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吉祥寺にあった東北のお店。

出会い


ラーメン屋のキッチンに塾講師。すでに二つのアルバイトを掛け持ちしている。そして週末は野球。もちろん平日の昼間は大学に通う。人並ではあるがそれなりに忙しい毎日を送っていた。

そんな大学3年の10月頃、さらにもう一つのアルバイトの話が入ってきた。大学3年の秋学期、就職活動の準備もぼちぼち始めなければいけない。インターンシップもある。そうこうしているうちに卒業論文の準備も始まる。今更アルバイトの誘いなんて、二つ返事でお断りだ。

普通のバイトだったらそうだった。

しかし、その時に誘われたアルバイトは自分にとってこれ以上ないものだった。それは、吉祥寺の東急デパートの一角にある「みちのく旬紀行 東北物産館」という、東北の品物をそろえているアンテナショップのようなお店だ。

もともとは吉祥寺のサンロード商店街に「東北物産館」という店があった。そちらには自分が参加している被災地訪問活動の一環で何度もお世話になっている。その東北物産館が同じく吉祥寺の東急デパートにも店を出すということらしい。

幸せな職場

僕が実際に仕事をするのはそのデパートの方だ。店長は秋田出身の方。娘さんと二人でお店を経営しているという。東北好きを自称してきたが、今まで秋田に触れたことはほとんどなかった。「これを機に秋田にも詳しくなれたらいいな」という軽い気持ちから、アルバイトの募集に応募することにした。

簡単な面接をしてもらい、即採用。一月に2回程度という頻度ではあるが、晴れて東北の品物に囲まれた職場で働けることになった。そこでは主に食品を扱っている。今まで知らなかった東北の美味しいものをたくさん知ることができる。

働き始めてからはますます東北のすばらしさを知ることができ、勤務時間中はあっという間に時間が過ぎていく。最近はこの東北の素晴らしさを他の人にも知ってもらいたいと思うようになった。

思い返して

大学卒業から2年近くが経過し、ふとアルバイトのことを思い出してこんな文を書いてみた。

調べてみると、僕が働いていたお店はもう無いようだ。確かにものすごく繁盛しているわけではなかった。

冷凍庫を導入してほやを売ったり、お酒を扱えるようになったりと、少しずつ大きくなっていくお店で働くのは楽しかった。

2年も経てば、色々なことが変わるのも当然か。

その職場で知り合った東北好きの同志に連絡を取ってみよう。


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