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二葉鮨@永田町 久保山裕さん(平26経)

永田町駅からほど近く、官公庁施設が立ち並び、日本の中枢ともいえるエリアに店を構える「二葉鮨」。地下に降りて暖簾をくぐる。まるで非日常の入り口のよう。久保山裕さん(平26経)は、銀座の本家も含めて江戸時代から代々続く、歴史あるお店をお父様とともに守っている。普段は取材を受けていないとのことだが、立教大学校友会の取材ということで今回は特別にOKを頂き、お話を伺った。

―サークル活動に力を入れた大学生活

 久保山さんは大学時代に2つのサークルに所属していたそう。大学公認テニスサークルのローランギャロと、友人と新たに立ち上げたサークルだ。小学校の頃から始めたというテニス。山中湖で行われた7泊8日の夏合宿は大学生活の中で特に印象に残っているという。「それだけ人といる時間ってなかなかないので(笑)」と楽しそうに語っていた。新たに立ち上げたサークルには、文化祭での出店、旅行など、たくさんの思い出が詰まっている。サークルの友人とは今でも会っているそうで、一番の思い出、財産だそう。小学校から立教に通う久保山さんは大学に進学し、人間関係が大きく広がった。大学時代の人脈は今に活きているという。

―昔ながらの寿司屋の形

 お店は本家も合わせて創業150年以上にのぼるという。「二葉鮨は銀座に本家があって、祖母の実家なんです。本家は江戸時代から繋がっていて、僕は血筋でいうと六代目くらいになります。最近の流行りの寿司屋はコースで値段も高いところが多いと思うんですけど、うちはお客さんが食べたいものを好きなだけ食べてもらう古典的な寿司屋の形を守っているかな。」と久保山さん。お店は屋台から始まったそうで、寿司ネタの調理も代々受け継いだ方法で行っている。

―お店を継ぐこと

 代々受け継がれてきたお店を継ぐことについてどのように考えていたのだろうか。「継ぐんだろうなとは何となく思っていました。大学入学までは絶対にとは思っていなかったし、継いでほしいとも言われなかったんですけどね。」生まれた時から寿司屋という環境の中で育ち、幼い頃からお客さんに可愛がってもらったそう。中学生の頃からお店の手伝いもしていたそうで、「お客さんたちの行き場所をなくしてしまいたくないなと、裏切れないなというのが継いだ理由としては一番ですかね。」と久保山さん。お店を継ぐことは自然な流れだった。

―大切な常連さんの存在

 「二葉鮨」を訪れるお客さんの多くは常連の方だそうで、大体の好みは頭の中に入っているという。祖父の代から来店してくれているお客さんも多い。お店だけでなく、来てくれるお客さんも代々繋がっていくものであり、大事にしたいという久保山さん。お店のPR活動を行わないのも常連さんを大切にしたいという思いからである。PR活動を行って一時的に多くのお客さんを集めるのではなく、常連さんが寿司を楽しむ場所を守り続けたいという。「僕がお店を継いだらお客さんが一番喜んでくれますからね。」「カウンターで直接お礼を言ってもらえたり、美味しいって言ってもらえたりするのは、この商売ならではかなと思います。」常連さんとの繋がりを大切にする姿勢がインタビューの各所で感じられた。

カウンターには旬の鮮魚がずらりと並ぶ

―学生へのメッセージ “好きを仕事に”

 お店に立つ中での苦労を聞いたところ、「ないですね。大変だとは思わないです。生活の一部になっていますね。」と答えた久保山さん。好きを仕事にしている感覚だという。「自分の代になっても変わらずお客さんを大事にやっていけたらなと思います。」と語ってくれた。「自分が楽しいって思える仕事をできるのが一番幸せだと思います。やっぱりやりたい仕事をやれるというのが一番ですね。」と、メッセージを頂いた。

店舗情報

二葉鮨
〒102-0093 東京都千代田区平河町2丁目5−7