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リケジョと釜めしについて-釜めしに含まれる有機化合物に関する討論-[エッセイ]

こんな題名にしてしまったが、この前、リケジョ達で釜飯を食べたときに、理系トークをかましまくっていたのでお届けしたいと思う。完全なる趣味で書いた誇張エッセイである。気軽に読んでほしい。

この前、リケジョと旅行にいったとき、現れた道の駅が釜飯を推しまくっており、釜飯を食べることになった。原材料をみると、茶めし(コシヒカリ)・鶏肉・ごぼう・椎茸・筍・うずらの卵・杏子・紅生姜…※1と並んでいる。特に、杏(あんず)が入っているのが色味を引き立てて食欲をそそる。

すご!あんず入ってるよー!と思わず言った。
あんずといえはクエン酸、リンゴ酸よねーと友がつづける…
やだー!クエン酸回路やんwwとみんなで盛り上がる…生物履修者ならご存じかと思うが、クエン酸回路は代謝経路の1つだ。
生粋のリケジョである。
ちなみにこいつら(クエン酸、リンゴ酸)はアミノ酸ではなく、有機酸という。酸性の有機化合物の総称になる。酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸なんかもそうだ。

食べようとすると…
「お、チロシンついてる!」と友が言った。
んあ?何のことだ!?アミノ酸の研究しすぎて、遂に立体構造でも見えるようになったのか…
「筍といったらチロシンでしょ!」
あ、なるほど、筍の中に白く小さい粒がついているがそれのことを言っていたのだ。チロシンは、加熱によって溶け出し、冷めると白く固まる性質がある。それがタケノコについているのだ。さすがに裸眼で立体構造判別できたらやばい。

「お、じゃあアルギニンもあるよー」とごぼうをつまんでドヤ顔してやった。

アミノ酸はたんぱく質を構成する最小単位の物質だ。アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称といってもいい。なかでも、グルタミン酸はうま味を呈するアミノ酸の代表だ。

すると、友が「グアニル酸もあるよーと干ししいたけをつまんで言ってきた。
グアニル酸はうま味物質として知られる。煮干し、かつおに含まれるイノシン酸も有名だ。

おーすげー。有機酸、核酸、アミノ酸がそろったー。

そして、こんなことをしているうちに味わいたいはずなのに、、、釜めしが化学組織の集合にしか見えなくなってきた。。。。原材料もアミロペクチン(コシヒカリ)、鶏肉、アルギニン(ごぼう)、グアニル酸(椎茸)、チロシン(筍)・クエン酸、リンゴ酸(杏子)と有機酸やアミノ酸だらけに見えてくる。酸性有機化合物トークできゃきゃしているリケジョに食われる釜めしが気の毒に見える。

科学的にもおいしいって証明できるよね。幸せだわー。と誰かが言った。
確かに、この釜めしは酸性化合物を駆使してつくられた絶品の配合を研究した結果なのかもしれない。。。

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