50代日記

やはりゴルゴは強者だった。

我が家の近所のスーパ階ーの2階にちょっとした洋服屋さんがある。
そこに、狙った獲物を決して離さない店員さんがいる。
私はその女性をゴルゴと名付けている。
とにかく彼女にロックオンされると、決して逃れられないのだ。
彼女の名誉のために言うが、しつこいとか強引ということではない。
声のかけ方、タイミングが絶妙なのだ。
1度目は、ふと目に入ったオレンジのカーディガンを手にした途端、視覚にスーと入ってきて「うわぁ~お似合い。その色すごく似合ってますね!」
「このサイズ、最後の1点なんですよ。」と畳みかけてきた。
私は、よそいきなのか普段着なのかも分からないカーディガンという代物に5000円も払ってたまるか!と、「このすそのヒラヒラが、女らしすぎてちょっと…」と反論を試みたが、「これがいいんです!これがフェミニンなんですよ。」と言うではないか。実は、ここのところの私のテーマがフェミニンであることを何故知っているのか?50の半ばも超え、おばさんなのか
おっさんなのかも不明になった自分に課したテーマがフェミニンだったのだ。このフェミニンの一言にやられ、「じゃあ、買います!」の展開。
2度目は、急遽飛行機での出張が決まり、寒すぎず暑すぎず機内に持ち込んでも邪魔にならない、そんなジャケットを探している私に、ゴルゴは他のお客をスーとかわし私の前に現れた。「それ、最後の1点なんですよ」と言うではないか。なんなんだ、この店は。私が手にしたものは常に最後の1点なのか!しかも、前回も今回もなぜか20%割引き中で、「明日になったら売り切れてると思うんですよね」ときた。私は、とんでもなく負けず嫌いで
誰かに取られるかもしれない・・・というシチュエーションにとても燃えるのだ。負けてなるものか!とさして必要ないものも購入してしまう。ゆえに、購入である。
3回目は、全く洋服など1ミリも買う気がなかった。ただ、ブラブラしていただけなのだ。チラッとゴルゴの姿を発見したのだが、今日の私は違うのだ。絶対買わないモードであるから負ける気がしなかった。どうぞ、来るなら来てみなさい!くらいの余裕をかましていた。20%引きになっているあるスーツを眺めていた。なぜか20%引きのときになると、足を運んでいる。全くの偶然であるが、何かが私を呼んでいるのだろうか。やはり、ゴルゴは気が付けば横にさりげなく佇んでいる。まずは「いかがですか?試着でも?」と軽いジャブ。「いえいえ見てるだけですから」と余裕の微笑とともに返してみた。すると、「サイズを見てみましょうか?」とくるではないか!確かに20%引きなのでサイズがチラホラ抜けていた。上は〇号、下は〇号と違うサイズを要する私は、この難題を振ってみると、ちょうど私の言ったサイズが残り1点ずつとなって残っている。「最後の1点です」くそ~
ここにきて、それぞれが最後の1点などとなんの嫌がらせであろう。何とか抵抗しようと「でも、色が紺でちょっとありふれ過ぎかなぁ~」と最後の力を振り絞ると、「インナーの色を変えると華やかさが出ますよ」とまたちょうどよい加減の派手過ぎないイエローのインナーが登場する。これを着てみると、そこそこコジャレタ感じになるではないか!最後の一転からのコジャレタ感じ。まとめて買います。と言うまでには時間がかからなかった。






#元気をもらったあの食事

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