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一人の時間が好き。

一人暮らしを始めて10ヶ月。

一日の予定を誰に告げることもなく、気の向くままに毎日を過ごせることになんとも言えない開放感を感じて、ドキドキしていた去年の冬が懐かしい。

専業主婦の母を持ち、三人兄妹の末っ子に生まれた私は、賑やかな家族に囲まれて育った・・方だと思う。

毎日くだらない話を聞いて聞いてと喋り倒していた私が一人になんかなったら、心細くてやっていけないんじゃないか。

実家を出る前、母はそう心配していた。

ところが、10ヶ月経った今でもつくづく感じている。


一人が、好きだなぁ。


一人でいる時間が、好きだ。

夜の街を歩けば、風に乗ってきた季節の空気が、髪を揺らす。肌に染み込む。
遠くに見えるキラキラした都会のビル群は、今日も街が生きていることを証明している。

生きるための空間に時が流れる。世界を作り出すひとつひとつのパズルのピースが、自然治癒するように溶け合っていく。

その瞬間をじっくり感じていたい。

イヤホンから流れる音楽が今日と紐づき、時と記憶の下流へと流れていく。

何の変哲も無い毎日を過ごしてるというのに、過去を思い出せる曲がやけに当時をエモく描くのは何故なんだろう。

自分好みの音楽に出会ったときの多幸感が記憶に染み付いてるとかかな。

あ、でも、濃い出来事があったとき聴いてた曲の方が、ウワァアアアてなるな。

結局、変哲ない毎日でも、何かしらの喜怒哀楽を感じて日々過ごしてるから
過去はいつでもエモいんだ。。

話が逸れてきた。

一人が好きな話をしてたんだった。

大学4年生の時、平野啓一郎さんの分人主義の考え方を知って、
誰かを前にして初めてその人の前の自分を生きる感覚、わかるな〜〜って思って。

あまりに考えさせられる内容だったから、演劇ゼミの卒制のテーマにしちゃったんだけど笑

(結局100パーセント同意ではないって結論になったんだけど)

一人のときの自分が楽で好きな感覚は、何なんだろう。

誰かを前にしたときに、無意識に調整される私って
粘土に指を押し込めるみたいにして形作られる感じがするのかな。


形作られる自分も、おっ!この形はいいじゃん。ってなったりするから
人と会うのも好きなんだけどな。


ん、何を言いたいのか分からなくなってきたぞ。


ま、結局、こうやってどうでもいいこと考えたりする時間が好きだから、
集中して世界と向き合える一人の時間が好きなんだ〜〜。


あ、でも、ある人に、
「内側の世界が広すぎる。もう少し内側を小さくして外側の世界を広げなさい!」
て怒られたんだった。

大人になるっていうのは、自分の中の世界がちっちゃくなって
社会とか、外の世界に興味を向けて、関わりを持っていくことだって。


うっ。ぐさっときたよね。


こうやって黙々と自分とか人間とか、感覚とかのことを考えてる間に、
世界は、社会は、人と人が関わりを持ってどんどん変わっていってるのに。

私ときたら。。25歳だぞ。おいおいおい。


一人が好きだわ。うふふとか言ってる場合じゃないぞ。


は〜。

大人になりたいなぁ。


一人が好きなのって、大人っぽい感じしていいかもとか思ってたけど。


私の場合は、子どもの感覚をずっと持ってたいからなのかも。


うわ!なんてこったい!


25歳!大人になる!とか言ってたのに、真逆な方向へ進んでるじゃないか。


こうなったら、もっと人とあって、自分のことなんか考えるより、
世の中のこと、社会のことを考えて動ける人間になってやるぞ。


明日から私、変わります。

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