『明日ちゃんのセーラー服』のアニメがすごく面白いという話

いや〜ヤバいね！

始まったね！

ついに始まっちゃったね！

連載開始当初から話題をかっさらい続けてきた、

あの国民的大人気マンガが満を辞してアニメ化ですよ！

『いま地球上で連載しているマンガの中で一番面白い』と山塚リキマルさんが太鼓判をツーバスで鳴らす、あのマンガが待望のアニメ化！

そうです！

『明日ちゃんのセーラー服』！

明日ちゃんかわいー！

木崎さんマジかわいー！

何もそこまでかわいいことないだろっていうぐらいかわいいね！

もうやめてくれ！

むしろやめてくれ！

これ以上かわいいことしないでくれ、狂ってしまう！

オレの理性がちょっとでも残ってるうちにとっとと消えるんだっ！

くそッ、もうっ、げ、限界だぁあああ〜〜〜〜〜！

すみません、ちょっと取り乱しますね！

ヤッホーイ！！（出刃包丁で自分の髪を切りつつ狂喜乱舞）

ワッショイワッショイ！！（大洋ホエールズのユニフォームを着て国会議事堂前で日本刀の素振り）

ソイヤッサ！！！　ソイヤッサ！！！　アーラエッサッサ！！！！（獅子舞の格好をしてハンググライダーに乗り太平洋横断を試みるが、地中海上空にて大鷲と衝突し墜落、なんとか一命はとりとめたものの落下の衝撃で全ての記憶を失いキプロス諸島で第二の人生を送ることになる。四十五歳のとき立ち上げたアップルパイ屋がまさかの大ヒット、フランチャイズ加盟店を全世界で六百店舗抱えるオーナーとなり、持ち株を全て売却してからはハンブルグで悠々自適のリタイヤ生活を送っていたが、旅行で行ったジャングルの奥地でゴリラに殴られて絶命）

ハアハア……いやすいません、あいすいません、取り乱しました。

いやオレ、この作品マジで好きなんですよ。

一巻が発売したときめちゃくちゃ品薄で全然買えなくて、しばらくあっちこっちの本屋回ったのすげえ覚えてるもん。もうオレがこの作品をどれだけ愛してるかっていうと、過去にこのnoteで架空のサントラを選曲したぐらい愛してますね。

『明日ちゃんのセーラー服って何？』と青っ洟垂らしながら首を傾げている方々はまず下記をお読みになってください。

で、ついに2022年1月よりアニメ放映開始ってことでね、ワクワクして観覧したワケなんですけども、本当にクオリティが高いですね。

『まぁ、普通にデキ良いだろうな。というかドラマツルギーの強度を考えるにそもそもデキが良くないと成立しないアニメだ。』と思ってはいましたけど、予想をやすやすと飛び越えてゆく圧倒的クオリティ。

山田尚子監督が『リズと青い鳥』で確立した感のある多層的な演出技法の援用、柔らかな光彩を湛えたウェルメイドな映像美、ギリギリ聴き流せるピアノアンサンブルの丁度良さ、もう全てがツボですね。脱帽です。いや、脱毛です。

監督、脚本、キャラクターデザインが女性というのも大変イマっぽい。いま美少女コンテンツのキャラクターデザインって6割以上女性らしいですね。

あと『明日ちゃんのセーラー服』の最大の魅力である、美少女たちのほんの一瞬の仕草の中の、微細な表情の変化や毛髪の揺れ方や指の角度なんかを異常なまでの視力ですくい上げて、圧倒的な筆力でモノにするっていうアレが完璧にアニメに落とし込まれてます。

ほら、宮崎駿のアニメとかでさ、女の子の所作がイキイキを通り越して生々しくなってる。みたいなシーンあるでしょ、アレは感動しながらもちょっと恐怖を感じたりもするんだけどさ、『明日ちゃん』のアニメはさ、80年代アイドル的清純さっていうか、いわゆる童貞ファンタジーみたいなもので希釈されてるからさ、全然怖くないんですよね。“うわぁ、最高じゃん”って思っちゃう。

80年代のアイドルオタクのアイドルの神聖視っぷりって凄くてさ、爆笑問題の田中さんなんか“小泉今日子がウンコするかしないか”で友達と殴り合いのケンカしたことがあるらしいですからね。

もちろん田中さんが“ウンコしない派”ですよ。

ちなみに田中さんは年1ペースでウンコ漏らすらしいですけどね、未だに。

散歩中にネコを追っかけてたら迷子になって、泣きながらウンコ漏らしたことあるらしいですから。伊集院光のラジオで言ってました。

“アイドルはウンコしない”っていうファンタジーがね、皮肉や諧謔ではなくフツーに支持されていた時代だったの、80年代は。

2010年代以降はアイマスとかラブライブ！とかが爆発的なヒットを飛ばしたんで、そういうファンタジーは二次元アイドルが担う領域になりましたけどね。BiSさんとか、リアルを尊ぶフィジカリティに溢れたアイドルが入れ違い様に台頭してきたのは決して偶然ではないと思いますよ。

しっかしまさかね、『明日ちゃんタイム』をそう処理するとは思わなかったね。『明日ちゃんタイム』っていうのはたった今オレが考えた造語なんですけど、『明日ちゃん』で多用される演出に、コマ割りやフキダシを排除して、真っ白な背景でキャラクターの動作をものすごいクローズアップして見せるっていうのがあんの。

こういうのですね。

時間にして数秒、下手したら一秒に満たないぐらいのわずかな瞬間をめちゃくちゃクローズアップするっていう演出です。

単行本で読むとね、時間感覚が伸縮する快楽性が感じられて大変面白いんですけども。

それにしてもめちゃくちゃ絵が上手いですね。本当に絵が上手い。

作者の博さん、明日ちゃんでハネる何年か前に『ゆめくり』ってマンガ描いてて、そのころは“絵が上手い人”って印象だったんですけど、いまは“神”ですね。シンプルに神。マジ神。江口寿史以降のネクストがついに出てきたという感じがありますけども。

で、まぁこの『明日ちゃん』タイムをどうアニメに落とし込むんだろうって思って観てたら、“おお！　なるほど！　なるほどなるほどなるほどですね〜！”っていう消化の仕方をしててね、オレはうなずきのあまり頚椎を損傷してしまってね、もう二度と走り回れない、テニスコートに戻ることは絶対に不可能だとお医者様にも言われていたんですけど、ウラウナ火山の頂上近い西側にごくぬるい鉱泉が湧いてて、これが魔法のように打ち身や骨折によくきくって謎の覆面レスラーが教えてくれたんでね、すぐさま出かけてってたらアラ不思議すっかり完治、今や野山をゴールデンレトリバーと駆け回りながら小沢健二を口ずさむ毎日を送ってますけどね。

まぁとにかく矢継ぎ早に絶賛を囃し立てましたけど、とにかく面白いです。オレの体感ではおそらく全人類の6割が観てます。

で、まぁあんまり面白すぎたんでね、こないだ同居人に見せたんですよ。

僕の同居人は美少女コンテンツ不感症というか、いわゆるオタクカルチャーがほっとんどダメという人で、『とある科学の超電磁砲』のアニメを見せると真っ赤になって黙り込んでしまうぐらい免疫がないんですが、『みんなコレ観てるよ』とか『芸能人とかもハマってるよ』とか、中学校で見せられる薬物乱用防止ビデオに出てくる売人みたいなこと言って観せたんですよ無理矢理。何が一番近いかといえばそうだな、ルドヴィコ療法ですよね。

で、まぁそういった強烈な体験が功を奏したのか、次の日、彼は体調を崩していました。

まぁとにかくそんな感じです。これは完全にオレが一人で考えたオリジナルのギャグなんですけど現場からは以上です。

最後に、アニメ化を祝して『明日ちゃんのセーラー服』の架空サントラ第三弾のプレイリストを貼って終わろうと思います。

それじゃ今からこのプレイリスト聴きながら明日ちゃん読みまーす。

でわでわ、また。