アートを教える時のポイント3点
教師を退職してから心のどこかで「地域教育に携わりたい」という気持ちがむくむく湧いてきて、今その理想が「美術教室のスタッフ」として一歩踏み出しつつあります。
改めて「アート」を教えるってめっちゃ楽しい!と久しぶりの机間指導にわくわくしたものです。(机間指導って先生っぽい言葉だな〜)
それと同時に指導する際に当時気をつけていたことを指導しながらぼんやりと思い出したので、ここに自戒も込めて言語化しました。
留意していただきたいのは、学校教育と違って「絵を描くことが好き」な子が集まっている点です。
学校教育で課題となるのは、美術が苦手な子に対して「どうせ美術できないし」という考えに陥らないためにどうアプローチしていくかという方法なのですが、今回はそのような子がいない前提での話を紹介します。
物事を指導するにあたってある程度共通することってあると思うので、デザインなどクリエイティブなものを添削している方へのヒントにもなるかもしれません!(そうであってほしいな〜)
アートを指導するにあたって大切にしていること3点
大前提に自分ではなく、あくまでも他人が書いている絵であるということを念頭に指導にあたることです。
「好き」を伸ばしてあげること
私たちは基本的に好きなことは「もっとうまくなりたい」と思っています。
一番やってはいけないことは否定することです。頭ごなしにこれは〜だからと言わないこと。
なぜなら子どもの柔軟で自由な感性を大人の凝り固まった観念で、萎縮させてしまうから。次第に自由に書けなくなり「つまらない」「嫌い」になってしまいます。
「これ、いいね」「どういう意図でこの形が出てきたの?」などの声掛けから始めてみましょう。対話をすることで相手の考えや思いを引き出すことができます。
「正解」を押し付けない。美術に正解などない。
本人が出してきた表現を汲み取ってあげて伸ばしてあげることがのびのびと育つコツです。
注意したいのは「こうでなけれないけない」と思わせてはいけません。
この表現でいいのかな?と不安に思う子どもにいわゆる『正解』を与えてしまうと、途端にもうアートは終わり『答え合わせ』が始まります。
そして相手の顔色をうかがうような子どもになっていくでしょう。
美術に正解はありません。逆に言えば全てが正解です。
Aの表現もいいし、Bの表現もあっていい。もしかしたらCを飛ばしてDの表現を突然する子もいるかもしれない。
本人の内側から溢れ出てきた表現が『正解』であり、それを認めてあげた上でより良い表現を提案できれば最高です。
テクニックだけに頼る指導ではいけない
テクニックだけ教えるのはアートとしては少しずつ外れていっていき、工芸の分野に近づいていきます。
もちろん工芸品も素敵な作品は多数ありますが、前提として「量産できるもの」であることがアートと異なる点だと考えています。
アートはもう少し感情的な部分が入ってきていい、と私は捉えています。
しかし「言っていることと反対じゃん」と思われてしまいますが、大部分はこのテクニックを教えることになります。
絵を描く初心者は思い描く表現がしたいけれど、それを実現できる表現の「引き出し」をもっていないことが悩みです。
やってみたい表現を適切にヒアリングして、解決策をいくつか提案できればベスト。
その中から本人に適した表現を選んでもらい、表現するためのテクニックを教えることで、子どもたちの表現の「引き出し」を増やすことができます。
まとめ
今回はアートを教える時に大切にしていること3点をご紹介しました。
「好き」を伸ばしてあげること
「正解」を押し付けない。美術に正解などない。
テクニックだけに頼る指導ではいけない
教えていると必ずどこかで自分のやり方を教えることと混同しがち、ということを念頭においておきましょう。
個人的には「クリエイティブが好き!」と思ってくれるファンを増やす宣教師の気持ちで接することが大切かなと思っています。笑
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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