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【024】ショートケーキの苺は最初に食べるか最後に食べるか問題と子育て

子供にとっては、年に一度の誕生日に食べる大きなデコレーションケーキ(ホールケーキ)は特別なものです。いつか大きくなってお金持ちになったら、あれを丸ごと独り占めして食べよう!というのが子供の頃からの夢でした。

大学生になり、バイト代も入るようになったので、豪華なホールケーキ(あえての誕生日仕様)を買って、切らずにフォークで独り占めする、というプレイをしたことがありました。結果はご想像の通りで、当時のようなわくわくした気持ちにはならなかったという…夢には旬があるんですね(涙)

なので、ショートケーキの苺は最初か最後か問題については、私は断然最初に食べる派です。ケーキを食べる時間は短時間なので、最初に食べる苺と最後に食べる苺の価値には差が感じられないけれど、欲しいものを先延ばしにするのが10年先だったとしたら、その時にはもうその夢はキラキラ輝いていないかもしれない。

「10年後には欲しく無くなっているなら、我慢して正解だったのでは?」という考え方もあるけれど、全てのものが経年で変化します。10年たって欲しく無くなっていることを確認するばかりの人生だと、わくわくする瞬間がほとんどないまま終わってしまうような気がします。

なので、親になってから息子の誕生日プレゼントでやってみました。
「遊園地にいって、開園から閉園まで好きなだけ遊んでOK。乗り物でもなんでも乗り放題。全部ママがつき合います」
「飲み物も、食べ物も、好きなように食べていいです。食べ切れる限りは全部買います」

私が子供の頃にそんな誕生日プレゼントがあったら鼻血がでそうです。

ちなみに、ディズニーランドだと広すぎるし、並ぶ時間がほとんどなので王様気分は得られないだろうと思って、「東京ドームシティ」という渋い選択をしました。今は変わってしまったかもしれませんが、当時は5歳ぐらいの男児が王様気分を味わえるようなアトラクションが豊富にあったのです。そしてまあまあ経済的にも妥当。

健康オタクの母親としては普段は、舌も着色するような奇妙な色のソーダフロートとか、脂肪分しか摂取できないようなジャンクフードを避けがちなのですが、その日だけはどんなものでも不問でOKにしました。

息子は終日ハイテンションで、汗で湿った前髪をデコに張り付けながら、閉館ギリギリまで走り回ってました。終始狂喜乱舞している息子をみて「よっしゃ」と思いました。

既に本人の記憶にはなかったとしても、これをもっと大人になってからやっても当時ほどのエキサイティングな体験にはならなかっただろうと思います。たまには感情のメーターが振り切れるような体験があってもいいんじゃないかと思います。

ついでに、とても大事なことを添えておくと、この日満足したのは息子だけではありません。普段母親らしいことができていないかもしれないという小さな負い目を完全に玉砕したので、むしろ一番癒されたのは自分です、断言できます。

「情けは人のためならず」とはよく言ったもので、この前親孝行について書いたnoteとも通じるのですが、誰かのために動くことが自分の癒しになるというのは、どこからどう輪切りにしても否定し難い真実だと思います。

写真=台北の中山駅にあるMelange Cafeでいただいたフレッシュな苺のワッフル。台湾では人気のカフェだそうです。(2018年11月撮影byじぶん)



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