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パンデミックの「やめ方」

パンデミックの終わりを祝福するかのように、今年は大好きなホワイトアスパラとイチゴがわたし史上最高に美味しいです。写真の分量の太いアスパラが2キロで8€。価格の上でもわたしがドイツに来てからの最安値です。

パンデミックにウクライナと大きな事件が続く中、たとえば、今まで5€だったサンドイッチが7€、2.5€だったバターが3€といった具合にすべての物の値段が2~4割くらいは上がっていますが、これは嬉しいことです。

ホワイトアスパラは日本で言うとタケノコのような、春から初夏にかけての風物詩。ドイツではこの時期、イチゴを模した「赤い箱」のような姿をしたお店が街中のあらゆるところに出現し、イチゴと一緒に売られます。

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もちろん、市場もスーパーもイチゴとアスパラでいっぱいです。なのに、6月に入るころには街からすーっとなくなり、代わりに夏の気配が忍び込んでくると、みんなバカンスの準備でそわそわしだします。

さて、日本でもやっと「屋外のマスク不要」との見解が国の専門家から出されたり、6月から水際対策が緩和されて、ワクチン接種が終わっている人は隔離も検査もいらなくなったりと、コロナに関する制限解除の動きが見え始めましたが、ヨーロッパでは急激に日常が戻りつつあります。

欧州では屋内でもマスク無しに

4月29日、ハンブルク市もパンデミックが「新段階」に入ったことを宣言しました。「ワクチンもしくは感染からの回復により、ほとんどの人が重症化を免れる状況ができた」というもので、医療介護施設と公共交通機関以外のすべての「屋内」でもマスク着用の義務がなくなりました。またコロナ陽性になった場合でも隔離が必要なのは5日間だけで、「できるだけ陰性を確認指定から隔離解除してください」という実に緩やかな扱いに変わりました。

入店や会計の時にだけ申し訳のようにしていた飲食店でのマスクや、大声で話してるわけでもないスーパーやデパートでのマスク義務がなくなったことも嬉しいですが、やはり一番大きいのは学校や保育所でのマスク義務の解除でしょう。

マスクのため口元や表情が分からないと子どもの言葉や情緒の発達に支障が出るとか、夏場の熱中症がどうのという話はパンデミックの始まった2020年からわたしを含むたくさんの医師や専門家がしていたはずですが、今頃になって国の専門家がやっと「2歳以上でかつ就学前の子供に限ってマスクの着用を一律に求めないとする方針を”検討している”」といった報道を見ると、ため息が出てきてしまいます。

籠の中の鳥が大空に飛び立つには

最近わたしが強く思うのは、パンデミックは終わるのではなく、終わらせるものだということです。

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