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日本物理学会市民講演会「宇宙を探る地下実験とフィルム」イベントレポ(第1部)

日本物理学会市民講演会「宇宙を探る地下実験とフィルム」

第1部「地下から探る宇宙と素粒子 -ニュートリノと重力波-」梶田隆章先生(東京大学宇宙線研究所長)

講演内容
-ニュートリノって何?
-カミオカンデ
-スーパーカミオカンデ
-LIGOの結果
-KAGRA

*ニュートリノって何?

素粒子の一種。電子から、電荷と質量を抜いたような粒子。3種類ある。


Q. もしニュートリノがなかったら?

A. 太陽が燃えません。この宇宙に輝く星がなくなってしまいます。
(聴衆 おお〜)

Q. ニュートリノの質量は正確に分かっているのですか?

A. 正確には分かっていない。ニュートリノ振動でわかるのは、2つのニュートリノの質量の差だけ。

Q. 将来的には分かる?

A. (梶田先生個人の意見)ニュートリノの質量が一番早く分かるのは宇宙観測ではないか。

Q. 重力子を観測しようとしている実験はある?

A. 私が知る限り、そういう実験はないし、アイディアもないと思う。

Q. ニュートリノ振動で太陽の寿命はわかる?

A. あまり貢献できないと思う。過去に太陽ニュートリノの数が予想した数の1/3だったという結果があったが、それはニュートリノ振動によるものだとわかっている。

Q. 2つのブラックホールがくっついた時の重力波を観測できたということだったが、太陽の何倍もの質量のブラックホールがそんなに近くにできるものなの?

A. はじめは遠くにできたブラックホールが、何らかの理由で近づいたのだと思う。

Q. KAGRAで地震の対策はとられている?

A. 1.5kmのレーザー干渉計(世界最高精度の地震計)を併設し、地面の振動をモニターできるようにしてある。

【梶田先生のメッセージ】
ニュートリノの質量は標準理論を超える物理の鍵である。
若い人たちにはぜひ科学の研究に参加してもらいたい。または科学を応援してもらいたい。

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