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ポール・ラッシュ博士記念奨学金の授与式を開催しました!

11月17日(金)、池袋キャンパス ライフスナイダー館 1階レセプションルームにて、「2023年度 ポール・ラッシュ博士記念奨学金 授与式」を実施いたしました。今年度は、2件の活動計画が採用となっています。

当日は、公益財団法人キープ協会の方々、本学総長および選考委員会の方々にご臨席いただき、奨学金受給者への講評・祝辞、目録授与等が行われました。


採用された計画とその紹介

下記の通り、本学学生による2件の計画が採用されました。授与式では、受給者本人から各計画についての説明・紹介がありました。

計画名:フィリピンの支援が必要な地域に住む方々の歯の健康を守るボランティア

受給者:依田 はるな(法学部 法学科 1年) 
採用額:220,000円

この度は、私の活動計画を採用していただきありがとうございます。
私はフィリピンのマニラ近郊にて、スラム地域に住む子どもや働くことができない高齢者の方々に対して歯の治療を行うボランティア活動を計画しています。また、かつて参加した経験からこの活動の認知度が低いことを実感しているため、帰国後にはポスターを作成し、ボランティアセンターに掲示してもらったり、物資投函ボックスを設置したりして広報していく予定です。

これらは前回の参加時の気づきを活かした取り組みですが、今回の活動でも新たな課題を見つけて次年度の取り組みへと繋げられるように頑張っていきたいと思います。

自身の活動計画を紹介する依田さん

計画名:[RSL-地域共生]『SOCIAL&PUBLIC』1・2期生による子ども食堂の開催~東京大学主催チャレンジオープンガバナンス2022総合賞受賞から実践へ。「DO YOUR BEST AND IT MUST BE FIRST CLASS」の精神を受け継ぐために~

受給者:塩澤 京佳(文学部 文学科 日本文学専修 2年) 、他26名
採用額:420,000円

今回、この会に採用者として出席できることを光栄に思います。そして、今回の応募に際して親身に寄り添ってくださったボランティアセンターの方々に感謝を申し上げたいです。本計画には多くの方々の思いが詰まっているため、採用していただけて本当に良かったと安堵しています。

RSL(立教サービスラーニングセンター)の授業では、座学だけでなく体験も交えながら学びます。私たちは4回の事前学習と熊谷市での4泊5日の合宿、1回の事後学習を通して、農的な暮らしの豊かさを学びました。
今回の計画内容である子ども食堂の開催は、2022年度に同科目を受講した1期生から始まったもので、今年度受講した私たち2期生がそれを受け継ぎ、実現を目指しているところです。
多くの方々に携わっていただいているため、具体的な形にしていくことに苦労しましたが、今このように評価していただき、やりがいを感じているところです。
2月7〜9日にかけて計画している熊谷市肥塚地区での子ども食堂の開催については、一人でも多くの子どもたちに参加してもらえるよう努力したいと思います。ただチラシを配るだけではなく、周辺の学校を回って開催をアピールするなど、他のメンバーと検討を重ねながら宣伝方法を工夫していきたいと考えています。

またこの活動は、学生にとって与えられる側から与える側への転換点であると捉えています。熊谷での合宿では、多くの方に支えられ過ごしました。今度は私たちが、熊谷で採れた野菜を調理し、子どもたちにエールを送ることができれば嬉しいです。

自身の活動計画を紹介する塩澤さん

活動計画の内容と計画への講評

講評を伝える中川選考委員長

中川英樹チャプレン(選考委員長/ボランティアセンター長)より

依田さんの活動計画について

依田さんは、「フィリピンの支援が必要な方々への歯の健康を守るボランティア」を計画しており、NGO団体「ハローアルソン・フィリピン医療を支える会」が行うフィリピンのマニラ近郊スラムでの無償の歯科治療と生活物資の支援活動に参加しながら、子どもたちに向けて歯の大切さを説いた紙芝居を用意し、啓発と交流を図ることを予定しています。この紙芝居は、現地の言葉で作成されます。
また帰国後に、学内において活動内容についてまとめたポスター等の掲示をしたり、支援物資の投函ボックスを設置したりし、フィリピンの健康状況などの現状についての発信と賛同者を増やすことも今回の計画に含まれています。

選考委員会では、依田さんのこれらの計画が、他者を一番に想い共に生きていく、ポール・ラッシュ博士の生き方に通じるものとして高く評価し、採用を決定しました。

塩澤さん、他26名の活動計画について

塩澤さんを含めた27名は、立教サービスラーニングセンター(以下、RSL)の主催科目である「RSL-地域共生」を受講した1・2期生のチーム「SOCIAL&PUBLIC」のメンバーです。同チームの学生たちは、科目履修時に熊谷市での宿泊実習を経験し、地域に暮らす子どもたちの生活環境や食に関する状況を知ることで、熊谷市の全小学校区での子ども食堂の開催の必要性を強く感じるようになりました。今回の計画は、東京大学が主催する「チャレンジ・オープン・ガバナンス2022」において総合賞を受賞した提案の具体的な実践であります。

選考委員会では、この活動が今後さらに発展し、熊谷の地域において子どもたちの食を支える「大きな支援のネットワーク」を構築していくことを期待して、採用を決定しました。

奨学金授与・祝辞

公益財団法人キープ協会より

祝辞を述べる元田理事長

「公益財団法人キープ協会」の元田 充隆理事長からは、目録が授与されました。
また、今回の2つの計画に対し、「どちらも目的や手順、何をするのか、どのような成果を目指すのかなど、非常によくまとまっていた。それらが単なる思いつきではなく、今までの体験・経験に基づいたものであること、そしてそれをさらに一歩進めようとした取り組みであることがよく分かる大変良い計画だった」評価していただき、「ポール・ラッシュの思いが学生たちに伝わっていること、それを活かす形でこの奨学金が活用されることを大変嬉しく思う」というお言葉をいただきました。

左から、依田さん、塩澤さん、元田理事長

西原廉太総長より

祝辞を述べる西原総長

まずはキープ協会の温かいご配慮・ご支援への感謝が伝えられました。その後、2名の学生に対して、以下のように祝辞が述べられました。

立教大学には様々な奨学金があるが、本奨学金が最も立教大学の建学の精神にふさわしいものの一つだと思っている。「世界、社会、隣人のためにはたらく者たちを丁寧に育て、世の中に送り出していきたい」という立教大学の願い、その建学の精神はまさに本奨学金と深くつながる。

依田さんの国を超えた国際的な活動は、まさに本奨学金にふさわしい。また、塩澤さんを含めた27名の計画はRSL科目から生まれたものであるが、RSLは私が教学担当の副総長として尽力し設置したプログラムであるため、特に注目している。授業が授業で終わるのではなく、受講生がこのような形でボランティアを始めとする実際の活動につながることを願っていたため、今回の計画はまさに一つの理想形である。
ぜひお二方の活躍、この2つの取り組みを、全立教生にも共有・還元していただけるように期待したい。

今後の予定

これから、各活動計画の実践が始まっていきます。
また、本奨学金の副賞としてキープ協会・清泉寮への表敬訪問が行われる予定です。その際に、キープ協会関係者への活動報告およびポール・ラッシュ記念館の見学など、交流の機会を予定しています。

3月にはボランティアセンター主催の「立教生ボランティア活動報告会」にて、各計画の活動報告を実施予定ですので、関心のある方や次年度の募集に出願したい方はぜひご参加ください。

受給者の2人