私らしさというラベリング
Wellbeingのあり方を追求するイメージコンサルタントの あべりかです。
『ペルソナ』という仮面の下にある「私」と「自分らしさ」は別物である。
今日は「私」と「自分らしさ」について、イメージコンサルタントと心理学の視点を踏まえて考えてみます。
無意識のラベリング
ペルソナ(仮面)は、親和性を生む効果を発揮する反面、「自分らしさ」を気づかないうちに消してしまうことがあります。
『ラベリング』は、初対面の印象で無意識に相手がどんな人間か決めつけてしまうという心理学用語です。
本来、相手に対して行うものですが、私は自分にもやってしまうものだと考えています。
「私って、〇〇だから」というように、自らを表現することありますよね。これは自分に対するラベリングです。
ラベリングは、それぞれのペルソナと合わさり、コミュニティの中での行動や判断につながります。
自分らしさ× ペルソナ = コミュニティの中での行動、判断
【例】「私って優しい人間だから」というラベリングをしたA子さんの場合
優しい私× 娘=両親また喧嘩してる、心配かけないようにいい子でいよう
優しい私× 恋人=ほんとはこうしてほしいけど、彼のいうことを聞こう
優しい私× 仕事=断らないのを知っていて残業頼まれたかもしれない
優しい私× 友達=私も恋愛相談乗って欲しかったけど、また聞き役だった
このように、普段は無意識的にペルソナと自分を調整しながら過ごしていることが多いでしょう。
無意識なので「私って、優しい人間だから」というラベリングはあまり認識しません。
ラベリングの弊害
普段は気づかないラベリングですが、乗り越え難い場面に遭遇した時に、理由として浮かび上がってきます。
言い訳のように、「私って、〜だから」という形で現れるのです。
「私って、優しい人間だから」とラベリングをしているA子さんが、結婚をしたい男性を両親に紹介したところ、ある事情から「結婚するなら勘当だ」と反対されました。
「優しい私」のA子さんは、2つの選択肢を考えます。
A「ここまで育ててくれた親を見捨てるなんて」と諦めるのか。
B「一生幸せにすると言ってくれた彼を裏切れない」と結婚するのか。
いずれの選択にしても、自分の決断に「相手を気遣う優しさ」を付け加えようとします。
先日読んだ、竹村さんの記事の中で、以下のような文章がありました。
無意識にできあがっているとはいえ、脚本は誰かに強制されているものではありません。いつのまにか自分で書き上げてしまっているもの。それが体に染み込んでいて、その脚本どおり歩んでいるだけです。
心理学の違う観点から書かれている記事でしたが、無意識が行う選択っておそらく多いんだろうなと感じました。
自分らしさの縛りを解放する
A子さんは、自分で無意識につけたラベリングが自分を縛っていることに気づいていません。
選択肢をもう一度読み返してみてください。
A子さん自身は「優しい自分」であることをご自身に求めていませんよね。「優しい自分」は、「A子さんがご両親や彼に応えようとしている「自分らしさ」にすり替わっているのです。
どちらの選択も、良いも悪いもありません。
必要なのは、A子さんがその選択をして心地よいか、心地よくないか、それだけです。
自分にとっての心地よさ、すなわち『自分らしさ』は、自分が心地よいという状態から生まれます。
「自分がこうありたい」ことも「周囲のこうあってほしい」ということも、本来の自分らしさとは違うものなのです。
判断は心地よさで決める
自分の気持ちを大切にした上で、相手を思いやり行動、判断していくことを心がけましょう。
A子さんが無意識のラベリングを認識してみると
「あ、優しい自分と見せかけて、両親と向きあうことから避けているな」
「彼を裏切れないと言って、自分の選択、自己責任にしたくないのかもしれない」
と、俯瞰して見た上での選択をすることができます。
道徳的なことや法的なことから外れなければ、どの選択をしてもその人の人生、その人らしさです。
また、選択肢を重ねることで、経験が豊かになり、その人らしさが作られていくのです。
ですから、何かの選択や判断を迫られたりした時、「自分らしさ」という言葉に惑わされないでほしいのです。その選択がご自身にとって心地よいか、そうでないか、ご自身の気持ちを大切に選択をしてほしいなぁ、と心から願うのです。
Wellbeingのあり方を追求するイメージコンサルタントとしては、この「私」を理解することが、コンサルティングの肝だと思っているため、あつーく書いてしまいました。
「軽やかに、しなやかに、微笑みとともに」
イメージコンサルティングのスキルを通して、あなたのWellbeingにつながりますように。
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