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物理好きがバドミントンをみる視点

こんにちは。リケジョです。学ぶ楽しさを伝えたいという気持ちから、日常をとある科目の視点から見たらおもろいのでは?と思いたち、短編ストーリーにしてみました。学んで世界が広がる感覚を楽しみながら、共有できたらうれしいです。

バドミントンは斜方投射

相手のラケットにシャトルが当たった。
初速度はいくつだろう。
角度が大きくて音も大きい、奥まで飛んできそうだ。
物体の運動は単純に考えれば、重力が同じ条件なら同じように変化する。
だから、シャトルの軌道は昨日も今日もほぼ変わらない。
予想通り物理法則に従い、打ち上げられたシャトルは放物線を描いて飛んできた。

僕は床に力を加えると、体育館の床が僕を押し返す力がはたらく。
作用反作用の原理を利用して、後ろへ下がった。

単純な斜方投射であれば、初速度と角度で落下位置は予想できる。
しかし、シャトルには空気抵抗がある。
だんだん速度が落ち、僕の頭の少し前で地面と垂直方向の速度が0になる。
そして、落下運動が始まる。
これもただの自由落下…ではなく、空気抵抗がある。
シャトル打つフォームに入り、目だけで相手をみると体勢が崩れているのが分かった。

落下速度を経験から予想して、タイミングを合わせてシャトルをラケットの真ん中に衝突させる。パンっと気持ちのよい音がした。
スマッシュ、つまり、鉛直投げ下し運動だ。V=-1/2gt^2+v0で初速度は大きい。相手のコートに向かい、空気抵抗により失速しながら落ちていく。

バドミントンは、固定面(コート)と物体(シャトル)が衝突した時点でポイントが入る。テニスと違って、跳ね返り係数、反発係数を考える必要はない。
コンっと衝突音がして、スマッシュが決まった。
思わず、小声でナイッショ とつぶやいた。

後ろから、ナイスショットーと声がした。
なんか発音よいなと思ったら、Eさんが見ていたようだった。

バイリンガールとclear shot

相手のラケットにシャトルが当たった。クリア 、英語だとclear shot だ。
音が大きい、遠くまで飛んでいきそうだ。
軌道的には、高く打ち上げる「ハイクリア」(high clear)かな。
clearってきれいにするとか明らかにするって認識が強いけど、撤退するっていう意味もある。ハイクリアは姿勢を整えるのによく使う守備の技だ。相手の姿勢はかなり厳しいから、まさに逃げてるよね相手の方w

そして、Pくんは後ろに下がった。
さすがfootwork軽いなあー。このfootworkは足さばきの意味ね。
行動が速い、いつでも来る人みたいな意味の「フットワークが軽い」は和製英語らしい。Pくんああ見えて、こっちの意味でもフットワークも軽かったりしてw

パンっと気持ちのよい音がした。スマッシュ、英語でもsmashで通じる。
smashは昔は強い打撃って意味で擬音語が起源だったらしい。
あたっても、スマッシュ!って音しないけどねーw
今だとsmashは敵などを粉砕、打ち破るを意味する。
まさに、決定打にふさわしい技名だと思う。
スマッシュが決まった。

思わず、小声でGood Shot!とつぶやいた。
バドミントンの応援ではよくナイスショットって使われている。

でも、私的にはgoodのがいい球で褒めてる感じがする。niceはとりあえず点が入ったり、結果がよいときに使うかな。
まいっか、Pくんには日本語の応援っぽく「ないすしょっとー」と声をかけた。


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