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つんでる

みなさああああああん!!今日の晩ごはん、なに食べますかあああ!??

献立を全く思いつかない。暑くて、眠くて、なんにも考えられない。わたしは「そうめん」でいい。いや、「お茶漬け」でもいい。なんならいっそ、食べなくてもいい。

ムスメは夏休み。オットはリモート勤務がちょうど終了。2人はソファでゴロゴロしながらTVerで新ドラマを見ている。わたしの場所からは画面が全く見えないので、音声だけ聴いて推察するに、あれは航空業界の東京ラブストーリー的なやつだな。

「結婚するなら整備士よ!」え、そうなの?と思う。ちょいちょい気になる台詞があるのだが、画面を見に立つのも面倒くさい。

イライラしてきた。君たちはいいよ、ご飯できたよって言われるまでゴロゴロしてればいいんだからさ。そう思った途端、わたしは思い出した。昨日読んだ本に書いてあった。
『イタリア人は思ったことを言う。好きとか嫌いとか、気にせず言う。言ったからって、嫌われたりしない』

よし、イタリア人ではないが、言ってやれ。
「鶏肉と豚バラ肉があるから、誰か何か作ってくださあああい」と叫んだら、オットがムスメに「お前なんか作れ」と言った。チッ。やっぱり日本人には無理か。すると予想外にムスメは「えー。やだ」と言った。するとまた、予想外にオットが立ち上がった。

「なんだ、豚バラ肉はこれだけしかないのか」と言って、ちょっと冷蔵庫を開けたり閉めたりしている。お。なんか作ってくれるの?

台所からオットが何かを切っている音がする。切れ味の悪そうな音だ。
じゃぎ、じゃぎ、じゃぎ…たん、たん、じゃぎ、たん、
な、何を切っているのだ?

何が出てくるかわからないのだが、言いたいことを言ったら、人が動いた。これはすごいぞ。ありがとうシノブさん。

この本、さらさら読めて面白い。

さて、わたしも重い腰を上げるとするか。

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