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理化学研究所 脳神経科学研究センターは 「心」の基盤としての「脳」を研究する日本の中核…

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理化学研究所 脳神経科学研究センターは 「心」の基盤としての「脳」を研究する日本の中核拠点です。 https://cbs.riken.jp/jp/ Twitter: @RIKEN_CBS

最近の記事

第四回 The Little Things That Mean So Much♪-1ミリの線虫から広がる世界 研究者・武石明佳

Podcast版もお楽しみください🎵 シンプルで透明、分かりやすい生き物「線虫」 竹内 武石さんは線虫を使って脳の研究されているんですよね。線虫って、そもそもどういう虫なんですか? 武石 なじみが薄くてなかなかイメージが湧きにくいですよね。私たちが研究で使用しているのは、細長いひも状の生物で、体長は1ミリぐらいと非常に小さく、バクテリアを食べて生きているC. elegans(シーエレガンス)と呼ばれる種類で、研究用モデル生物として確立されてきた虫です。線虫は自然界で非常に

    • 第三回 Till the End of Time♪-アルツハイマー病がない世界をつくる 研究者・西道隆臣

       Podcast版も是非お楽しみください🎵 アルツハイマー病を克服したい 竹内 西道さんは認知症、アルツハイマー病を研究していると聞きました。 西道 1997年に研究室を立ち上げ、20年以上アルツハイマー病をテーマに研究をしています。パンデミックとなってしまったコロナウィルスはもちろん大きな社会課題ですが、感染症は繰り返すことはあっても、長い目でみればだんだん減少していきますよね。認知症の場合は加齢・老化が最大の危険因子です。人はみな歳を取る。基本的には長く生きると全て

      • 第二回 My Favorite Things♪-脳の可能性を見いだし次世代の人間観をつくる -研究者・柴田和久

        Podcast版もお楽しみください🎵 意識と無意識の境界線 竹内 柴田さんは理研CBSで認知に関して研究していると聞きました。具体的にはどんな研究なんですか? 柴田 分野としてはヒトを対象にした認知神経科学です。ヒトが行動、思考、意思決定するときに脳がどのように情報処理しているのかを知りたい。特に潜在過程*1に興味があります。例えば新しいアイデアを思いつくとか、学習、思考、判断などを伴う高次的で意識的と思えるような脳の機能も、その前段階として無意識な過程、心理学の言葉で

        • 第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.3- 研究者・林(高木)朗子

          はじまりは、自分自身の暗い心 竹内 そもそも科学者を志したのはいつ頃ですか? 林 若いときは暗い闇キャラで、精神科医になってはみたけれど、科学の言葉で物事を語れるほど精神医学は発達してないということが分かって、ということは先ほどお話しました。一番のきっかけは、自分が主治医をしていた患者さんが自殺をされたことです。主治医といっても単独で担当するわけではなく、スーパーバイザーもいて教授診察もあるという典型的なチーム医療で、当時、できることはすべて行っていた。にもかかわらず、その

        第四回 The Little Things That Mean So Much♪-1ミリの線虫から広がる世界 研究者・武石明佳

        • 第三回 Till the End of Time♪-アルツハイマー病がない世界をつくる 研究者・西道隆臣

        • 第二回 My Favorite Things♪-脳の可能性を見いだし次世代の人間観をつくる -研究者・柴田和久

        • 第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.3- 研究者・林(高木)朗子

          第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.2- 研究者・林(高木)朗子

          脳の全階層を見ることで発見がある 竹内 脳を研究する際には、まず分子レベルがあって、それがもうちょっと大きくなっていくと細胞レベルですか。さらに大きいレベルもあるんですよね? 林 神経回路ですね。 竹内 脳には階層・レベルがあるんですね。それって同じ研究者がいろんなレベルを研究するのか、それとも分子的なメカニズムを研究している人、回路を研究している人とかレベルごとに分かれている、そういう感じなんですか? 大脳皮質の2/3層のニューロン(出典:多階層精神疾患研究チーム)

          第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.2- 研究者・林(高木)朗子

          第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.1- 研究者・林(高木)朗子

          Podcast版もお楽しみください。 元は精神科医、今は脳科学者 竹内 林さんの研究室のウェブサイトに「ガチで精神疾患解明に挑戦します」とありまして、ものすごい決意みたいなものを感じたのですが、まずは林さんは何を研究されているんですか? そしてその動機も聞きたい。 林 実は子どものころは、くよくよ悩んでばかりいる病みキャラ(闇キャラ)タイプで、この心のモヤモヤはどこから来るのだろうとずっと考えていたんです。そこから自然と心に興味を持ち精神科医となり、医者として真剣に臨床に

          第一回 Kind of Blue♪ - 憂うつの中から辿り着きし天職 vol.1- 研究者・林(高木)朗子