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看護学生の100人中5人しか子宮頸がんワクチンを打っていなかった日

東京のある大学の看護学科の学生さんの健康診断に行った。新入りの1年生から間もなく看護師になる4年生までほぼ全員が子宮頸がんワクチンの接種勧奨がとまっていた年代の学生さんたちだ。

別に頼まれたわけでもないけれど、ついでなので女子学生全員に子宮頸がんワクチンを打っているかどうか確認してみることにした。

コロナワクチンの接種率はほぼ100%だったのに

とはいえ、診察が終わっていきなり「子宮頸がんワクチンを打っていますか?」というのも訊くのも唐突なので、まずは「コロナのワクチン、打っていますね?」と訊いてみることにした。

すると、大抵は「打っています」「2回は打ってます」「3回目はまだです」と言った感じで、さすが看護学生だけあって、1回も打っていないという女性は100人以上診て1人だけだった。

続いて、「子宮頸がんワクチンを打っていますか?」と尋ねてみた。すると、大抵の人はびっくりしたように「え?」とか「それ何?」と言った感じで聞き返してくる。

「HPVワクチンとも言うんですが、聞いたことないですか?子宮の入り口にできるがんを防ぐワクチンなんだけど…」

結局、子宮頸がんワクチンを打ったという人は100人中5人だけだった。つまり、看護学生のほとんどが子宮頸がんワクチンを無料で接種する権利があったのに、接種していなかったことになる。

界隈は勧奨再開で「目標達成」と言ったムードだ。でも、看護学生ですらほとんどが子宮頸がんワクチンの存在自体を知らない。これが現実だ。

「今月から政府が定期接種で打ちそびれた若い女性が無料で接種できるようにするキャンペーンを始めたので今のうちに打って下さいね」というと、その話ならニュースで見たという子は10人くらいいた。

子宮頸がんワクチンと聞いてポカンとしたままの子も説明をすると、「!!!がんを防ぐワクチンがあるんですか?打ちます!」といった具合で、副反応がどうのと言い出す子は1人もいなかった。

とどめに「ワクチンの種類にもよるけど、自費で後から打とうとすると5万円から10万円くらいかかるからね」というと、「え~、高っ!すぐ打ちます」と食いついてきた。

そして、「どこで打てるんですか?」とか「どうやったら打てるんですか?」と聞いてきた。

無料接種はどこで打てるの?どうやったら打てるの?

さて、問題は定期接種にしろキャッチアップ接種にしろ、どこ打てるか、どうやったら打てるのかだ。

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