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バスクチーズケーキふたたび

このへしゃげたこげ茶色の塊から、ふんわりと鼻腔をくすぐるミルキーな香りが。ふっくらふんわりとうまそうに焼けたバスクチーズケーキが、翌朝にはこんな感じ。これをまた、冷蔵庫で冷やしてから切る。断面が乳白色で、てっぺんのこげ茶色とのコントラストが食欲をそそる。

数日前に一度焼いてみたバスクチーズケーキが家族に大好評で、あっという間になくなった。気を良くして、今日も焼いてみた。学校から帰ったムスメが玄関を開けるなり「チーズケーキの匂いだ!!」と大騒ぎ。そうか、わかるか、ムスメよ。しかし、残念ながら、これは君の口には入らない。

明日、お米が届く。去年、米農家をやっている友人に頼まれてコピーを書いた。お金がないので現物支給でいいかと聞かれて、いいよと返事をしたら、お米が届くことになった。ところが、彼女の作るお米は評判で、あっという間に予約で売り切れてしまい、わたしとデザイナーに渡す分を確保していたつもりが、計算ミスで売ってしまったという。「来年こそ必ず!」と言われて、まあ、ご祝儀代わりに書いたコピーだからお礼なんぞいいよ、と思ったのだけれど、やっぱりどうしても彼女のお米は食べてみたかった。

無農薬で育て「取れるしこでいい」と欲ばらない。原種の「朝日」という品種で、他種と掛け合わせていないから糖度は低い。しかし、米本来の味がするのだそうだ。もちもちして甘い人気の品種よりも、あっさりとした甘みで噛むほどにじんわりと米の味がする、と聞いている。

そのお米がくるのだ。だからお礼にチーズケーキを焼いた。素人の不恰好なケーキで恐縮だが、真心込めて作ったからいいんだ、と自分に言い聞かせて、包んだ。家族以外のためにお菓子を焼くなんて初めてかもしれない。

バスクチーズケーキは三たび作ることを予言する。超簡単。

1、クリームチーズ 250g
2、グラニュー糖 75g
3、溶き卵 2個
4、小麦粉 大さじ1
5、生クリーム200cc

これを1から順番に滑らかになるように混ぜていくだけ。コツとしては、クリームチーズが滑らかになるように軽くレンチンするか、湯煎で柔らかくしておくことくらい。夏は室温で十分だが、冬は温めたほうがいい。
これをクッキングシートを敷いた直径18センチの丸型に流し込む。
220度に予熱したオーブンで30〜40分焼いて、冷めたら冷蔵庫で一晩寝かせて出来上がり。

ちなみに、わが家には18センチの型がないから、15センチ四方の角型を使った。テキトーでなんとかなる。


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