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文章を読む事とラジオを聴く事は同じ感性を使っていたのかも知れない



今年(2024年)の3月に、心斎橋大学で、「いしいしんじ先生」の特別講座を受講することができた。

私は熱心な読書家ではないので、実は存じ上げなかったのですが、有名な作家さんの1人だったのですね。

スタートからお話がとても面白くて、私は夢中になってメモをとった。

特に、書き方のテクニックなどを教えてくれたわけではなかったが、

1番印象的だったのは、小説の書き始まりだった。

まずじっと待つ。
ただ、ひたすら待っている。

すると、急に「始まる」

「こう始まるのか」

まるで他人事のように、執筆がスタートする。

そして、その後の展開も何もわからず書き進めていくうちに、あ、そうなるのか、そういう展開か。

まるで、自分以外の何かに書かされているみたいに。

私にとってそれは、とても勇気づけられたのだ。

私も、何かを作り出す時、無計画に始める傾向がある。

最初に計画を立てて進めていくのがとても苦手なのだ。

小説と料理は一緒にして欲しくないだろうが、私は料理の作り出しに完成形が決まっていないことが多い。

例えば、野菜室になすと玉ねぎがあったとしたら、メニューを考える前に、まずは切り始める。切り方はその時の気分によるというか、手が勝手に動くのだ。

切っていくうちに、あ、味噌で味付けしようかな。そしたら、ひき肉があったらおいしくなりそう。

そして、冷蔵庫の中を見て、お肉があれば細かくミンチにしたり、

もしなかったら、ツナ缶を探したりする。

そして、そのまま味噌炒めになる時もあれば、

肉もツナもなく、ソーセージしかなかった時は、塩コショウとカレー粉をかけてしまう時もある。

あれ?そうなった?

とにかく、計画的に物事を進めるのが苦手なのだ。

最初にゴールが決まっていない書き方をしてもいいんだって、なんだか背中を押してもった気持ちになって嬉しくなった。

そして、早速、先生の著書「書こうとしない『かく』教室」をAmazonで購入して、読んでみた。

内容は他の方の書評に任せるとして、今回は、私が感じたこと(私が書くためのヒント)をメモしたことを書き留めておこうと思う。

P45に貼ったメモ
「書くのが仕事ではなく、いつも書いている人。『かゆみ』の中にいる。自分の世の中の境がかゆい。
じゃあ、私はなんで書いている?
人に知ってほしい、伝えたい、本当に伝えたいことを隠したまま生きてきてしまった」


P50に貼ったメモ
「自分の奥の芯を書いた4歳半。書きました。
5歳くらいから受けを狙って書き始めた。面白いでしょ。では自分を満たせなかった。
じゃあ、私は?
小学生くらいまで戻って書けるといい。会話形式でエッセイを書く」



P138に貼ったメモ
「10歳の気持ちで56歳のボキャブラリーで書く。私の体験している不思議な話も書いていいんだ。
デジャブ、直観、シンクロ、時々見えちゃう話も。読み手としても面白いかも知れない。
余韻、波動の震え」


P208に貼ったメモ
「隙間の気配
ことばのあいだにふにゅふにゅした、伸び縮みするみたいなものがある。
はし すべって おちた
トゥットゥットゥットゥッ
書かれている表面からにじんでくるもの、にじんでくるものを嗅ぎつける
思い出しているとコツンとぶつかる」


P210に貼ったメモ
「言葉の奥に思い出や経験がある。
それをひろいに行って、言葉として表現できるようになる。
もしかして、ラジオはここの部分を感じることができて楽しいのかもしれない」


P216に貼ったメモ
「見えないもの、聞こえないものの先を探って。
絵、音楽、文、ラジオ
自分の奥底にいろんな宝物が隠されていることを知る。
これを表に出してあげる。これが人生で1番大切なことなのでは??」





私は、本を読むのも好きだが、ラジオを聴くのも好きだ。

特にAMラジオに好きな番組が集中していて、週に10〜15本くらいのラジオを聴く。

台本のないパーソナリティの会話や、リスナーからのメッセージが特に好きで、ラジオを聴いている時は、かなり集中して聴いている。

同じ放送を2〜3回繰り返して聴くことも珍しくない。

私はなんでこんなに聴き込むのかなぁ?どこに魅力を感じているのか自分でもよくわかっていなかったが、

この本にヒントがあった。

「言葉の奥に思い出や経験がある」
「見えないものや聞こえないものの先」

この2つが感じ取れる時に感動しているのだと思う。

だから、好きになるパーソナリティは、ホスピタリティというか人間力がある人が多い。

そして、一度好きになると、どんなスキャンダルがあっても嫌いになることはない。
その人のパーソナルな部分を好きになったのだから、表立って何かマイナスな事が起こっても、ずっとファンでい続けられるのだ。

そんなラジオの文化が大好きなのだ。


いしい先生は、文のなかの行間がとても大切だとおっしゃっている。


文章を読むことと、ラジオを聴くことって同じ感性を使っていたのかもしれない。


私も、言葉に経験や思い出を乗せて、見えないものや聞こえないものの先が表現できる。
そんな書き手になりたいものだ。



❤︎LOVE&MIND&SOUL&MUSIC♬

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