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ウイーンの学校前で連日配られている反ワクチンビラのファクトチェック

子どもへの接種については国によって判断や対応が割れている新型コロナワクチン。オーストリアでは、早くから全学校の全生徒徒と全教職員に定期的に抗原検査を実施するなど、子どもたちをコロナから守るための対策がかなり積極的に行われてきました。ワクチンも日本と同様12歳以上に接種が認められており、集団免疫の獲得を目指してこの年代の子どもへの接種も進められています。

ところが、首都ウイーンの学校では先週、反ワクチン団体が連日学校の前に立って反ワクチンビラを配り、「子どもの権利」を守るために保護者に接種同意書へのサインしないよう求める抗議活動が始まりました。

オーストリアは数年前のロンドン大学の反ワクチン度調査で日本と並んで最も反ワクチン度の高い先進国に選ばれました。

事実を含むが前提や文脈は省略、医師も賛同

ビラの特徴は、①事実が含まれているものの前提や文脈は無視して都合の良い部分だけを切り取って用いていること、②その主張を支持する医師がいることで、日本と同じ、まさにフェイクニュースの典型となっています。

子どもたちへの新型コロナワクチンのリスク・ベネフィットの評価はこれまでもさまざまな形で行われ、かつ公開されてきました。わたしのnoteでも、子どもの新型コロナワクチンのリスクとベネフィットについての信頼性あるデータを紹介し、リスク・ベネフィットどちらのデータについても透明性を担保した上で、接種の判断をどう行ったらよいかについて考えてきました。

今日はウィーン学校で配られているというビラの原本を入手したので、このビラとオーストリアのある団体が同ビラについて行ったファクトチェックの内容を紹介したいと思います。

ビラを配布している団体について


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