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日本の9価子宮頸がんワクチンの値段もせめて他の先進諸国並みにして欲しい

子宮頸がんワクチンの値段の話をする人は医者でもあまりいません。また日本が世界一、海外メーカーのワクチンを高く買わされていることを話す医者も知りません。しかし、ワクチンの値段はワクチンを普及させるうえで非常に重要な問題です。日本でも先日、世界標準の9価の子宮頸がんワクチンがやっと承認されましたが、まだ値段が決まっていません。そして、その値段は今ならまだフェアなものにできます。

7月21日、小6から高1の女子で定期接種の対象となっている子宮頸がん(HPV)ワクチンの改良版、9価子宮頸がんワクチンが承認されました。

子宮頸がんは性行為を通じてヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起きるがんです。HPVには100種類以上の型がありますが、がん化しやすいのはそのうち数種類。ワクチンに含まれている型の数によって、4種類を防ぐものであれば「4価ワクチン」、9種類を防ぐものであれば「9価ワクチン」といった風に表現します。

これまで使われてきた2価や4価のワクチンでは、日本で起きている全子宮頸がんの6割程度しか防ぐ効果しか期待できませんでしたが、今回承認された世界標準の9価ワクチンを使えば、日本で起きているほぼすべての子宮頸がんを防ぐ効果が期待されます。

それにしても、気になるのは値段です。

日本における9価ワクチンの値段はまだ決まっていません。いくら承認されたと言っても、まずは薬の値段が決まり、その値段でワクチンを医療機関や自治体が買い取るところからすべての話は始まるのです。

すでにお読みいただいている方もたくさんいると思いますが、日本での2価・4価ワクチンの値段、これまでは輸入ワクチンとして打っていた9価ワクチンの接種価格についてはこちらの記事をご覧ください。

2価・4価が一本15000円、9価が3万円!

あまりにも高くて驚かれた方もいるのではないでしょうか。他のワクチンに比べて、子宮頸がんワクチンの値段はけた違いに高いのです。

念のために書きますが、これは日本におけるワクチンの接種料金が高いからではなく、ワクチンの価格が高いからです。

「ワクチンを打つと医者が儲かる」という人がいますが、ワクチンを打つよりもワクチンを打たずにがんになった人を検査したり治療したりする方が、医者はずっと儲かります。

ところで、ワクチンの値段がどうやって決まっているかご存じですか。また、同じメーカーの同じワクチンでも、国によって値段が違うことについても。

今日は、日本におけるワクチンの値段の決まり方、海外各国における2価、4価および9価の子宮頸がんワクチンの具体的な価格(日本とのあまりの違いにこれもまた驚くと思います)について書きたいと思います。

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