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比べてどうする

今日、友だちに会った。

「今日の天声人語にね…」と、話をしてくれた。その後、とあるお芝居の千秋楽パーティに参加した時の話を聞かせてくれた。
彼女は、知的で、行動的で、趣味も多様で、社交的。自分にないものを持っている人と会うのは楽しい。勉強にもなる。違う意見も、ちゃんと話してくれるし、わたしの意見も尊重してくれる。

徒然草の「よき友三つあり」には、『物くるる友、医師(くすし)、知恵ある友』とある。なんと、彼女は、物もくれる。医師でこそないのだが、知恵があり、随所で助けてくれる。これはよき友をかなりの範囲でカバーしているじゃないか。では、彼女にとって、わたしはよき友なのだろうか。なにか物をあげることもあるが、彼女ほど気の利いたものはあげていない。医師でもない。知恵?彼女に比べたら、ないに等しい。

比べてはダメなんだ。比べることに意味はないんだ。だって、会って、話して、笑って、じゃあまたね!と手を振る。「それだけで十分じゃないか。無駄に卑屈になることはない」と、きれいごとを言う自分がいる。

この「きれいごとを言う自分」がわたしを支えている。ダメな自分を認める力と、そこまでダメじゃない自分を呼び出す力だ。

そのことを気づかせてくれるのもまた、彼女なのだ。

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