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文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

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2021年5月の記事一覧

ドイツの森を食べる―中世、修道院で栽培していた痛風薬の「三つ葉」

ハンブルク郊外の森で「三つ葉(ミツバ)」を採った。お浸しにしたりお吸い物や茶わん蒸しに入れて食べたりする、あの三つ葉だ。 ドイツは今「ギョウジャニンニク(北海道では「アイヌネギ」)に似た山菜「ベアラオホ(ドイツ語で「熊ネギ」の意)」の季節だ。たぶん栽培したものだと思うが、最近、地元の市場でも出回りだしたので、あわよくばと探しながら歩いていたところ、身をかがめて何かを採っているアジア系の女性2人組がいた。期待に胸を膨らませ「何を採っているのですか?」と尋ねると、中国語の混じっ

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「新型コロナ武漢ウイルス研究所漏出説」は陰謀論か合理的な告発か?【解説編】

前回のnoteで翻訳を公開した、英国人科学ジャーナリスト、ジョン・ウェイド氏の長文記事「新型コロナウイルスの起源:武漢でパンドラの箱を開けたのはヒトなのか自然なのか?」。翻訳や原文を読まれた皆さんのご感想はいかがでしたでしょうか。 湧き上がっては消え、消えては湧き上がる、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所(WIV)への疑惑――。世界の科学者は遺伝子解析の結果などを根拠に研究所漏洩説を陰謀論として強く否定してきましたが、同記事はそれに対し真っ向からチャレンジする内容です。

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『原子力科学者会報』が掲載した「新型コロナ武漢ウイルス研究所漏出説」記事【抄訳編】

いま「原子力科学者会報(the Bulletin of the Atomic Scientists)」が掲載した、英国人ジャーナリストのニコラス・ウェイド氏の長文記事「新型コロナウイルスの起源:武漢でパンドラの箱を開けたのはヒトなのか自然なのか?(“The origin of COVID: Did people or nature open Pandora’s box at Wuhan?”)」が注目を集めています。 学術誌に科学者たちが発表したラボ漏洩説を否定する声明やレタ

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日本の子宮頸がんワクチン接種率はどこまで回復しているのか?

ゴールデンウィークの最中の5月1日、共同通信が「HPVワクチン、接種者が増加 低迷から一転20%近くに」と報じました。 全文を見てみましょう。 HPVワクチン、接種者が増加―低迷から一転20%近くに (2021/05/01 共同通信)  子宮頸がんを予防する「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」の接種者数が大幅に増えていることが厚生労働省の集計で1日までに分かった。2016年ごろには接種率が1%未満と低迷していたが、その後は増加傾向が続いていた。昨年10~12月は特

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枝をくわえたハトなんていないと思ってた

ピカソの描くハトはいつも枝をくわえている。そんなのはピカソが創造した平和や愛の象徴で、本当のハトが枝をくわえることなんてないと思っていた。 でも近ごろ、ほんとうに枝をくわえたハトを見るようになった。 毎日午前中だけ、それもくり返し何度も。