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「本物」にお金が流れていないという危機感と、どうすればお金を流して本物を増やせるのか

こんにちは、リカです。

今日考えてみようと思うのは、「本物」にお金が流れていないのではないかという仮説について。

ここで私が言う「本物」とは、ありとあらゆる物づくりから芸術や学問に至るまで、一旦利益は度返しで、「こうだったら良いのに」という思いを追求した結果出てきた成果物。


例えばでいうと、私の友人でマンガを作っている人がいるんですが、彼のマンガは世界観を最も効果的に伝えられるよう、紙はこだわった和紙を使ったり、仕掛け絵本みたいな装丁にしてみたり。

冬のピリッとした空気と屋内の暖かさを伝えられるよう、表はツルっとした質感で裏は暖かみのあるザラついた質感の和紙を使っていたり。

しかも絵柄も凄い。
彼は建築学科出身なんですが、風景の描写が建築的手法で緻密に描かれていて、美しい。

いやほんとこれ手にとって見て読んでもらいたいんですが、良いんですよ、なんか。五感全部が刺激されるというか。


ただ、やはりかかるコストは高い。


そしてもう一つの、そして恐らく最大の問題としては、彼は良いものを作るために多くの時間を割いているので、広く一般に知らせていくための一種営業的な事にかける時間がどうしても少なくなってしまう。

これは私が学生時代アパレルのスタッフとしてバイトをしていた時に気がついたんですが、人って不思議なもんで、どんなに良いものでも、ぱっと見ただけで「これいい!!」ってなる人あんまり居ないんですよね。

あくまでまずブランドとしてのストーリーがあって、尚且つこだわって作られたものに関しては、どんな思いで作られたのか説明書きがあってこそ、「ああ、良いものだ、対価を支払おう」ってなるんです。


それが「なぜ良いのか?」と理解できて初めて、「良いものだ」となる生き物っぽいです。

ということはです。
学者や芸術家、技術家や音楽家、すべての何かを創り出す人達は、脳のパワーと時間を多く費やすことで「本物」を創り出すことができるけれど、良さを一般に伝えるための活動が逆にあまりできなくなってしまって、結果中庸なものの中に埋もれてしまうのではないでしょうか。

なんとも勿体ない話です、、!!

そして、私がタイトルに「危機感」と記したのには、単純に勿体ないと思う以上の思いがあっての事でして。


というのも、まあAIが脚光を浴びたのは少し前の話で、最近では人工生命や、量子コンピュータなどが話題となっている。

どれもまだ人間と同じような自由意志をもったものは無いけれど、問題としては、人間が簡単に理解したり考えたりできるものを模倣するシステムは日々進化していて、その上模倣のスピードは人間より遥かに早い。

ここに、私が「危機感」という言葉を使う理由があります。


というのも、先ほどお話したように、「本物」は理解するのに説明が必要だったりしますが、逆に言ってしまうと、「中庸なもの」は簡単に理解できてしまうので、模倣も簡単だったりするのではないかと。


私はよく書店へ行くので本で具体例を出してみますが、最近は本当に「投資の方法」とか「起業の方法」とか、挙げ句の果てに「質の高い人生を過ごす方法」みたいなのまで出てきちゃってます。

正直こういうのって、全部自分できちんと考えりゃ分かるって事が多いんですよねぇ。


それでもこういうのにお金が回っているのは、まず自分の生活に関わる問題を"すぐ"解決できそうだという分かりやすさと、難しいものを簡単に書いてくれているので分かりやすいというような要因があるかなと。


しかし!です。
本当は、きちんと知見を広げたいなら、論文を読むなり、歴史を学ぶなり、いわゆる方法論が根拠としている「本物」の情報源から学びとるのが一番なんです。
まあだからこそ、世の中には大学というものができたんだと思うんですけど。


でまあこうやって中庸なものにどんどんお金が流れ、中庸なものを作る人が増えたとするじゃないですか。


まあ大変、近い将来みんな失業しちゃうかも!

人工生命で作られた処理能力の高い脳とか、量子コンピュータで作られためちゃくちゃ計算早いロボットとかにすぐ模倣されちゃうんで。


で、次に考えるのは「本物」が持つ力。

それは、未来を創り出す力じゃなかろうかと。

というのも、「本物」を創る人達には、「もっとこうあって欲しい」という、現在のものを改善しようとする意思があるから。

これは、まあまだ近い未来では人間しか持ち得ない力なのではと。


あー!やっぱり「本物」を応援したいですねぇ!その方が楽しいし!

この仮説についてはもっと議論が必要かと思いますが、今回はこんなところで。

#未来
#本物
#偏愛
#ビジネス

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