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ラーメンよりうどん派過半数

福岡・博多といえばとんこつラーメンと思われがちだが、実はうどんの方が多く食べられている気がする。(自分調べ)
博多は、聖一国師というお坊さんによる「うどん伝来の地」とされているらしい。中国に仏教の勉強をしに行って、戻ってきた1200年代の半ばのこと。

福岡のうどんは麺が「やわい」。コシがないことで有名な伊勢うどんにもヒケを取らない柔らかさ。しかしコシのある麺でないとダメな派も多くて、讃岐系のうどん屋も多く、人気がある。

老舗の「かろのうろん」や「みやけうどん」は、本当に素朴な伝統の味。もちろん麺はやわくて、子どもの頃から親しんでいる懐かしい味だ。トッピングは、かき揚げや月見などバリエーションはあるけれど、個人的には丸天がスタンダードだ。ちなみに、海老天以外の「天ぷら」と呼ばれるものは、練りものである。「えび天」も、エビが一尾の姿揚げではなく、小エビがかき揚げ状の天かすの中にちらほら見える程度のものだ。(そうでないえび天うどんも、もちろんあるが)

近年、人気の一派として「豊前裏打会」がある。これは発祥が北九州市界隈なので、当然といえば当然だが、博多のうどん麺とは違う。半透明でツヤツヤしていて、ツルッとした喉越し、モチっとした歯ごたえ。うちの近所の店など、出汁もガブガブ飲んでしまいたくらいおいしい。特徴はどんぶりからはみ出すほどのごぼう天。これは練り物ではなく、薄切りのごぼうを揚げたもの。店内には地元タレントや全国で人気の歌手、お笑いタレントなど、色紙がたくさん貼ってある。味はもちろんだが、メディアの効果もあってか、こんな場所なのにね、というところにあるのに、毎日お昼時や夕飯時には行列ができる。

若い頃、二日酔いで頭がガンガンする日は、うどん屋で出汁をすすって、水分と塩分を摂取した。会社近くのうどん屋には、卵とじうどんというメニューがあって、出汁をとじた卵がふわふわで、これが荒れた胃にも優しく、好んで食べていた。

うどんチェーン店もあり、最近では「丸亀製麺」や「資さん」なども人気があるが、昔から人気なのは「うどんウエスト」と「牧のうどん」だ。

どちらもメニューのバリエーションが豊富だが、ウエストは季節ごとに新メニューやシーズンメニューがあって、ちっとも飽きない。牧のうどんは、食べても食べても麺が減らない量の多さが特徴。麺がどんどん出汁を吸って、みるみる増えていく(のびるのではなく、膨張する)のだ。やかんに入った出汁が用意され、食べる人は自由に出汁をプラスできる。

ああ。またうどんが食べたくなってきた。おいしいラーメンでも、毎日食べたいと思わないが、うどんは毎日食べてもいい。


*追加情報・うどんウエスト 村田英雄が歌うCMソング

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