間は、長時間外で活動することはほとんどありませんでした。
数日前、第103回全国高校野球選手権石川大会で炎天下、2試合観戦しましたが、暑さに慣れていないこと、気温が36℃(野球場内はもっと暑いと推測)ほどあり、これまでで初めて試合途途中で2回ほど日陰に行き休憩を取りながら試合を観戦していました。
体力が低下したからか?!
年齢のせいか?!😁
と、私個人の問題のせいにしたいところすが、この状況は多くの日本の皆様に共通したことでもあると思います。
日本の夏は、気温もさることながら湿度が高い!、この部分は、「日本の夏はいや~DA~」と、乾燥した暑さの国の外国人の皆様から、よく聞く言葉です。
熱中症とは
体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、痙攣、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。
熱中症の重症度
①現場で応急処置で対応できる「軽症」
立ちくらみ、筋肉の痙攣・硬直、大量の発汗
②病院への搬送を必要とする「中等症」
頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
③入院して集中治療の必要がある「重症」
意識障害、けいれん、手足の運動障害
高体温(体に触ると熱い。いわゆる熱射病、重度の日射病)
熱中症における救急搬送および死亡者数(全国)
平成30年(2018)6月~9月
救急搬送者:92710人 死亡者:159人
令和元年(2019)6月~9月
救急搬送者:66869人 死亡者:118人
令和2年(2020)6月~9月
救急搬送者:64869人 死亡者:112人
調査の中では、高齢者がもっとも多く、次いで成人、少年(7歳~18歳)、乳幼児の順番だということです。
救急搬送先でもっとも多いのは、以外?!なことに住宅だそうです。お家の中を涼しく風通しのよい環境に整えることが大切ですね。
上記数字は、総務省消防庁しらべ(令和2年10月27日)
平成30年、第100回全国高校野球選手権記念大会へ星稜高校野球部トレーナーとして同行した時は、大会期間中に各チーム、足の痙攣をよく起こしていました。
写真の試合では4名もの選手が足を痙攣しており、暑さ対策を十分にできなかったことを悔やんだものでした。
しかし、2018年の夏は、ここ数年で最も暑い夏だったこともわかり、痙攣が多く出ることは理解できます。
熱中症警戒アラートを発表し熱中症予防
今年より環境省から熱中症警戒予防アラートが発表されるようになりました。
熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、 熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報発信です。
暑さ指数(WBGT;Wet Bulb Globe Temperature)
このアラートは、暑さ指数は、気温、湿度、周辺の熱環境である輻射(放射)熱から算出される暑さの指数で、1954年にアメリカで提案された指標です。
運動や作業の度合いに応じた基準値が定められています。
日常生活に関する指針
31以上(危険)
・高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
・外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
28~31(厳重警戒)
・外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
25~28(警戒)
・運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
25未満(注意)
・危険性は少ないが激しい運動や重労働時に発生する危険性がある。
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)より
運動に関する指針
31以上(運動は原則中止)
・等別な場合以外の運動中止。特にこども。
28~31(厳重警戒 激しい運動中止)
・熱中症の危険性が高い。
・激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
・10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給。
・体力の低下、肥満、暑さに慣れてない人は運動を軽減または中止。
25~28(警戒 積極的に休憩)
・積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給。
・激しい運動では、30分おきくらいに休憩。
21~25(注意 積極的に水分補給)
・死亡事故が発生する可能性がある。
・熱中症の兆候に注意し、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給。
21未満(ほぼ安全 適宜水分補給)
・通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要。
・市民マラソン等ではこの条件でも熱中症が発生するので注意。
(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より
熱中症の判断
気温や湿度が高い環境のなかで、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、体に力が入らない、ぐったりする、呼びかけへの反応がおかしい、痙攣がある、まっすぐに走れない・歩けない、体が熱いなどの症状がみられたときには、すぐに熱中症が疑われます。
なかでも、高体温、汗をかいていなくて触ると熱い、ズキンズキンとする頭痛、めまいや吐き気、意識障害がある場合は、重症です。
熱中症の応急処置
1. 涼しい環境に移す
風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内へ移動させましょう。
2. 脱衣と冷却
衣類を脱がせて、体内の熱を外に出します。さらに、露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで仰いだり、氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げます。
手や足を冷やしてあげることでも深部体温が低下します。
3. 水分と塩分を補給する
冷たい水、特に塩分も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料を補給。
ただし、意識障害がある場合は水分が気道に流れ込む可能性があります。また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には、すでに胃腸の動きが鈍っていると考えられるので、口から水分を入れることは避けましょう。
生活習慣を整えて熱中症を予防しましょう!
なんと言っても、食事、睡眠、軽い運動など生活習慣を整え、養生することが熱中症予防には重要となります。
食事で十分な栄養をとっていれば、塩分や糖分も十分に身体に蓄えられており、暑い環境下でのエネルギー消費、発汗に対して耐えることができる身体となります。
また筋肉の収縮や弛緩に必要なカルシウムやマグネシウムも十分身体に蓄えられており、カリウム、ナトリウムなど細胞内外の水分や物質移動に必要な栄養素も蓄えられることになりますよね。
睡眠不足は、熱中症だけでなく全ての病気や症状に関連がある生活習慣です。良質な睡眠を得るということは、自律神経活動だけでなく脳神経細胞を含め身体全ての機能に関わってきます。
気持ち良く目覚め、心も身体もスッキリしたいですよね!!
まとめ
・熱中症警戒アラート(環境省)を参考に生活、運動しましょう
・熱中症にかかった場合は適切に対応、処置しましょう
・熱中症予防するため生活習慣を整えていきましょう
この情報が皆様のお役にたち、素敵な夏、楽しい夏、ワクワクする夏を過ごしましょう!!
オリンピック・パラリンピック東京大会、夏の全国高校野球選手権大会も開催されますからね。
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