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こんまりメソッド

フォローしている作家の方が、「こんまりいいよ」とnoteに書いていたので、寝たきりのわたしはネットでこんまり情報を漁った。

ものを触った時に「きゅん♡」とときめくかどうか、ポジティブな気持ちになれるかどうか、カテゴリ別に段階を踏んで、その感度を上げていくのだそうだ。

しかし、わたしは寝たり起きたりの生活で、その余力はない。だから、とりあえず、かねてより捨てたいと思っていたものを捨てた。

加湿器、プリンター、ホットカーペット、皿、である。

加湿器は娘が生まれた時にいただいたものだが、わが家には必要なかった。父にもらったプリンターは、もう使っていないから。ホットカーペットは、お隣さんが引っ越していく時に「ほとんど使っていないのですが、次の家は床暖房があるから、ホットカーペットは必要ないんです。もらってくれませんか」と、譲り受けた。どれも「使えるけれど、使わないもの」だ。なくても困らない。でも、捨てるとなると「まだ使えるし」と思うし、くださった方の顔がチラつく。

そこをこんまり先生はさらりと「プレゼントは相手に渡したところで役目は終わっている」と解決してくれる。

皿は自分で買ったものだ。若い陶芸家の作品で、1枚3000円した。3人家族だから3枚買った。捨てられないのは、「高かったから」だ。

その皿は、見た目は素敵だが、どうにも使い勝手が悪かった。専門用語はわからないが、乳白色でマットな仕上がり。「カレーが色移りしませんか?」と聞いたとき、その陶芸家とお店の店主が二人揃って「しません!」と首を横に振った。

カレーは、色移りした。使うごとにじんわりと黄色くなっていく。スプーンでこすった後が線になって残る。皿の底面は糸底はなくて、ゆるい球面になっているから、ハンバーグを箸で切ろうと力を入れたら、皿がカタン、と傾く。そういう小さなストレスが、いつもつきまとった。まだ使える。そして高かった。だけど、使うたびにネガティブな気持ちになる。これは自分の心を病ませているのではないか。

感謝をしてから捨てる、というのがこんまりメソッドだから、「ありがとう」と言って、一枚ずつ紙に包んで丁寧に捨てた。

なんとスッキリしたことよ。皿自体は、いい作品だったと思う。わたしのライフスタイルに合わなかっただけなのだ。そう思える自分も気分がいい。
病み上がったら、本気でお片づけをしようと思う。

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