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キャッチフレーズ。

昨日はあれだけ怒り狂ったわたしも、今日は気持ちを切り替えて、ワークショップを行なった。とある市の公民館から依頼された、『文章表現』の講座だ。果たして、要望に応えられたのかは若干疑問が残るが、小学生にはウケた。

参加したのは7人。まあ、地味なテーマだからね。それに、あんまり聞いたことがない講座だからね。文章表現、と言っているが、内容のほとんどは自己表現のワークショップだ。「なんじゃそりゃ?」と思うよね。そんなわけで、今回集まったのは7人だった。(人気の講座は20人の募集に50人以上の応募があるらしい。)

ワークショップの中で、『自分のキャッチフレーズ』を作る。当然ながら、自分のことをよく知らなければ、それは書けない。みんなに自分を掘り下げていくワークをやってもらいながら、どんな言葉が出て来るかなと楽しみにしていた。「ポイントは、みんなが『へえ!』と驚いたり、『なるほど!』と納得するような言葉を選ぶことだよ。」わたしの言葉に「うへえ。難しい」の声が上がった。「優等生にならなくていい。どんな言葉でもいいから、それを相手に印象づけるように使うんだよ。」そう言うと、「あ!」と言う顔をした女の子がいた。人は何かひらめくと、本当に電気がついたようにパッと顔が明るくなる。

そのキャッチフレーズを使って、自己紹介をしてもらった。「淡水魚が好きな〇〇です」「歌が聞こえて来ると踊ってしまう〇〇です」「ドッヂビーが大好きで、ピーマンが嫌いな〇〇です」「犬をもモフると幸せな気持ちになる〇〇です」と、小学生らしい内容だ。その中で一番印象に残ったのがこれ。「絵を描くのが好きで、いつも妹をどれいにしている〇〇です」
全員が「ど、どれい!?」とびっくりした。そして大爆笑だ。

説明を聞いたら、4年生の彼女は、お化けが大嫌い。怖い話を聞くと、夜はお風呂にもトイレにも一人で行けない。だから1年生の妹に「ほら、トイレ行くよ!」とか「こっちについて来て!」と、命令して、同伴してもらう。それは「奴隷」とはちょっとニュアンスが違うけれど、相手に有無を言わさず命令する自分を「支配者」のようだと言いたいのだ。それで、一番インパクトが強い言葉を選んだ。差別の意味合いが含まれているので、一般的に使える言葉ではないし、下手に使うと誤解が生じるが、この場に置いては、彼女が一番、勇気を持ってチャレンジしたと思う。

このワークショップは「考える」ことに重点を置いていて、「書く」ことは二番目の課題。「感じる」「考える」「想像する」が、書くことには大事な要素だから、そこをすっ飛ばして書こうとしても「何を書いていいかわからない」のだと思う。「想像」や「空想」、「妄想」がどれだけ楽しいか、知ってほしいのだ。

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