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マタニティーブルーズからの気付き

①夜泣きでメンタル崩壊

私が娘を産んだ産院は、出産直後は母体の体を休めるため、一晩赤ちゃんを預かってくれるのですが、翌日からは完全に母子同室となります。

ちなみに入院期間は出産日を含めて4日間で、5日目の朝に退院となります。帝王切開の場合は1週間の入院で少し長く、母の頃は自然分娩でも1週間の入院だったので最近は入院期間が短くなっているのですね。

娘と同じ部屋になったのは、2日目の昼からで当初は慣れない育児(オムツ換えて、ミルク与えて、寝かしつけての繰り返し)に四苦八苦。休む暇なく育児に追われていました。

私のメンタルに異変が起きたのは、この2日目の夜でした。

日中初めての育児で緊張し、疲れていたので体を休めたかったのですが、22時になっても娘の目はギンギンで、まるで「わたし、全く眠くないもん!!」と訴えているようでした。

部屋を暗くしてみたり、抱っこしてゆらゆらしてみたり、背中をトントンしてみたりしたのですが、一向に寝ない娘。しまいにはギャン泣き。

初めてのギャン泣きに完全にプチパニックになる私。
もう完全にお手上げ状態で、スクワット(縦揺れ)しながら抱き続けること5時間、、、、娘はやっと深夜3時頃に寝てくれました。

赤ちゃんは昼夜逆転の生活を送ると聞いていたものの、1日目で洗礼を受け、急激にメンタルをやられ始めました。

「こんな生活がいつまで続くんだろう」「私なんかがちゃんと子育てできるんだろうか」「自分一人でゆっくりする時間が欲しい」「懐かしい独身時代よ。」「今後育児と仕事は両立できるんだろうか?」

と寝ない娘を見つめながらぼんやり考え始めしてしまいました。
たった1日でこの有様です。とほほ。

夜泣きや夜間授乳で睡眠不足のママたち、本当にお疲れ様です。

➁マタニティーブルーズー大号泣の日々ー

ほぼ一睡もできないまま、翌日を迎え、朝の検診に助産師の方が来てくれた際に、思わずほっとして大号泣してしまう私。。

「お母さん、頑張ったね!」の一言にさらに号泣してしまいました。

私はこの時初めて自分の生活が一変してしまったんだという実感を得ました。

5日目の朝に退院し、娘を連れて実家に帰る車の中で妊娠期間中にのんびり散歩した道、一人ゆっくり過ごしたカフェを見ながら、
「もうこんなゆったりとした時間を過ごせなくなるんだなぁ。」と感じ、ほろっと涙が溢れました。独身時代との決別!!

実家には定年退職した父と、パート勤務している母がいるので、日中は自分以外に娘の面倒を見てくれる人がいるので安心していました。

しかし、実家に戻ってから寝る暇もなく娘のお世話をしていると、一日があっという間で、気付けば夜になっていて、「私は今日一日何やっていたんだろう。」と思う日々が続きました。

そんな生活を送る中で、急に涙があふれたり、閉塞感(社会から切り離されてしまった感覚)に苛まれたり、不安や恐怖に襲われる瞬間が増えてきました。(これはほぼ毎日続いています。)

退院してから約1週間が経過した頃、突然自分の内側から止めようもないほどの大きな閉塞感と不安感が襲ってきて、両親の前で大号泣。床に伏して嗚咽していました。(家族全員がびっくり!)

自分でも何がそこまで不安なのか、なぜここまで自分が閉じ込められた気分になるのか分かりませんでしたが、ネットで調べるとまさにマタニティーブルーズの症状にぴったりでした!

マタニティーブルーズは、出産後の女性の30-50%が経験すると言われています。産後数日から2週間程、ふいに涙が止まらなくなったり、いらいらしたり、落ち込むなどの症状がでます。

人によっては、情緒が不安定になったり、眠れなくなったり、集中力がなくなったり、焦るような気分になったりします。

原因としては、出産後の急激な女性ホルモン(エストロゲン)の低下など内分泌環境の変化に伴って症状が現れると考えられています。

女性ホルモンの変動が落ち着けば自然に改善されるケースが殆どで、生理現象の一種と考えられるため、特別な治療は行わないことが多いとのことでした。

※補足※
近年は、パパが育児に参加するケースが増えてきたことにより、マタニティブルーズに似た症状である「パタニティブルーズ」が起こるケースもあります。慣れない育児へのプレッシャーや将来の経済的な不安をきっかけに起こすパパが多いとのこと。

私は2週間検診の際に、産院でメンタルチェックを受けたのですが、まさにこのマタニティーブルーズに該当していて、助産師さん達が色々なアドバイスをくれ、心のケアをしてくださいました。本当にありがたかったです。

➂内省して気付いたことー自分を許せない病ー

マタニティーブルーズになってしまう原因はホルモンバランスの崩れが一番の大きな原因だと思います。

ただ私の場合、育児以外にも仕事などの別の不安要素も多く、心の中でどのような想いが渦巻いているのかこの機会に内省してみることにしました。

(1)「自分を許せない」という感情

私は小さい頃からとにかく「リラックスする、のんびりする」ということができない・苦手な子でした。どこか罪悪感を感じるんです。

リラックスしたり、のんびりしたりする(生産性のないことをする)対価として、必死に努力したり、何かを成し遂げたりする必要があると思い込んでいました。

例えば中高生の頃は、リラックスしてテレビドラマを見ていいのは、1ヶ月以上試験勉強を頑張り、試験が終わった後の1日だけ!という謎のマイルールを課していたりました。(変な子ですよね。誰からも強制されていないのに、、、)

だけど「私はすごい頑張った!努力した!」という思いが、勉強せずにテレビをずっと見ていても罪悪感を感じずにすむ方法だったのです。

何が原因でこういう思考回路になったかは分かりません。(恐らく何かしらのワークをやれば家庭環境とか、両親との関係とか、過去のトラウマとかたくさん出てくるとは思うのですが、あえて深堀はしません。)

とにかく私の中には、リラックス・のんびりする(生産性のないこと)にはそれに見合う「対価」が必要であるという思い込みがありました。

だからこそ、対価を支払ってもいないのに、生産性のない育児をして毎日を過ごしている自分を許せないという感情が沸き起こってきていたことに気付きました。

育児は子供の命を育むという、世界で最も尊いことの1つだと思います。
だけど頭ではどんなに理解できても、私にはどうしても育児をするだけの自分を許せませんでした。(生産性のないことをしているという感覚にどうしても陥ってしまう)

私はフリーランスのため、育児休業を取ることができません。
つまり休めば休むほど収入はなくなります。仕事で何の成果も出していない、収入もないのに、毎日育児をして過ごしている自分には価値がないと思い込んでしまっていました。

ここでの私の課題は「何もしていなくても私には価値がある」と心から思えることだと気付きました。今までの人生は何かを成し遂げる、価値があると思うことをすることで自分の存在価値を認めることができました。

そのことに気付いてからは、自分を責める度に「許可する・許す」ことを意識しています。

育児に専念していて、あっという間に一日が終わっていく自分に対して都度「それでいいんだよ~、大丈夫だよ~、十分頑張っているよ~」と声かけしています。

また、今回里帰り出産のために実家に戻りましたが、その際に母から当時私を育てる上で記入していた「成長記録ノート」を見せてもらいました。

そのノートには私のことを大切に想う母の愛がたくさんつまっていました。
ノートの中で私がニコッと周囲に笑いかけるだけで、みんなを幸せにしていることが書かれていました。

乳幼児だった頃の私は、社会に対して何の成果も、生産性のあることもできていなかったけれど、私はただ存在しているだけで周囲を幸せにすることができる人間なんだと感じることができました。

人はただそこに存在しているだけで価値がある。
自己肯定感の本質に触れることができて本当に良かったと思います。

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(2)仕事・収入を失うことの怖さ

次に出てきた感情は、仕事・収入を失うことの怖さでした。上述したように私はフリーランスのため、産休・育休はとれません。自分でどれぐらい休むか、いつ復帰するのか自由に決めることができます。

私は最低3ヶ月は育児のため仕事を休むと決めました。しかし決めた直後に出てきた感情は、「仕事・収入を失うという恐怖と不安」でした。

例え仕事や収入を失ったとしても、夫が働いているので急に生活に困るということはありません。しかしなぜかこの恐怖と不安が何度も押し寄せてきます。

実家に戻っていることもあり、この不安の根本が何なのか改めて考えてみると、母の影響が強くあるように思いました。

私がまだ子供だった頃、母が父と喧嘩した後、通帳(母が独身時代に貯めたもの)を持ち出してきてその残高を確認した後、あきらめた顔をするのを見てきました。

恐らく子供を連れて家を飛び出していきたいけれど、お金がなくてあきらめていたのだと思います。その時の表情は忘れることができません。

そんな姿を見ていた私は、お金がないと自由に家を出ることもできない、「お金=自由」という価値観ができあがったように思います。

だからこそ収入・お金がないと、自分から自由がなくなるようですごく怖いのだと感じました。

④まとめ

子どもが生まれたことで今まで持ち続けていた思考の癖に気付くことができました。

正確にいうと、薄々気付いてはいたのですが、今までなら自分一人で、がむしゃらに努力して、成果を出す、価値あることをし続けることで乗り越えることができました。

しかし自分ではコントールできない子どもが生まれたことで、自分一人ではどうにもならず、改めて思考癖の根本に何があるのかを見つめざるを得なくなりました。

この思考癖を持ち続けていたら体を壊すまで努力し続けたり、成果を出すことにこだわったり、仕事や収入に価値を置いたり、苦しい状況が続いていたと思います。

「子どもはお母さんを幸せにしたくて生れてくる。」と聞きました。

娘が生まれてまだ1ヶ月も経っていないですが、本当に多くのことを学ばせてもらっています。

子どもを産んだからといって母親になれるのではなく、子どもに日々母親にさせてもらっているんだなと心から思いました。

今後の人生をより豊かに生きていくために、今まで持ち続けていた古い価値観、思考癖をゆるめて、よりリラックスしてこの世界を信頼していきたいと思います。

色んなことに日々気付かせてくれる娘と、育児をサポートしてくれる家族、日々の悩みを聞いてくれる友人たちに心から感謝です。

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